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雨の音とクローバー  作者: ひな月よつ葉
第1章 MOON&LEAF 編
14/17

特別編 ep:よつ葉 子猫へ秘密の力

written:菜須よつ葉


今回は、本編とは別の1日によつ葉ちゃんの身に起きた、よつ葉ちゃんらしい優しいお話です。



雨の音とクローバー特別編

エピソード:よつ葉 【子猫へ秘密の力】



お楽しみください──

「今日も、また留守だ。もう、お店留守にして何処に行っているんだろう?」



 新しく創ってもらった四つ葉のクローバーと月をモチーフにしたお店のロゴシールを、オーナーであるひな月さんに許可なく入り口に貼り付けていた時だった。



「よつ葉ちゃん!よつ葉ちゃん!」


「あらっ、戸田さん。こんにちは」


「居なくなっちゃったの!」


「居ないって、店長が?」


「いやいや、それは居るわよ。何処か行く勇気なんて無いわよ。いつでもパン焼いてるわ」


「おじさんの焼くパンとっても美味しいですもんね。よつ葉大好きなんですよ」


「ウチの喜ぶわよ。よつ葉ちゃんに誉めてもらえて」



 パンの話に盛り上がっていたが、本来の目的を思い出した戸田さん。



「よつ葉ちゃん、パンの話は良いのよ。後から届けさせるからもらってやって」


「ありがとうございます」


「居なくなっちゃったのよ」


「誰が居なくなっちゃったんですか?」


「チェリーよ! 気づいたら居なくなっちゃったのよ。ひな月さんに何処にいるか予言してもらおうと思ったのよ」


「そうだったんですか」


「じゃあ、よつ葉ちゃんでも良いわ。チェリー探してちょうだい」



 戸田さんが、よつ葉に無茶ぶりをする。



「えっ? よつ葉にそんな能力無いですよ」


「よつ葉ちゃんなら、そんな力使わなくても、その癒しの雰囲気に寄ってくるわよ」


「いやいや、そんなわけないですって」


「私も探すから、よつ葉ちゃんも頼んだわよ~~」



 そう言い残して、戸田さんは愛猫チェリーを探しに奔走している。仕方ない探しに出掛けるか。



 アーケード街から出ないだろうと思って、とりあえず近場から探している。あるお店の前を通り掛かったとき猫の鳴き声がきこえたような気がして立ち止まる。



「ミャ~~」



 あっ、やっぱり猫の鳴き声だ! チェリーちゃんかなぁ。



「チェリーちゃ~~ん」


「ミャ~~」



 いる! 



「チェリーちゃん、どこぉ~~」


「ミャ~~」



 いやいや、鳴き声で返事されてもわからないよぉ。チェリーちゃん。



「ミャ~~、ミャ~~」



 鳴き声が大きく聞こえたきがして店と店の間を見ると隙間に子猫が怯えて鳴いていた。



「いた! チェリーちゃん、おいで~」



 こちらに向かって歩いてくるチェリーの足取りがおかしいことに気づいた。



「あれ? チェリー? 足を見せてね」



 出血は無さそうだなぁ。痛がっている前足を両手で包み意識を集中する。



「ミャ~~」



 使っちゃった【応急処置ファーストエイド】よつ葉の秘めた力。


 まぁ、誰もいないし良いかっ。



「ミャ~~」



 よつ葉にスリスリとすり寄っているチェリー。

 お礼の意味かな? チェリーを抱っこして戸田さんのところへ向かう。



「戸田さん、チェリーいましたよ」


「まぁ、よつ葉ちゃん!ありがとう」



 戸田さんにチェリーを渡して、お店に戻る。


 タイミングの良さがまるで計算されているかのように帰ってきたひな月さん。



「ただいまぁ」


「お帰りなさい。いったい何処に行っていたんですか?」


「お店の入り口の扉のロゴシール、いい感じね」


「いただいたんです」


「あらっ、そうなの。それより一緒にプリン食べよう」


「じゃあ、お湯沸かしますね」

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