17 相談(1)
「帰ってきて早速だが、相談したいことがあるのだが良いだろうか?」
狩人の男が、龍の雌へ相談事がある事を持ち掛けてきた。
「分かりました。
じゃあ、ヴィーヴル、サーシャちゃんと……」
「いや、立ち話も何だから、家の中で話さないか?」
龍の雌は少し思案したが……
「分かりました。
では、お邪魔しますね。
ヴィーヴル、サーシャちゃんのお家へ行きましょう」
「分かったのじゃ」
「サーシャもいっしょにいく~」
龍の雌はヴィーヴルとサーシャに引かれて狩人の家の中へと入って行った。
「まぁ、座ってくれ。
サーシャ、ヴィーヴルと遊んでくれないかな?」
「うん、いいよ。
ヴィーヴルちゃん、あそこにえほんがいっぱいあるの。
みせてあげる」
「分かったのじゃ」
ヴィーヴルとサーシャは、絵本があると言っていた方へと行ってしまった。
「相談と言うのは2つあって、先ずは、俺はこの森を離れようと思う」
「そうですか……それは、困りましたね」
「どうしてだ?」
「貴方は、私達の事を口外することが無い様に見張っているという事をお忘れでしょうか? サーシャちゃんの傍にいるのも、人質としてなのですよ」
「それは分かっている」
「貴方達が何処へ行こうと構いませんが、そこで口外を防ぐ方法が思いつきません」
「そこで2つ目の相談なのだが、俺達と一緒に来てくれないか?」
「どういうことでしょう?」
「サーシャもお前さんに懐いているようだし、良ければ一緒に暮らして……」
「私は、あなたと一緒に暮らすつもりはありません。
最初に申し上げた通り、あなたたちの暮らしには一切、干渉する気はありません。
ただ……」
「ただ?」
「ただ、貴方の口を封じるためには、サーシャちゃんと言う人質が必要だし、それにはサーシャちゃんの傍にいる必要があります」
「それなら、一緒に暮らした方が都合が良いだろう?」
「それとこれとは話が別です。
それに、先程申し上げた通り、貴方達の生活に干渉する気はありません」
龍の雌としても、サーシャに対して初めの内は人質としての感情しかなかった。
それが一緒に居る内に、それ以外の感情を持ってしまったということは自覚していた。
しかし、狩人の男に対しては特別な感情は全くない。
そんな赤の他人と一緒に暮らすという事なんて、考える余地も無い。
「じゃあ、どうするんだ?」
龍の雌は考え込んだ。
暫くして、考えた末に出した結論は……




