都合の良い躾
精神的虐待の内容です。
閲覧やや注意
そもそも、なぜ僕はこの『諦め』癖がついたのか…
これは父による『躾』の成果だったのだろう。
「お父さん、今度学校の友達のお母さんが一緒に映画に連れて行ってくれるって…行っても良いですか?」
「正直の貴重な勉強に使う休日にその事は何の意味がある?」
「でも…その後新しく出来たお店にも…今話題でとても美味しいらしいから連れて行ってあげるって…」
「…」
「楽しいから…いつも頑張ってるからたまには息抜きにって…」
「…」
「映画も…凄く話題で…感動するらしいって…」
「…」
「ごめんなさい…断ります」
「賢くて聞き分けの良い子でお前は自慢の息子だよ。」
「ありがとうございます」
「それでは、先生の診断書の方、宜しくお願いします」
「はい」
「おや、ご子息で?」
「はい。将来医師になって私の病院を継ぐ予定です。」
「それは頼もしい。将来は私の先生もお世話になるかも知れないから、宜しくお願いしますね」
「ははは、まだ気が早いですよ。それではお忙しいでしょうから」
「では失礼致します」
「正直、来客中は部屋から出るなと言ってあったろう?」
「ごめんなさい…トイレを我慢できなくて…」
「言いつけを守れない時は分かっているな?」
「…」
個室に鍵をかけられて1人にされた。
暴れる患者用のベッドに両腕を固定されて目隠しされてヘッドホンから不快な音…ガラスや金属を引っ掻く音を流され続けた。
「正直、この間隣にいた女は誰だ」
中学の頃、初めて出来た彼女だった。
一緒に歩いていた所を見られた様だ。
「お付き合いしている方です。」
正直に答えた。
どうせ誤魔化しても早かれ遅かれバレる。
その方が状況が悪くなると判断した。
「相手はどんな女だ」
「同じ学校の生徒です。大人しく、穏やかな性格です。」
「家庭環境は」
「両親が共働きの普通の会社員です。」
「そんな何の価値も利益もない女と付き合ってるのか…全く…」
「ごめんなさい」
「どこまで進んでいる」
「キスと…この間、セックスまでしました。」
「ちゃんと避妊はしたんだろうな?」
「それは大丈夫です」
「しかし、お前の年頃はまだ衝動的で危険だな。少し落ち着かせる必要があるな」
そう言って、僕は部屋へ連れて行かれた。
遮光カーテンで、昼間でも真っ暗だった。
壁も防音壁で外の音も遮断されていた。
「ここで1日落ち着かせろ」
そう言って、鍵をかけて出て行った。
僕は飲まず食わずで、やる事も無く暗闇と無音の世界から目を逸らすために横になって目を閉じていた。
父は殴ったり、大声で怒鳴りつけたりはしなかった。
周りから見て露見する様なあからさまな暴力は振るわなかった。
まるで上手な犬の躾の様だった。
こう言った『躾』を重ねて行くうちに僕はまるで吠えも噛みつきもしない従順な犬へと形成されて行ったのだろう。
見えない首輪で繋がれている様だった。
そして大人しく従っていた方がまだマシだと諦める様になって行った。
○○○○○○○○○○
父の性癖について僕は興味を持った。
父に対して初めての関心だった。
相手はどんな人物なんだろう。
知りたくなった。
ホテルの外で隠れて暫く待っていた。
相手の男が先に出て来たので、つけて行った。
男は二丁目へ向かって行った。
そしてバーに入って行った。
『Exit-エグジ-』
この日は余り帰りが遅くなると問い詰められるのと自分がまだ未成年な事もあり、店内には入らずそのまま帰宅した。
家に帰って自室に入って少し興奮していた。
父の秘密を知った。
少し優越感のようなものを感じていた。
相手はどんな人物だろう。
愛人なんだろうか?
金で買った男なんだろうか?
今すぐ調べたい衝動に駆られたが、冷静になって考えた。
それは今すぐやるべき事ではない。
今は大学入試に向けて監視も強い。
とりあえず大学に合格してから行動を開始しよう。
こう言う所は躾されてきたおかげか、冷静に客観的に判断出来た。
まず目標は大学合格…
それを目指してこの件は一旦置いて猛勉強をした。




