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始まりの唄
少年がいた。その瞳に宿るは憎しみの炎、誰ひとりとて心を許しはしなかった。
たった一人で誓うは復讐。燻る炎が胸焦がす時、反逆の狼煙、今立ち上る。
仇敵仲夏帝国が突如戦線布告 、倭国弐本は抵抗するも3か月で降伏、その支配下に組み込まれた。進駐軍は時待たずして、九州 四国 中国 北陸地方を制圧。日本人は仲夏人 倭人、そのどちらかとして生きることを迫られた。
7月某日
フロル 「よぉ、生徒会長。こんな暑いなか、ご苦労さん」
少しばかり顔の整った金髪の少年は校舎の影に隠れながら嬉しそうにそう言った。
シャミール「どの口が言う。毎度毎度さぼりやがって。副会長のお前がいなくてこっちは大変なんだ。」
そう言って汗で湿った黒髪をたなびかせながら、眉間に皺を刻み込む。その手には透き通る肌が隠れるほどの荷物が抱えられていた。今にも折れそうな細い腕である。
放送が鳴った。生徒会が招集された。