僕がいない日
僕がいない日
夢を見た。
映画の様な夢。
哀しくて、苦しくて、それでも生きて行く夢。
夢の中ではそれもまた人生で、幸せかどうかは無関係で、生きて行く事でしか人は人になれない。死を選ぶ事は、想像すらしない。
けれどそれは、映画だから。
夢だから。
現実は違う。
少なくとも、僕の場合はそうだ。
夢の中での僕は、懸命に生きていた。
そうする事しか出来ない。それ以外の選択肢が浮かばない。
現実世界でも、そんな話はよく耳にする。
全てを抱えてでも生きるしか道がない。
死んでしまう事は簡単でも、君が生きていた証を残す為には死んではいけない。そう感じた。
僕には理解が出来ない。
君がいなければ生きていけない。
それでいい。
どうせいつかは死んでしまう。
生きた証を残しても、生きていないなら意味がない。
過去には生きられない。
僕の今に君がいない。
ならば僕は生きられない。
その日が来ない事を祈っている。
君がいない日は、僕もいない日。