リュウグウノツカイ
現在の時間軸に戻って来ました
「それで、田所くんはどうしたのかな?」
「はい、ギルドへ3等級のソライシを引き取って貰い、その後ジコロとパブへ行ってキサクと合流して。キサクはネクロマンサーで…」
「田所はどこまで話しましたか?」
「はい、今は母親と田所医院に勤めていた看護師の黒田との不倫を目撃した所まで…」
「そうですか…」
「今はファンタジー世界に行っちゃってるかな」
現行犯で田所を取り押さえる時に自決を図って薬を飲んだ。
幸い命は取り留めたが脳に障害が残りあの様な状態になる。
マダラに現実世界に出てくるので、その時を狙って証言させている。
田所の場合は隠蔽が巧妙だったので、全てを明らかにするのは難航している。
まだ、今までの犯行の供述には至っていない。
今は田所が父親から子供の頃から精神的な虐待を受けていた事と母親、父親の病院に勤めていた看護師も同様の被害を受けていて母親はその影響から極度の潔癖症となり、田所にも強要していた事まで分かっていた。
この看護師も父親の命令で母親と一緒に虐待の手伝いをさせられていた。
そう言った環境があの田所を作り出していたようだ。
その父親も母親も看護師も他界しており、当時の状況が掴めていない。
父親は外面が良かった様で、仕事等で関わっていた人々や当時病院で働いていた人々からも虐待があった等の話も一切無く人当たりも良く清廉潔白な人物だったと口を揃えて言われて、これと言った証言は得られていない。
母親は事故で、看護師は服毒して自殺している。
父親はホテルで遊び相手と密会中に心臓発作を起こしていた。
相手は2人、その相手は見つかっていない。
これらも全て田所の犯行の可能性もあるが、何も証拠は見つかっていない。
田所医院も現在は取り壊されていて、マンションが建っている。
「それでは引き続き宜しくお願いします」
「はい、三田さん」
○○○○○○○○○○
「お久しぶりです。田所さん。」
「まさかこんな所で会えるなんて。ビックリだね。」
「田所さんでも驚く事ってあるんですね?」
「僕でもって酷いな。僕だって一応人間だよ」
「それは大変失礼致しました。」
「どうやってここまで来れたのかな?」
「まあ、結局は頼れる甘党塩対応の光太郎頼みですがね。」
「へえ。」
「中々その姿、似合ってるよ。麻里奈ちゃん」
「それはどうも。今は萌崋ですがね。」
「そうだったね。」
「まさかあの田所さんが…ヘマしちゃいましたね」
「全くね。つい、我を忘れてしまったよ」
「その増田三治って男に?そんなに凄い人だった?」
「そうだね。」
「何だか妬けちゃうな。」
「ははは。君にもそんな感情が有るなんて新たな発見だね。」
「今日は深海からリュウグウノツカイがお迎えに参りましたよ。」
「へえ。さしずめ竜宮城からやって来たって感じかな?」
「そうですね。あなたが助けた海亀が太郎を連れて」
「萌崋-モック 瓶井-タートルで偽海亀って所かな?」
「ご名答。田所さんはどうしますか?このまま海面で軽い水圧に耐えられず浮き袋が膨らんで醜い姿に破裂してしまいますか?それとも深海に戻って優雅で禍々しく回遊しますか?」
「そりゃ勿論」
そう言って田所は差し出した私の手を取った。
「では、参りましょうか、乙姫様」
○○○○○○○○○○
「最初からこの事態を予測して私に色々伝授したんですか?」
「それはどうだろうね。」
「ふうん」
「でもまあ、君が僕と同類で僕の片割れだって事には変わりないよ」
「そうですか」
「君は立派に僕の意志を引き継いでくれてるしね。」
「やっぱり薬の量は調整してたんですか?」
「僕は八神先生の様な愚かな考えはしないよ。」
「やっぱり私が助けに来る事は織り込み済みですね。食えないお人だ。」
「ははは、そりゃどうも。」
「田所さんは私を支配してますね。」
「まだしてないよ」
「そうですか」
「僕に支配して欲しいなら、君はもっと悪事を重ねて強大な力をつけないとね。」
「その前に私が田所さんを支配しますよ」
「そりゃ楽しみだ。」
増田三治については「地石」を参照下さい。
この話のラストの続きにもなります。




