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プロローグ
――目を開けると、私は広い草原で横たわっていた。
澄み切った新鮮な空気、草の香り、小鳥の囀り……自然豊かに囲まれ、空が近くてもしかしたら雲を掴めるとか、一回飛べば越えられるのでは? と空想めくようなメルヘンチックな場所だった。
だけど、私――赤崎大香はそんな草原にいた記憶がない。そこに居た覚えもない。
先程まで、私は城跡公園の草むらで寝ていたはずなのだが……と疑問顔になりながら周囲を見渡す。
「ここは、何処だ?」
とりあえず、そうつぶやく。ほかに思い当たる言葉が思いつかなかったから。
なぜこうなったのか、私は昨日から今朝にかけての行動を振り返ってみた――