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ある龍の物語  作者: まっこ
第3章 流転
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23 ゴブリン村での縄作り(1)

「此処には遊ぶものが何もないのじゃ」


 ヴィーヴルはリーダーに対して不満をぶつけた。


『此処はゴブリンの村だということを忘れてないか? 人間のように何でも作れるわけではないぞ』


「それでも、作れるものはあるはずじゃ」


 ゴブリンは知恵で人間より劣るかもしれないが、人間の時の記憶を持っているリーダーが居るのであれば話は別である。

 リーダーが、人間の時の記憶を引き出すだけで良い。


『そんなものを作っている暇は無いからな。

 遊び道具1つ作る時間があるのなら、罠を作った方が敵を防ぐことができる。

 遊び道具に使うもので武器を作れば、戦いに使うことができる』


 ゴブリンであるリーダーであれば、子供の遊び道具より戦いに使えるものを揃えるのが当然だ。


 遊び道具を揃えていたため、戦う術が不足して村が壊滅しました。

 そんなことになっては、元も子もない。


 村の存続が第一で、その他のことは後回しになっても仕方がない。


「では、妾が勝手に作るのは良いのじゃ?」


『ヴィーヴルは村のものではないからな。

 村に害がなければ、問題ない

 それに、水場も作って貰ったこともあるし、多少のことは他の者も目を瞑るだろう』


「分かったのじゃ。

 では、妾が勝手に子供たちと遊ぶために、遊び道具を作るのじゃ」


『何を作るのか、聞いても良いか?』


「まずは、ブランコを作るのじゃ」


『ブランコか……それならば、縄がなければ作れない。

 縄はどうするんだ?』


「手持ちのものもあるが、作ろうと思うのじゃ」


『縄を作るにも、小麦はこの辺に無いぞ』


「小麦から縄を作れるのじゃ? 妾は木から縄を作るのじゃ」


『木から作るのか? 出来れば、その方法を教えてくれないか?』


「構わんのじゃ。

 だけど、急にどうしたのじゃ?」


『我が人間だったときには、麦の茎からしか縄を編む方法しか知らなかったんだ。

 木から縄を作れるのならば、縄を使った罠を作ることができる』


「お主はそればかりなのじゃ……まぁ、良いのじゃ。

 では、妾はブランコを作るための縄を作り、お主は罠に使う縄を作るのじゃ。

 その時に、一緒に子供にも作らせたいのだが、良いのじゃ?」


『良いが、どうしてだ?』


「縄を作るのは中々に面白かったのじゃ。

 子供達も喜ぶと思うのじゃ」


『それならば、村の者、皆で作ろう。

 縄はどれだけあっても困らないし、作れるものが多くなれば、より多く縄を作れる。

 何時から始めるんだ?』


 急に、こちらのやろうとして居ることに対して、前のめりになってきた。

 最終的な目的は違うが、そこは気にしないでおこう。


「明日から始めるのじゃ」


『分かった、長老に話をつけてくる』


 リーダーは長老の家へと駆け出していった。


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