自分探し
「御子柴先輩…ずっと好きでした…私と付き合ってくれませんか?」
私は高等部に進学した春、その御子柴隼人と言う人物に近づいた。
御子柴隼人は現在高等部3年、私は1年になっていた。
まだ光太郎からは連絡が無く、謎の人物がどんな人か分からなかった。
香織の仇打ち…なんて大層な志が有る訳でも非道な悪人を許せないなんて薄ら寒い正義感も、まして香織ともそんな心を通じ合った親友と言う訳でも無い。
単に興味本位だった。
こう言う所も本人に指摘された様に田所と同類なんだろう。
ただ、田所みたいな自分の性欲を満たす為にターゲットを決めて支配して行く事にそれ程思い入れも無かった。
その辺は田所と違う所だ。
私が単に女だからと言う事なのか、散々性奴隷みたいな扱いを受けて来た所為なのかは分からない。
私はまたあの体験がしたいのだろうか?
自分でもよく分からなかった。
確かにあの絶頂体験は素晴らしかった。
しかしそれは相手がママだったからだ。
あれ程私を歪に強大な力で支配して来た人間は他に居ない。
多分私は初体験が最上級だったので、この先同じ体験は無いと思っている。
物理的な絶頂にも大して欲求を感じない。
幼い頃からの影響か、ママからのあの扱いを受けて来た影響なのか、私にはイマイチこうしたいと言う自発的な欲求や願望等が欠けている様に思う。
自分の事を理解したい…
そう言った色々な思いで動いていた。
御子柴隼人は予想通り直ぐに私との交際を了承した。
一応キッズモデル等もして来ていたので、多少容姿には自信はあった。
隼人はメンクイだと噂もあったので、あっさり私に食いついて来た。
そして予想通り直ぐに身体の関係になった。
やはりこの男は避妊をしなかった。
スマートと言うより、激情型とでも言うのか…
単純でその場の勢いで押し倒す様な生き物だった。
次期会長の跡継ぎらしくエネルギーに満ちている感じで、精力も性欲も強いのだろう。
近づいて分かった事は他にも何人か相手にしていると言う事だった。
香織みたいに盲目になっていると気付けなかったかもしれない。
その辺りは姑息で巧妙に隠していた。
私も所詮は遊び相手1人だろうから表立って噂にもならなかった。
香織の手前、付き合ってる事は公にしたく無かったのでこちらも都合が良かった。
そして相変わらず学習していない。
「麻里奈と居ると自分らしく居られる」
香織に言っていた様な同じ言葉を吐いていた。
そしてこの先も学習しないのだろう。
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田所とはまだ定期的にカウンセリングの名目でレクチャーを受けていたので、お願いしてピルを処方して貰っていた。
「何か面白そうな事を始めるそうだね?」
胡散臭い医者の笑顔で田所に言われた。
多分光太郎辺りから聞いているのだろう。
「まあ…自分探しみたいな物ですかね」
「へえ。他人から見たらよく分かる事でも、指摘された事が幾ら正しかったと理解出来ても…やっぱり人から告げられた事には例え真実でも響かないよね。」
正にその通りだった。
やはり田所はお見通しなんだろう。
「まあ、頑張って。僕も陰ながら応援するよ。」
「はい。」
「面白い話が聞けるのを楽しみにしてるよ」
「私は別に田所さんを楽しませる為に動いてません」
「ははは。分かってるさ。単に僕の片割れが違う世界でどういう風に進んで行くか興味があるだけだよ」
「相変わらずですね、田所さんは」
食えない男だ。
「私、隼人さんに抱かれてると愛されてるなって実感出来る…」
「本当?俺もだよ…気持ちが通じ合えて嬉しい!」
「だから…いっぱい可愛がって…お願い」
「勿論!3回連続で喜んでくれるの麻里奈以外に…あっ!何でもない!」
本当に馬鹿だコイツ…
そんな連続でヤられてまともに喜ぶ女がいると思ってるんだろうか。
ただ痛くて疲れるだけだ。
お前はケツでも掘られてお前の大好きな連続絶頂でも体験して来い。
「嬉しい!約束だよ?いっぱい可愛がってね!」
と頭で思いながらキモイ言葉を吐いた。
「麻里奈は本当にエッチな子だなあ。」
「そうさせたのは隼人さんなんだからね!」
「じゃあ責任持ってもう一回戦…」
「嬉しい…」
「今回は麻里奈は何回イくのかな…」
「やだあ…ばかあ…」
相変わらず横山の演技指導は役に立っていた。
せいぜい精力を搾り取って他の子の回数を減らしてあげることが私に出来る事だった。




