噂の人
まさかのあの人も登場です。
「香織の相談に乗っていて…それで隼人さんにどう言う事か問い詰めに行ったんです…そしたら上手いこと口車に乗せられて…気付いたら身体の関係に…」
「そう…」
「私と居る時だけは本当の自分でいられるって…」
「そう…」
「避妊もしてくれなくて…困っていて…」
「そう…」
「悩んでいたら人伝に詩織さんの噂を聞いて…」
「そうだったのね…辛かったわね…」
漸く光太郎からこの詩織と言う人を探し当てたと連絡が来て、早速私はコンタクトを取った。
強面の凶悪そうな人や、幸次郎さんみたいなヤバそうな人を想像していたが…
見た目だけで言うと普通のおばさんだった。
ちょっとムッチリと言うかがっちりと言うか…
体型も中肉中背の普通の中年体型だ。
すれ違っても絶対目に止まらないだろう。
夕方のスーパーとかで特売品とか買ってそう…
初めは見た目で光太郎の情報に半信半疑で、揶揄われたのかと思っていた。
「おばちゃんにもね…香織ちゃんや麻里奈ちゃん位の娘がいたからね…心配なんだあ。」
「そうですか…」
いた?いる…じゃなくて?
疑問に思っていると詩織さんは続けた。
「おばちゃんの娘はね…ストーカーされてソイツにレイプされて動画撮られてね…ソイツは当時娘が付き合ってた彼氏にその動画送りつけてね。娘は自殺しちゃったんだあ」
「…」
想像以上に壮絶だった…
八神も大概だったけど、1人で楽しむ程度だった。
やはりこの手の人物は歪んでいるのだろうか。
ただ…私が同じ様に動画を家族や周りの連中に晒されたとしたら果たして自殺なんてしただろうか?
当時の私は逆に世間に動画や画像が晒されて周りの人が私から離れて全てから解放されて1人になりたいと思っていた。
育った環境はその子とは違うので仕方ないが、この子はこの詩織さんに愛されて育ったのだろう。
それ故耐えられず自殺してしまったのかも知れない。
有る意味羨ましい環境だったのかも知れないが、私はどんな状況に追い込まれても諦めはしていたが、自ら死ぬと言う選択肢は無い。
恐らくこの先も…
私はただ不遇だった訳ではない。
私の経験は私を強かで痛みに鈍感で簡単に倒されないタフな性格にさせた。
詩織さんと話していてその事に気付かされた。
「おばちゃんもね…今香織ちゃんのお母様から頼まれてね…御子柴隼人について調べてるから…麻里奈ちゃんも助けてあげるから…安心して。」
「有難うございます。嬉しいです。私なら…詩織さんのお力になれると思います…」
「?」
「私も隼人の事調べます。分かった事は詩織さんにお伝えします。」
「そう?助かるけど…大丈夫?」
「はい。詩織さんの役に立ちたいんです。」
「有難う。でも、危険な事や無理はしないでね。心配だから。」
「有難うございます。私、ママが死んじゃってるから…詩織さんがお母さんみたいに心配してくれて嬉しいです。この事誰にも言えなかったから…」
「そうなんだ…麻里奈ちゃんも苦労してるんだね…私の事お母さんみたいに思って頼ってね」
「はい。有難うございます」
私のママもこんな人だったら…
私の人生も違ったんだろうなって思った。
○○○○○○○○○○
「隼人さんのお家ってすご〜い。大っきい〜!」
「ははは、麻里奈ちゃんが言うと何だかエロ〜い」
「やだあ…ばかあ…」
お前は脳みそまでチンポだな。
「これなぁに?」
「何かセキュリティみたい。俺もよく分かんないなあ」
「ふうん。やっぱり凄いなあ。こんなの普通のお家には無いよー?出歩くのも大変そー。」
「そうなんだよねー。やっぱ長男だからさ俺、夜中1人でコンビニとか行く時は後ろからガードが付くんだよねえ。」
「へえ!女の子みたい。ふふふ」
「やめてよ。恥ずかしいから。」
「じゃあ、簡単に夜中抜け出して女の子とは遊べないねー」
「まあね…事前に伝えれば何とかなるって…俺、麻里奈ちゃん一筋だからね!」
「本当かなあ?何か心配なっちゃう!」
「ホントホント!」
「あっ、隼人さん、お疲れ様です。」
「ご苦労様ー。」
「今の怖そうな人誰?会社の人?」
「うーん、まあ親父の関係?かな…」
「へえ。会社員に見えないね。何か怖い」
「まあ…大きな声では言えないけど…」
「?」
「高木組って所の人…だから麻里奈ちゃんはあんまり関わらない方が良いよ。」
「へえ…怖い…」
「そんな事よりさあ!早く俺の部屋!行こっ!」
「うん!今日もいっぱい可愛がってね!」
「勿論!さあー、今日は何回…」
「やだ〜もうっ!」
成る程ね…
セキュリティは万全
オマケにヤクザ付きかあ。
詩織さんには荷が重そうだ…
ついに詩織まで登場しました。
詩織については「吸血鬼と仕事人」を参照下さい。




