プロローグ
プロローグ「初めての友達」
「あなたはだぁれ? わたし、ルフィーナなの」
「ボク、ボクはアスティン……」
「それじゃあ、アスティン、わたしとおともだちになってね」
「うん、わかったよ」
「おともだちきねんに、コレ、あげる」
「うん? それはなに?」
「くちのなかにいれるとあまくていいかおりがしてとけるの。アスティンにもあげるね」
「ありがと、ルフィーナちゃん」
「うんっ、わたしとずっとなかよくしてね」
これがずっとずっと、続く予感を感じた彼との出会い。そして、月日が流れた――
5年後――
「ルフィーナ! それ、それを返して! 頼むよ~それが無いと守れないんだ」
「やーよ! これでお母様に使ってもらえるもの。固いお肉とかには丁度いい硬さだわ! さすが、わたしのアスティンね。いいものを持ってるじゃない!」
「駄目だってば! そ、それは騎士の盾なんだよ~見せかけじゃなくて、本物の盾なんだよー」
「ふふっ、きちんと使い終わったら返してあげるってば~! それにアスティンはまだわたしを守れないじゃない。見習い騎士なのだから、むしろわたしが守ってあげるわ!」
「そ、そんなぁ~~」
小さい頃に出逢った彼女は大人しくて可愛くて、それがなんでこんなにもいたずら好きの姫に育って行ったんだろうとアスティンは思ってしまった。
「少なくとも僕と遊んでる時はこんなじゃなかったのに……でも、可愛いんだよなぁ」
「お母様、いいものを借りてきたわ。これでお肉やお野菜をブレずに切れるわ!」
「ルフィーナ……それ、アスティンの盾でしょう? さすがに使えないわ。今すぐ返してらっしゃい。いたずらが過ぎるとあの子に嫌われるわよ?」
「大丈夫よ! アスティンはわたしの騎士なの。ずっとわたしのことを想っていてくれるわ! だからわたしを嫌うだなんてそんなことは起きっこないの。お母様は安心してそれを使っていいんだからね」
「それでも駄目よ。いいこと、あなたが健やかに育ってくれているのはとても嬉しいことだけど、好きな男の子には何をしても許されるだなんて思ってはいけないわ。あなたは将来、この国の王女なのよ? いたずらばかりしていては騎士も守ることをしなくなるかもしれないの。いいこと? いたずらが過ぎるのはお止しなさいね」
「うー……大丈夫だもん。アスティンなら許してくれるもの」
幼き頃、お庭に迷い込んできた男の子、アスティンと出逢った。わたしはすくすくと育ち、わたしは姫、アスティンは見習い騎士……と言ってもまだまだ見習いの見習い騎士。
いつか、見習い騎士のアスティンを傍に置いてこの国をふたりで支えていく……そんなことが起きればいいな。なんて、思いながらも今日もわたしは大好きな彼をからかって遊ぶ日々を過ごした――