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死に損ないのピエロ

作者: 芝桜

瞼が重い


目が開かない


けど……


どこかであたしを呼ぶ声がする……


あたしは現実から逃げた……


呼ばないで……


1人にしておいて……


ほっておいて……


思っていても、呼ぶ声がでかくなる



あたしを呼んで……


助けてよ……


1人にしないで……


心の声が


ポロッ……ポロッ……と溢れた時





目が覚める


あたしを呼んでいたのは、君か……


右手に巻かれた包帯を愛おしそうに


ゆっくり……ゆっくり……


撫でる君の手が止まり


そして……


ただいま……とあたしが言う


おかえり……と君が言う


あぁ……また死にそこねた……


今日からまた……


君を騙すピエロだ……

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