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心の支え

教室~2-A

怜奈「やった、数学終わった~昼飯だ。」

彼女は右腕を突き上げ、窮屈だったといわんばかりに伸びをする。

フロル「数学苦手なんだ?俺は国語が苦手なんだよ。特に現国、心情の変化なんて    どこにも書いてないんだもーん。」

そういうと、ソースにコロッケをかける。

シャミール「かけすぎだ。そしてなぜ俺の席で食べている?」

校長室から帰ってきたシャミールはなんだか苛立ってる。席に戻る途中に躓いた荷物に盛大な舌打ちからも感じ取れる。

フロル「そんな細かいことでケチケチしないでよ~さぁさぁ食べよう。あ?!、     ソースこぼした」

怜奈「そうよそうよ、本当ケチ臭いわね~」

シャミール「それがあるから嫌だったんだ。どれ、見せてみろ。なんだ、これぐら      いなら水で揉みほぐせば簡単だ。シャツを脱げ、洗ってきてやる。」

そういうと、彼は行ってしまった。足取りがどこか軽い。

フロル「そういえば、君には鷹津先輩がいるんだよね~どうなの兄妹がいるって?僕には兄妹がいないから分からないや」

怜奈「まぁ小さい頃から自慢の兄よ。小学校から生徒会長も務めてた。いつも面倒を見てくれて、誰からも頼りにされてる、優しい兄よ。あのヒョロガリナルシが会長だって今でも信じられないくらいに。」

シャミール「誰がヒョロガリナルシだって?」

怜奈・フロル「わぁ?!」

怜奈「急に後ろ立たないでよ、心臓止まるかと思った。」

シャミール「止まってもこまらないだろう?人より足が短いのだからな」

怜奈「なんですって~」

フロル「まぁまぁ、喧嘩しないでよ。今、怜奈に兄妹のこと聞いてたんだ。

    シャミールも妹、いるよね?」

そう尋ねると待ってましたと言わんばかりの勢いでシャミールは語り始めた。妹のことを語りまくる兄はここまでキモイとは。

シャミール「よく聞いた、フロル。俺には妹が一人いる。かけがいのない一人だ。

      世界の中心と言っても過言ではない。シャミリアという知性溢れる名      に、何とも形容し難い、可憐さ、世の女性は見習ったほうがいいん       じゃないか?」

そう言うと彼は視線を怜奈に向ける。

怜奈「なによ?」

シャミール「いやぁ~何でもない。」

フロル「そういえば最近見ないけど、どうしたの?」

怪しい空気を察知したフロルがすかさず言う。

シャミール「季節外れのインフルエンザだ。どうやら美しさはウィルスまで魅了す      るらしい。」

怜奈「うげぇ~気持ち悪い。」

彼は気にせず弁当の包みを開ける。箸を出す。水筒にお茶を注ぐとおもむろにそれを呑み、箸を白飯に入れる。

シャミール「何だか今日は飯が美味いなぁ?たまにはこれも悪くない。」

そう言う彼の顔には苛立ちの色は残っていなかった。

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