#45 合成獣戦 終幕
豆人。
お前、何もわかってねえぞ。
魂刈の真骨頂は、あんなところじゃねぇっ…!!
「顕現せよ、ソウルイーター!!」
合成獣の手中に、大鎌が現れた。
この大鎌を使って、相手は、あれを何発でも打てる!!
お前は、それをさばき切れるというのか?
いや、無理だ。
不可能に近い。
そう思い俺は反射的に豆人の方向に飛び出した。
今からでも遅くない、俺に譲れ____
ガキン
俺の黄金薙が、斬撃を相殺する。
この斬撃の生成を止める方法はただ二つ。
大鎌の破壊か、使い手の殺害だ。
使い手の殺害は、この体勢からは不可能だろう。
ならば___
俺が大鎌を破壊する。
直後。
「雄伍、やめろぉぉぉぉ!!」
豆人の声が響く、
一瞬のうちに、俺はすべてを理解した。
まずい。
このまま近づけば、神毒に俺は耐えられない。
でも、ここからだと大した一撃は望めない。
尭雲烈風もなんだかんだ近づかないといけないし…
俺は前にある大鎌をじっと見据えた。
有象無象が渦巻く深淵の狂気___
深淵。
アビス。
なにか、見逃してはいけないものを見逃しているような気がした。
深淵___
それは頂上の領域。
その深域にこいつはアクセスした___
不当にアクセスすることなど、普通は不可能だ。
奴が、神の眷属であった場合、また奴が神より強かった場合を除いて。
そうか。
あいつの脅威度判定上、神より強いのはありえない。
ならば、奴は神の眷属。
禁忌と称される神。
邪神アビスだ。
つながった。
だが。
神の眷属であるならば、負けそうになったら即座に深域に格納される。
つまり、その余裕を与えなければいい話だ。
一発で、殺す。
やれるかやれないかはわからないが、やるしかない。
息を吸う。
吐く。
よし、行く。
いや、行ける。
「 蒼穹 よ、剣よ、俺に力を。天空流奥義:空帝刃!!悪いがあんたにゃ勝たせてもらうぜ!!」
俺は剣を振りかぶった。
「おらぁ!!喰らえ!!影、行くな!!魔力弾オラオラオラ!!」
豆人が影と魔力弾をけしかける。
「月光魔術:ムーンライト!!終わりじゃぁぁ!!」
最大威力のムーンライトを放つアルテミス。
「おらぁ!!これでもか!!」
スルトも、全力でパイルバンカーを振るう。
「盾は俺が!!」
ギルバートが盾で遠距離連中をかばう。
「行きますよ!!Fire…」
ソウヤが詠唱を始める。
「四神、行けぇ!!」
エルラが東西南北の守り神に乗って現れる。
「悪いね、俺等のほうが強いんだよ!!」
ヴァーミリオンがブレスを吐く。
「キュー!!」
「クー!!」
「ワフ!!」
モンスターズは連携プレーで毒をよけながらちょこまかと攻める。
行けぇ___!!
俺は剣を振る。
狙うは核。
「らぁぁぁ!!」
「そうは___いかない!!」
合成獣が腕で俺の剣を受け止める。
刹那、俺の刀が腕もろとも合成獣を両断した。
「見えた!!核だ!!」
そこへ一瞬遅れてみんなの最大火力が叩き込まれた。
視界が赫色に染まる。
ばらり、と核が砕ける。
瞬間の沈黙。
そして歓声が沸き上がった。
「わぁぁ、やったな!!」
「我らの勝ちだ!!」
「俺、最強!!」
そりゃそうだろが、十二王魔。
「憂さ晴らしができて満足じゃぞ!!」
なにを憂さ晴らしするのかはしらんが良かったな。
「ふぅ…これでまた焼きそばづくりを再開できる…」
ギルバート、お前の本職はそれか?
「ギルマスのしごともしてくださいね」
ソウヤ、ナイズ!!
あとはみんな疲れて寝っ転がってるわ。
あーあ。
俺もあくびする。
俺等の勝ちだ。
よかった。
瞼が落ちる。
そして俺の視界は、黒に染まった。
一瞬遅れて、謎の部屋に自分が座っていることに気づく。
あたりを見回す。
真っ白い部屋だ。
白、白、白。
その時、純白のドアがあいてギリシャ神話に出てきそうな女が姿を表した。
直後、俺はすべてを理解する。
「創…造神様…」
見た感じは、普通の女だ。だが、そこからはただならぬ覇気が漂っていた。
「はじめまして。私は創造神エルメス。って、言われなくてもご存知よね?」
「はっ。もちろんです!」
「そう、なら話は早いわ。ここは神域。あなたに少し用があって呼び出したの」
「というと?」
「さっきの合成獣、尋常じゃなく強かったでしょう?あれ、邪神の眷属よ。」
「ああ、やっぱり…」
「もしかして、わかっていたの?物わかりがいいわねぇ、気に入ったわ」
「光栄です」
「あらあら、そんなに謙遜しなくても〜。それで、呼び出した要件は、邪神討伐のお願いよ」
は?
はぁ?
はぁぁ?
「すみません、ちょっと耳がおかしくなったみたいです」
「あら、見た感じなにもおかしくないわよ〜。邪神討伐よ、邪神討伐!」
「つまり、俺に邪神を討伐しろと?」
「そうよ、そうよ」
「でも、なんで邪神を討伐しなければいけないんですか?」
「最近、伝説級モンスターの欠片が復活したじゃない?」
「ロックフォールのことですか?」
「そうよ、それそれ。それを使って、邪神は自分の領土である深域、獄界のみならず、あなたたちがいる魔界、私の眷属や天使たちがいる天界、挙句の果てに神域征服を考えているらしいの。」
スケールが壮大過ぎてちょっと脳が追いつかないぞ。
ええと…
んっ?
魔界征服?
それはまずいぞ!!
「ねっ、あなたも困るでしょう?そうなる前にあなたの力を借りたいの」
「それはご尤もですが…俺に、できるのですか?」
「大丈夫、私が見込んだからには間違いはないわ。安心して、加護(大)をつけてあげるから。あなたの眷属たちにも、加護をつけてあげるわ」
「それは助かりますが…」
「さ、私が説明できるのはここまでよ。あとは剣神と情報神に頼んだから、よろしく〜」
あっ、ちょっとまって、創造神様!!
はぁ〜
厄介事に巻き込まれたぜ。
第一章はもうすぐ終わりです
ありがとうございました
引き続き菽ノ極をよろしくお願いします!




