22 洞窟探検
「お母さん、サーシャと一緒にあそこから洞窟の中を見に行ってきて良いのじゃ?」
「おばちゃん、おねがい~」
ヴィーヴルは洞窟の広場の脇にある道を指さしながら言った。
サーシャは、上目遣いに龍の雌を見つめている。
「良いわよ、気を付けて行ってらっしゃい」
「ありがとうなのじゃ」
「おばちゃん、ありがと~。
ヴィーヴルちゃん、いこ~」
「分かったのじゃ。
その前に、火魔法で明りを灯すのじゃ」
ヴィーヴルは火魔法を行使して、握りこぶし大の火の玉をヴィーヴルとサーシャの少し前に浮かべた。
「ヴィーヴルちゃん、ありがと~」
「あんまり狭い所に行っちゃダメよ~」
「分かったのじゃ」
「わかった~」
2人は背中に龍の雌の声を受けながら、洞窟の脇道の方へと駆けて行った。
2人は脇道の前へ着くと、一旦、立ち止まった。
火の玉で照らしているとはいえ、洞窟の外と比べると薄暗い。
2人は、足元をよく見ながらゆっくりと進んでいく。
「ヴィーヴルちゃん、あそこでなにかひかってない?」
少し歩いたところで、サーシャは少し先の地面を指さしながら言った。
「何処なのじゃ?」
ヴィーヴルもサーシャが指した方を見てみたが、特に何も見当たらない。
「あそこだよ、あそこ」
「あそこ?」
サーシャは光っていた所へと走り出し、指さした。
「うん、ここ~」
そこには、水晶の小さなかけらが落ちていた。
サーシャは水晶のかけらを拾い上げると、ヴィーヴルの前へと差し出した。
「ヴィーヴルちゃん、これ、きれいだよ~」
「本当なのじゃ。
もっと他にないか、探してみるのじゃ」
「うん、さがそ~」
2人は辺りを見回し、他にも水晶のかけらが落ちていないか探し始めた。
今居る場所にはなさそうだと言う事を確認すると、見落とさないようにゆっくりと歩み始めた。
暫く歩くと、ヴィーヴルが洞窟の壁に何か光るものを見つけた。
「サーシャちゃん、あそこで何か光ったのじゃ」
「どこ?」
「この辺……だったのじゃ」
ヴィーヴルが光った所を良く見てみると、壁の中に埋まった光るものがあった。
「それとは違うのじゃ」
「でも、それもきれいだね」
「壁の中に埋まっているから、取れないのじゃ」
ヴィーヴルは、壁を爪で引っ掻きながら言った。
「そうだね~、むりみたいだね」
サーシャも爪で引っ掻いてみたが、どうすることも出来なさそうだった。
「そうじゃ。
お母さんなら、どうすれば良いか、知っているかも知れないのじゃ」
「じゃあ、おばちゃんにききにいこ~」
ヴィーヴルとサーシャは洞窟の広場の方へと駆けて行った。
途中、サーシャが石に躓いてしまい転び、手を繋いでいたヴィーヴルも手を引かれて巻き込まれる形で転んでしまった。




