#2 はじめてのまじゅうがり
何も起こらなかった。
ん?ちょっと待てよ。
地味に何かが起こってるぞ。
しかも結構やべぇことが。
なにィ!!目の前のゴミが豆になった、だと!?
「ここはどこ!?俺は誰!?」
待って。
誰こいつ。
えーっと、俺がまずスキル豆目を起動したんだな。
そしたら眼の前のゴミが豆になって…
あっそうか、これはものを豆にして眷属化するスキルなんだ!!
ってことは…
眷属じゃん!ヤッター!
《眷属にするには名前をつけてください》
あっそうなんだ、じゃ、まだこいつは眷属じゃないんだね。
ふーむ。
いい名前が思いついたぞ!!
「よし、今日からお前の名前は、豆人だ!」
安直すぎるというクレームは受け付けません。
俺的にはわかりやすくていいと思うんだけどな。
「名を与えていただきありがとうございます、我が主よ。」
「あと、タメ口でいいぞ。」
「しかし…主ですよ?」
「いいんだ、別に俺はお前に威張りたいわけじゃないし」
「じゃあ、遠慮なく…名前は、何ていう?」
「俺は、雄伍!よろしく!!」
「えっと…よろしく!」
だいぶフレンドリーになったな。
ちなみにこいつのステータスは…どれどれ?
個体名:豆人
種族:小豆人
称号:なし
Lv:1
HP:1/1
MP:1/1
攻撃力:1
防御力:1
スキル
操餅(使用MP:10秒毎1)
なるほど、俺と同じくらい弱いな。
てか操餅って何?
名前からしたら餅を操るスキルなんだが…
俺は気になるので実際に使ってもらうことにした。
「ちょっと操餅使ってみて」
「なぜ?」
「いやスキル検証とかしておいたほうがいいだろ?」
「そういうことなら…いいよ」
意外とあっさり承諾してくれたな。
さて、どうだ?
おお、餅が出てきた!
その束の間。
ズルリ
餅が少しずつ動き出した。
へえ、面白いな。
そういう系のスキルなのか。なるほど、使えそうだな。
でも、安直すぎる名前じゃね?
えっ俺は豆人にクッソ安直な名前つけてるよなって?
はて、何のことだか。
それはそうと、これからどうしようかな。
俺、転生なんてしたことないし…
当たり前か。
最初に何したらいいのかわかんないんだよねー。
「さて、どうする?」
「うーん。」
眷属作ったはいいけどな。
あっそうだ、もう一人作るか!
個体名:雄伍
種族:枝豆人
称号:なし
Lv:3
HP:5/5
MP:4/5
攻撃力:5
防御力:5
スキル
豆目(使用MP:1,使用後3日間使用不可 現在:使用不可)
操餅・下(使用MP:10秒毎1)
MP自動回復・微(一時間1)
Oh my god!
無理だったわ。
てか俺のスキル増えてるな。
どうやら眷属作るとスキルが増えるようだ。
でも、今のままでは雑魚いんだよねー。
なにかスキルを増やさないと。
どうやったらスキル増えんのかな?
そうだ!魔獣を倒してスキルをゲットしよう!
「街歩くか。」
「うん」
というわけで、枝豆になって初めての外!テンション上がるわ。
いや、全然上がらないけどね!!
人間のせいだ!!
人怖いんだよ。でかすぎるだろ。
「武器がほしいわー」と俺。
「俺も…なんかいい素材ないかなー」豆ともいう。
あっあそこに武器にギリギリできそうなモンがあるぞ!!
それは…
木の棒だ!!
…
せめて銅のインゴットでもありゃいいのに。
とりあえず、落ちてる木の棒を拾った。
俺は、木の魔剣、豆人は木の魔杖が手に入った!!
うん。
魔剣でもなんでもない。
ただ木刀の形に削った木と適当に作ったマジックワンドです。
まあ一応武器だから!!
別に魔剣なんて羨ましくないから!!
言っとくけど、俺強いんだからね!
あっ
そういえば俺全ステータス1だった!!
誰だよ強いとか言ったやつ。
俺なんだけど。
まあなんせ、俺は剣術ができる!!
前世はSランク冒険者だったからね。
とにかく刀を手に入れたのはでかい。
いや〜、大収穫だ!!
そう思っていたら、背後に殺気を感じた。
「ぶっ!?」
急いで振り向くと、魔物が襲いかかってきた。
おそらくスライムなんだろう。
しかたない、ここは戦うか…!!
「いくぞ!」
「おう!『操餅』!」
豆人に最初は任せてみようかな。
負けそうになったら俺は加勢する!!
さあ、スライムvs餅の戦いが始まりました!!
なんか二つとも似てるな。
豆人選手、頑張っているーッ!!
しかし、餅がだんだん劣勢になってきたっ!!
これは流石に俺も加勢するか。
「おらああ!」
木刀でスライムを穿つ。
よかった、人間時代の剣の振り方は残ってる。
豆の体だから、超絶やりにくいけどね!!
なにはともあれ、そのまま核を破壊し、無事倒すことができた。
魔物には、核と呼ばれる急所があり、そこを潰すもしくはHPを0にすることで倒すことができるのだ!!
「うぉぉぉぉ、初めて魔獣を倒したぞお!!」
あまりにも喜び過ぎではないか?
「とりあえず、素材を回収するか。粘体と、核だな。」と俺。
俺は常に冷静なんだよ。
「さて、お前、どっちがいい?」
「核くれ!核を杖に使いたいんだ!」
「じゃあ、粘体は俺がもらうぞ。」
「おっけい」
ってことで、粘体を手に入れたわけだが…どうやって使おう?
食べよっかな。
俺のもんだから!!
豆人には、あげないもんね!!
「何日か分の食料ゲットだぜ!」
まあ俺のだけなんだけどね。
「そういえば、腹減ったな。」と豆人。
「その辺で魔獣狩って食べるか。」
あっでも、この辺あんま今の俺らでもサクッと狩れる系の魔獣いないんだよね。
危険な戦いにはなるかもな…
「よーし、気合い入れてくか!!」
「おー!!」
数分後、蟻の魔獣、ロックアントを見つけた。
うししし、雑魚魔獣がここにいたわい。
運良くロックアントにありつけた。
神様ありがとう!!
さてこのロックアントの攻略だ。
特徴は殻が硬いこと。だから、弱点は節らしい。
「豆人、いくぞ!」
「うん!」
雑魚魔獣とはいえども、今の俺も雑魚魔獣なんだ。
油断してはいけない。
ここは全力で挑もう!!
豆人がさっきスライムの核をつけたばっかりの杖を出す。
「『操餅』!」
豆人、それはあえて杖を使う必要はない気が…
まあいいや。
今回は俺も普通に参戦することにする。
俺は節を狙って木刀を振るう。
「おらあ!」
よし、ちょっとだけだが、傷をつけられた!!
「ナイス!!」
そして豆人の餅がロックアントの体内に侵入していく。
何をしようとしているんだ?
数秒後、餅は核を引きずり出してきた。
なるほどね、出してきて攻撃するって寸法だ。
俺は木刀で殴って核を破壊した。
「やったな!」
「おう!」
ってことで、俺は殻、豆人はまた核をゲットした。中身の肉は一緒に食べることにした。
よかったね豆人くん、飢え死にせずに済んで。
おっと、豆人がなにやら核と核をくっつけている。
「何してるんだ?」
「核同士合体させれるかの実験」
「いや無理だろww」
「やってみないとわからないだろ…よし、できた!」
「まじで!?えっ、どこどこ?」
見ると、合成された核がそこにはあった。核同士くっつけられるなんて、ス◯カゲームみたいだね。
なんてのほほんとしてる場合じゃないぞ!!
これ結構、世紀の大発見レベルだからな!!
まあいいや。
なんかボケーッとしてる豆人を見てると気が抜ける。
とりあえず、肉を食べよう。
「この蟻肉、焼いて食べようぜ」
「わかった、火起こしするわ。」
「おっけー」
ガリガリガリガリ。
餅をクッションに豆人がキリモミ式で、その辺に落ちてた木の枝を回転させる。
ボッ
意外と一瞬で火がついた。
「よーし、炙るか。」
「旨そうだな。」
豆人くん、こういうものはそんな美味しいもんではないんだよ?蟻だからね。
「ってか、小さいからすぐ焼けるな。もうできた。」
ってことで、いただきます!
ロックアントかー。癖強そうだな。臭みとか。
豆人を見ると、もうかぶりついている。
フライングだ!!
「うん、まあまあ。」
えっまじ!?
豆人の言葉を信じ、俺もロックアント肉にかぶりつく。
「ホントだ。そこそこ美味いじゃん。」
「だろ?」
でも、味が物足りないな。
塩味…そうだ!!
塩がほしい!塩!塩!
「家帰って塩につけよう!!」
「おいちょまて、雄伍ぉぉぉぉぉぉ!!」
さあて、豆人をほったらかして塩をかけにいきますかね。




