24 ゴブリン村での縄作り(2)
(それでは、先に木でも伐っておくのじゃ)
ヴィーヴルはリーダーが走っていくのを見送り、踵を返して村の外へと向かっていった。
木から縄を作るときには、木の皮だけが必要となる。
木の皮を剥ぐには、木を伐り倒しておいた方が都合が良い。
明日でも伐り倒せるが、他の者が居ない時にやってしまった方が良い。
間違って、思わぬ方向へ倒れてしまった場合、ヴィーヴルしかいなければどうとでもできるが、他の者が居ると守りきれないかもしれない。
他の者を、態々、危険な目に会わせる必要はない。
(5~6本も伐っておけば足りるのじゃ)
手近にあった木を伐り倒す。
倒れた木を魔法で浮かせて横に並べる。
(枝も払っておくのじゃ)
風魔法で枝を切り払う。
切り払った枝も、魔法で浮かせて1箇所に纏めておく。
(これで良いのじゃ)
明日は、木の皮を剥ぐところを見せれば良いだろう。
(そういえば、ゴブリン達はどうやって木を倒せば良いのじゃ? 妾は魔法で倒せるが、ゴブリン達は魔法が使えないのじゃ。
それに、木の皮を剥ぐにはどうするのじゃ?)
ヴィーヴルは自由自在に魔法を行使することができる。
今、木を伐り倒したのだって、全て魔法で行った。
では、魔法を使えないゴブリン達はどうやって木を伐り倒すのか? 枝を払うのか? 木の皮を剥ぎ取るのか?
木の皮を手に入れられなければ、縄を作ることはできない。
(妾基準で考えておったのじゃ。
あとでリーダーに何か道具がないか確認するのじゃ)
そう考えながら、ヴィーヴルはその場を後にする。
(後は、木の皮を浸けておく場所なのじゃ……)
それは、リーダーか長老に確認する必要がある。
木を伐り倒した場所の傍に作っても良いが、ゴブリン達の都合もあるだろう。
今回はヴィーヴルが主導して作るが、今後はゴブリン達が主だって作ることになるはずだ。
リーダーは罠のために縄を必要としているようだし、ヴィーヴルが居なくなった後も作っていくことになるのだろう。
ヴィーヴルが村の水場へと瞬間移動で帰ってくると、暫くして長老の家からリーダーが出てきた。
リーダーがヴィーヴルを見つけると、こちらへと走り寄ってきた。
『村の者、全員で行うことが決まった。
よろしく頼む』
「分かったのじゃ。
それはそうと、確認したいことがあるのじゃ」
『何だ?』
「何か、木を伐ったり、木の皮を剥いだりできるような道具はあるのじゃ? それが無ければ縄にはできんのじゃ」
『そうだな……あまり切れ味は良くないが、剣がある。
時間は掛かるかもしれないが、それでできると思う』
「それは良かったのじゃ。
あと、剥ぎ取った木の皮を水に浸ける必要があるのじゃ。
どこか良い場所は無いのじゃ?」
『それは、長い時間が必要になるのか?』
「いや、一晩で良いのじゃ。
ただ、水をそこに持ってこないといけないのじゃ」
『水場に浸けてはいけないのか?』
「問題ないのじゃ。
ただ、浸けている間は邪魔になるのじゃ」
『構わんよ。
水が飲めなくなる訳じゃないなら、何の問題もない』
「分かったのじゃ。
それでは、明日、縄作りをするのじゃ」
村の者、総出での縄作りが決定した。




