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じじいは勇者、リクトはモブ

オカマ神が渡してきたタブレットにあった[職業一覧表]には【モブ】の二文字しか書いていなかった。

あまりの驚きに目を見開きしながらも、俺は頭を回転させる。

本来のこのようなイベントでは俺が超級職の【勇者】になるはずなんだろうが、大きな期待はずれだったようだ。


つまり俺は新たな世界に【モブ】として転生する。


俺はタブレットのラグかなんかと期待し、オカマ神に聞いた。

「俺ってこの世界の新たな主人公。つまり勇者になるんじゃないのか?」


「はい。そのようですね。」


オカマ神はまたも俺の残念設定に笑いをこらえながら肯定した。


オカマ神と出会い、色々なことを馬鹿にされ続けたが今回は精神的にもダメージが大きい。元々俺は豆腐メンタルだ。


そのためオカマ神には何も言い返すことが出来なかった。



「そういえば、リクトさんがここに来る前に80歳の杖をついたハゲジジイが来たのですが」


急にどうした?てか口悪!


「確か職業が【勇者】だったような」


「…本当ですか?」


「はい。」


「まじですか?」


「マジです。」


そんな切ない現実を受け入れたくない俺は、何度も言葉を繰り返す。

えっ何でじじいを異世界転生させるの?

頭おかしいだろ。

普通天国じゃね?

じじいは天国。



…そこで我にかえった俺は、

「なんじじいを天国に送らなかったんだ?」


オカマ神は明後日の方向を見ながら言った。


「最初はそのつもりでいたんですが、じじいに次来る人はショック死で死んだ人が来てそいつを異世界に異世界転生させて魔王討伐してもらうという事を、じじいに話したような気がします。」


何こいつ口走ってるんだ!!!!!!


「そしたらじじいが、『俺も異世界いくぅ〜。行かないと死んじゃう。』とか言い出して」


おい、おじじい死んでるだろ。てかお前《オカマ神》意外と真似うまいな と心の中でツッコム俺。


オカマ神はの話は続く

「それでしょうがなく転生を許可したのですが職業が見事【勇者】でして。」


おまえ!何やってるんだーーー!!

オカマ神のこめかみをグリグリをして、約3分ようやくイラ イラがおさまってきた俺は


「まぁー終わったことはしょうがないな。」

と言った。


「すいません。」

頭から三段重ねのたんこぶが出ているオカマ神は素直に謝ってくれた。







しかし俺はあることが気になった。


それはあっちの世界で日本語が通じるのだろうかということだ。


そもそも言葉が通じなかったら、話にはならない。


「おい、オカマ神、俺の言葉ってあっちの世界で通じるのか?」

「はい。私の女神パワーであっちの世界の設定を変えさせてもらったので大丈夫ですよ。」

「良かった。」


人を馬鹿にしてくるが、きちんと女神の仕事をしているんだな。


てか世界の設定を変えるって何?こわ!!


質問に答えたオカマ神は何やら詠唱をしていた。


すると床に魔法陣が出てきた。半径三メートルくらいはあるだろうか。紫色に光っている。


「早くこの中に入って下さい。魔法陣が消えてしまいます。」


焦りながらいうオカマ神。


魔法陣を作ってそこから異世界転生させるには、そうとうな体力を使うのだろう。


「わかった。」


俺はうなづきながら魔法陣の中に入る。


「では寺岡リクトさん。魔王討伐をし世界を救って来てください。もし魔王を討伐した際には願いを一つ叶えさせてあげましょう。」


目を瞑ればオカマ神の声はかなりの美声だ。

目を瞑ってれば女にしか思えない。


そして俺の視覚は眩しいほどの光に包まれていく。

やがて俺の視界はその光のせいで全く見えなくなる。


俺はとうとう異世界に行くのか。


そこでやっと寺岡リクトは決意した。


俺が世界を救ってやると。



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