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動き出す脅威

松本駐屯地~

ここ松本駐屯地は2か月前に仲夏軍によって、開城・陥落させられていた。無血開城である。そしてその一画に帝国軍の将校達が集められた。軍事評定である。彼らは物資の不足に悩んでいた。松本駐屯地はこの時点で敵中に打ち込まれた楔であった。ようは戦線の延ばしすぎである。

呉少佐「大佐、当面の問題として食糧物資の不足が挙げられます。おそらくこの事    態の原因は予想を超える捕虜の収容によるものと思われます。参謀部に計    算させたところ、軍事行動を起こせば三週間で底を尽きるそうです。よっ    て、当初の侵攻計画を遂行するのはリスクが大きすぎます。この時点にお    いては本土からの物資の補給を待つのが得策かと。」

そう告げる男は、小柄であり一目には軍人と分からない容貌だ。丸眼鏡がさらにそれを際立たせる。

劉大佐「補給にどれくらいかかる?」

見るからに不機嫌そうな男の容貌は丸坊主であり、袖からのぞかせる手には夥しいほどの傷跡が痛々しい。目線で人を殺しそうだ。

呉少佐「ここは相当陸に入りくんでますので、最低でも2か月かと。」

劉大佐「フン、2か月だと?。貴様は2か月、寝て過ごせというのか?。2か月あ    れば、糞どもは態勢を立て直すぞ。人は一日、二日抜いても死なん。出撃    だ。なければ奪えばいい。」

呉少佐「しかしそれでは兵士の士気は下がり、作戦に支障をきたす恐れがありま     す。」

劉大佐「なら、糞どもにやらなきゃいい。俺たちが奴等を食わせる道理なんてな     いのだからな。よし、叩き斬って来る。これが終われば出撃だ!!!!」

    そう言うや否や、椅子を倒し基地の中へと消えていく。

呉少佐「制止しなくていいのですか?」

彼が自身なさげに尋ねる。

郭中佐「止めても無駄だよ。一度動いたら、もう誰も彼を止められないだろうから    ね。まぁ、交渉には使えなさそうだし、いいんじゃないかな。最も国際社    会の批判は避けられないだろうけど。」

艶やかな長髪を掻き上げながら、彼は優雅に語った。彼の父は帝国陸軍元帥を勤め上げた後、国家中央軍事委員会副主席を務めるエリートである。彼もまた将来を有望され、早くも頭角を表している。

袁中佐「彼の言う通りだ。それに今となっては国際社会の批判など気にする時では    ない。」

江少佐「それに私も劉大佐の仰ることは最もだと思います。」

汪准将「では、兵糧問題は劉大佐に任せよう。本日の軍事評定会議はこれにて終了    とする。」

白髪に黒髪のまじる初老の男性はしわがれた声でそう告げた。

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