変身
あれから田所は…
今まで『支配』を依頼して来た人々に恩を売っていたおかげか、陰ながら支援してくれる人も多かった様だ。
その辺りも抜かりない。
やはり先を読んでいたのだろうか。
戸籍を変えて闇医者から闇医者へと整形を繰り返して人相も別人になっていた。
体型も少し鍛えて細マッチョに変えていた。
「この方が『支配』するのに便利だからね」
と本人が言う様に以前より少しイケメンになっている所も腹立たしい。
指紋も焼いて消していた。
田所はあの病院から失踪して指名手配されていた。
今は私の紹介であの「須磨商店」の仕事もしていた。
その他個人で依頼を受けたり
後は…
○○○○○○○○○○
「瓶井さんって今面白い事してるんだね。」
あの要注意人物、梟介と出会してしまった。
たまたま「須磨商店」の仕事を受けて動いていた所だった。
梟介は現在「荒木探偵事務所」と言う所で働いていた。
そこで依頼されたらしい案件と私の依頼されたターゲットがそれぞれ依頼は別人からだったがバッティングしていたようだ。
「何か別方面から動きがあったから調べてみたら瓶井さん…今は萌崋だっけ?に当たってね。」
「へえ。私を警察にでも突き出す?」
「そんな勿体無い事はしないよ。俺もぶっちゃけ犯罪スレスレな事やってるし。」
「なら、私をどうしたいの?脅して何かさせる気?」
「まあ…近いかな。」
「金は無いよ。」
「悪いけどウチは金には困ってないから。」
「じゃあ何」
「今働いてる所の代表、社長ってのかな、その息子が新たに探偵事務所立ち上げたんだけどね、まだ社員が揃わないからさ、手伝ってあげてよ。」
「ふうん。」
「萌崋さんに強力な助っ人もいるでしょ?光太郎とか。」
「知ってるんだ」
「まあね。光太郎はウチに来ると俺と仕事被るから息子の方の事務所でって感じかな?まあアレもそこそこ優秀だろうし。」
「そこそこね…」
この台詞知ると怒り狂うだろうなあ…
この事は言わないでおこう。
「前の増田三治の事件調書とか、データ引っ張り出してたよね。あれウチが担当してたからデータに細工してるし何かすると分かるよ?あのやり口の感じだと光太郎かな?」
あーあ、バレテーラ
光太郎、やっぱお前コイツには敵わないと思うぞ
「まあ、良いよ。」
「良かった。じゃあ、面接の段取りしとくから。連絡先教えて」
「分かった。」
そうして梟介と連絡先を交換した。
梟介は田所の事は知ってるんだろうか…?
分からなかったが、此方からは聞かないでいた。
「梟介さんから紹介だけど…何が出来るの?」
「まあ、ハニートラップですかね。後は薬品にも詳しいんで眠らせたり…その辺りが必要な時は準備します。他に近い仕事請け負ってるんで尾行とかも出来ると思います。」
流石に殺人までは言わなかった。
「成る程。頼もしいね。それじゃあそちらの方は?」
「俺は諜報。後はハッキングとか」
「じゃあ梟介さんと近いのかな?」
「梟介〜!?あんな奴と一緒にしないで貰えますかね!?アイツの何倍も優秀で何倍もこなしてやりますよ!」
「そ、それは頼もしいね…それじゃ2人とも宜しくね…」
「はい。」
何だかんだで2人ともセットで採用になった。
ここには佐倉莉愛と言う荒木さんの大学時代の後輩だった人が働いている。
その人もハニートラップや諜報などが出来る人だった。
最初私達は仕事が被るのではと懸念していた。
しかし本人にあまりやる気が無いらしく、この荒木と言う人に半分脅されて働いている様だった。
隙あらば私達に仕事を振って自分は裏方に回りたい様だった。
本人曰く、自分素人なんで
らしい。私らもプロのつもりは無いのだが…
荒木さんはゲイで岩見と言うパートナーと住んでいた。
岩見はジャズ喫茶で店長兼プレイヤーとして働いていたので、こちらの世界とは関わりなかった。
しかし中々のイケメンだったので光太郎が喜んでいた。
梟介関連以外でやる気を見せたのは初めてだった。
まあ、梟介の影響も大きいだろうが…
荒木さんは光太郎を違う意味で警戒していた。
この事務所も、依頼があれば仕事をすると言う感じにしていた。
やはり「須磨商店」には詩織さんがいるので完全に離れたくは無いと思っていた。
いつかこの事務所が大きくなれば詩織さんと働けたらと思っていた。
その内こちらで荒事が必要な時にはお願いしようかなと思っている。
そして、女の私が一人でこなすのが難しい時には田所にも手伝って貰っていた。
莉愛ちゃんまで登場しました。
佐倉莉愛については「当ての馬道」を参照




