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ある龍の物語  作者: まっこ
第1章 誕生
21/344

21 2度目の引っ越し

「ヴィーヴル、目印を此処に置いておきなさい。

 そうしないと、此処へ遊びに来られなくなるわよ」


「分かったのじゃ」


 ヴィーヴルは、瞬間移動の目印となる六角柱のようなものをこの場所へ設置した。


「さぁ、手をしっかり握っていてね。

 サーシャちゃん、怖いようなら目を瞑っていても良いわよ」


「だいじょうぶだよ~」


 龍の雌は、ヴィーヴルとサーシャの手をしっかりと握りしめた。

 3人の景色は一瞬の後、昨日、龍の雌が目を付けていた洞窟の前へと切り替わった。


「はい、もう良いわよ」


「ここが、ヴィーヴルちゃんとおばちゃんの、あたらしいおうちなの?」


「そうよ」


「そっか~、はいっていい?」


「良いわよ」


 龍の雌は、入り口に張っておいた結界を解いた。


「ヴィーヴルちゃん、いこ~」


「分かったのじゃ」


「あ、ちょっと待ってね。

 ヴィーヴル、此処からさっき置いてきた目印の場所は分かる?」


「少し待つのじゃ……」


 ヴィーヴルは先ほど設置してきた瞬間移動の目印を探し始めた。

 だが、自分がどちらの方向から連れてこられたのか全く分からない。

 洞窟の入り口を背にし、前面方向へ探してみた。


「お母さん、分からないのじゃ……」


 ヴィーヴルは俯いた。


「ヴィーヴル、あちらの方向よ。

 もう一度、やってごらんなさい」


 ヴィーヴルは顔を上げて、雌の龍が指した方向へ集中して目印を探した。

 今度は、その方向に反応を見つけることが出来た。


「お母さん、見つけたのじゃ」


「良くできたわね。

 じゃあ、次にそこまで瞬間移動できるかしら?」


「やってみるのじゃ」


 早速、瞬間移動を発動させようとしたヴィーヴルを龍の雌が止める。


「その前に、此処にも目印を置いて行ってね。

 こちらに来られなくなってしまうわよ」


「そうだったのじゃ」


 ヴィーヴルは、慌ててこちらにも目印を設置した。


「では、行ってくるのじゃ」


「ヴィーヴルちゃん、まって。

 どこにいくの?」


「瞬間移動で、元の家に行ってくるのじゃ。

 行ったら、直ぐに戻ってくるのじゃ」


「わたしもつれてって」


 サーシャはヴィーヴルの手を握った。


「お母さん、良いのじゃ?」


「良いわよ、いってらっしゃい」


「じゃあ、行くのじゃ」


 ヴィーヴルは目を閉じて、瞬間移動を発動させた。


 暫くして、ヴィーヴルとサーシャは絵本を抱えて帰って来た。


「ただいまなのじゃ」

「ただいま~」


「お帰りなさい。

 絵本を抱えてきたってことは、無事に瞬間移動が出来た様ね」


 龍の雌はヴィーヴルの頭を撫でた。

 ヴィーヴルは満面の笑みを浮かべ、撫でられるままになっていた。


「ヴィーヴルちゃん、なかでえほんをよも~」


「分かったのじゃ」


「その前に、お掃除のお手伝いをしてもらえるかな?」


「わかった~、おてつだいする~」

「妾もなのじゃ」


「じゃあ、どっちがおてつだいできるかきょうそうね」


「負けないのじゃ」


「なにをすればいいの?」


「早く教えて欲しいのじゃ」


「それじゃあね……」


 3人は手を繋いで洞窟の中へ入り、掃除を始めた。


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