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第2話 迷える能力の発揮
written:菜須よつ葉
アーケード街に響き渡った警報装置の音に、みんな慌てて我先にと逃げ惑う人々。
「ひな月さん、どうなって何が起こってるの?」
「よつ葉ちゃん、そんなつまらないことは後回しよ」
「後回しって……」
爆発とか大きな災害は起こってはいないが、ひな月の叫んだ──
「皆さんっ! 爆弾物が見つかりました! 今すぐここから避難してください!」
──の言葉だけで起こっているパニックに、よつ葉はどう対応して良いのかわからずいたが、目の前で転んで怪我をした人の手当てをすることにした。
「大丈夫ですか?」
「……はい」
あの能力を使っても良いのか迷っていた。その時──
「よつ葉ちゃん、ちょいちょ~いって治してあげたら良いのに」
ひな月さんがケロッと言う。
「そんなに頻繁に使っていると、混乱を起こすことになりかねません」
「でもぉ、怪我をした人、怪我が治るまで痛いよぉ?」
「……」
「いやぁ! よつ葉ちゃん睨まないでぇ!」
ふたりで繰り返されたこんな会話の中、いつしか爆発騒ぎは収まっていた。




