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ある龍の物語  作者: まっこ
第1章 誕生
18/344

18 相談(2)

「一緒には行きますが、一緒には暮らしません。

 今までと同じように、隣人として生活します」


「分かった、それで十分だ」


「それで、何処へ移るのですか?」


「今回行ってきた森へ行こうと思う。

 此処から1日も歩けば着く。

 ただ、街を通る必要があるのだが、大丈夫だろうか? あんた達は隠れ住んでいたぐらいだから、街へはあまり行きたくないだろうと思ってな」


「そうですね……街へはあまり行きたくないですね。

 街を迂回することは出来ないのですか?」


「迂回して行くこともできるが、もう1日は余計に歩くことになるだろうな」


「構いませんよ。

 それ位なら、問題ありません」


「それと、あっちには家が無い」


「私達は家が無くても大丈夫ですよ。

 直ぐに作れますから」


「いや……その……何だ……俺達が住む家も無いんだ」


「それは、私達に家を作って欲しいという事でしょうか?」


「出来ればお願いしたいのだが……」


 話の全体像が漸く見えてきた。


 新しい狩場は良い狩場なのだろうか、狩人の男は本拠地を彼方に移したいと考えたのだろう。

 だけど、其方には住む家が無いからこのまま直ぐに移住と言う訳には行かない。

 そこで、そこに一緒に住むことにして、龍の雌に家を作って貰おうと……図々しいにも程がある。


 此方の森に魔物が多くなり狩りがし難くなったこと、その為、新しい所へ移住したいと考えた事には、多少の同情の余地はあるかも知れない。

 だが、それで狩人達が住む家を提供する事とは話が違う。

 家を作る気になれば直ぐに作れるし、労力も然程、必要とはしない。

 サーシャを預かるという要求を聞き入れてしまった為に、要求すれば叶えてくれるとでも思ったのだろうか? 龍の雌は半ば呆れ顔で答えた。


「お話になりませんね。

 何故、私達が貴方達が住む家を提供しなければならないのですか? 何か勘違いをなさっていませんか?」


「勘違い?」


「貴方達の生活に干渉はしませんが、貴方達の生活を保障する訳ではありません。

 更に言えば、貴方の口を封じる方法はサーシャちゃんを人質とするだけではないのですよ? サーシャちゃんが1人では生きていけないと言うのなら……」


「子供を手に掛けるなんて、可哀そうだと思わないのか?」


「サーシャちゃんには可哀そうですが、ヴィーヴルの安全の為ならば私は何でもできます。

 例え、それがヴィーヴルに恨まれることになろうともです」


 狩人の男は顎を摘んで考え込んだ。


「俺には2つの選択肢があった。

 ここで狩りを続けるか、新しい所で狩りを続けるか……ここは、何故か魔物が増えすぎて、まともに狩りが出来ない。

 だから新しい所に移動して、狩りを続けようと思ったんだがな……」


「それでしたら、ここから新しい狩場まで通えば宜しいと思いますよ」


「さっきも言った通り、ここから狩場までは1日掛かる。

 あっちで1日狩りをしたとしても、3日必要になってしまう。

 あっちに移らないと、移動するだけで大変だからな」


「狩りをする日にちを、多くすれば宜しいと思いますよ」


「その間、サーシャの事を頼んでも良いだろうか?」


「喜んでお預かりします。

 ヴィーヴルもサーシャちゃんと一緒に遊べる時間が長くなるでしょうから、喜ぶと思いますし」


「分かった。

 今後、そう言う事で頼む。

 あちらに移り住めれば、移動の負担が無くて楽だったんだがな」


「貴方は生きて(、、、)いるのではなく、生かされて(、、、、、)いるという事を忘れないでください。

 多少の負担をなくすために命を掛けると言うのであれば、お止めはしません」


「肝に銘じておくよ」


 無事(?)に相談事は解決したようだ。


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