お手伝い
「邦枝浩二、今は無職で高校の頃の先輩の家に転がり込んでいて、カツアゲや先輩の詐欺の手伝いをして生活しています。」
「そう…」
「相変わらず強姦…レイプはしているみたいです…」
「やっぱりああいう人間はどうにもならないわね…」
私は詩織さんの手伝いの様な事をしていた。
綾の情報が知りたかったのもあるが、何だか私は詩織さんに懐いていた。
まあ、手伝いと言っても大体は光太郎に探って貰っていた訳だが。
とりあえず光太郎は甘い物を与えておけば仕事をしてくれる。
あと、梟介の情報を挟むとやる気を出してくれる。
「梟介ってこの間、先生に生徒会立候補してくれって頼まれてたよ。」
「ふざけんな!あんな野郎が生徒会なんて入ったら終わりの始まりだ!」
渦中の梟介は2年になって同じクラスになっていた。
私と同じ歳、同じ学校だったらしい。
他人に興味無かったので知らなかった。
「キョースケー、お兄さん紹介してー!」
「生憎、兄貴もう婚約者いるよ。」
話しかけてみたら光太郎並みに塩対応だった。
コイツらは同類だな。
案外気が合いそうだ。
その光太郎の情報では
詩織さんの依頼されているターゲット、邦枝浩二は以前、学生の頃の気の弱いクラスメイトの彼女をレイプした。
何度も。
挙句、妊娠、中絶…
女の方にも余計な事を言うと先輩に頼んで親を殺すと裏で脅されて、同意の上とされてしまっていた。
謹慎…で終わってしまった。
周りも薄々は気付いていたが怖くて何も口出し出来なかったようだ。
強大な力や加護に守られている権力が有って卑怯で知恵が周り、くだらない人間…普通にはまともに太刀打ち出来ない相手
そんな田所の言葉を思い出していた。
そんな現実を目の当たりにしてやるせない気持ちになっていたのだろう。
柄にも無く私も色々協力していた。
「生活時間帯は夜なので、近くのコンビニや弁当屋なんかに現れるそうです。」
「そう…助かるわ。でも麻里奈ちゃん、凄いのね。良く調べられたわね」
「まあ…私の知り合いにこういうの調べるの得意な人がいるんで。」
「そうなんだ…じゃあ心強いお友達がいるのね。良かったわ」
うーん…
光太郎は友達って感じでも無いけど…
否定するのも面倒だし、まあいっか。
「じゃあ、その辺りを探ってみるわ。情報通り現れているなら、コンビニは働くの大変そうだから…お弁当屋に潜入して行動パターンを把握してみるわね」
「そうですか。」
その数ヶ月後、弁当屋の通り道の裏路地で深夜に住所不定無職の邦枝浩二が何者かと争って暴行され、刃物で刺されて死亡したと小さく報道されていた。
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「綾さんって子…三ツ矢様の婚外子でね、引き取られて来てる子で、小百合さんの妹に当たる子でね、その子が小百合さんにいびられててね…」
「そうなんですか…」
綾は未だに変わらない生活をしているのか…
あの石を投げつけて来てから、綾は何も変わらなかったのか…
私はこんなに変わってるのに。
何やってんだろう…
と、話を聞いていて少しイラッとしてしまった。
「それでね、その強く当たられる原因が隼人にある様なの…」
「えっ!?」
「多分だけどね、隼人は綾さんの事が気になってると思うの。来た時はいつも綾さんを探している感じで。綾さんと隼人が話している所を見ると酷くなじられるの」
「へえ。」
小学生の頃しか知らないからどう変わったのかは分からないが、綾は顔に大きめの痣があった。
メンクイの隼人が綾に?
成長してナイスバディになったのだろうか?
謎だ。
あと、光太郎の話だとそれぞれ都度交際相手もいたがお互い干渉も無く特に揉めてもいないって言ってた様な…
父親の愛人の娘だと憎いとか思うのだろうか?
私なら同じ立場になっても気にもならないが…
父にも特に思い入れも無い。
外に女が居ようが気にもならないが…
まあ、人それぞれ思惑があるんだろう。
「当の綾さんは隼人の事を…まるで怯えてるみたいに見えてね。」
「?」
もう隼人に手を出されたんだろうか?
「それでね…綾さんに尋ねてみたらね、施設に居た時にそこで働いていた職員に襲われかけたらしくてね」
「ふむ」
やっぱり成長して悩殺ボディになってるんだろう。
「それから男の人が怖くなってるらしくてね、隼人の事も怖がってたの。」
「成る程」
まあ、あの絶倫バカの隼人に襲われたら色んな意味で怖いわな。
「そのね、職員って言うのがね…娘をレイプして自殺に追い込んだ男だったの…」
「えっ!?」
その会話を最後に詩織さんとは連絡が取れなくなった。




