死んだ妻と暮らしていた。
ウオオオオオオ
頑張る
人生に疲れ切っていた。
繰り返される毎日の連続が心身ともに自らを追い詰めていた。
どこから可笑しくなっていたのか
考えることもままならない程破綻していた日常を辿るのはそう容易な事ではなかった。
ただひたすらに酸化しヒビ割れていくだけの日々を変えたくて
僕は妻を殺した。
彼女と出会ったのは大学一回生の春。
音楽経験は皆無だったのだが、元々邦楽が好きで内気な自分を変えようと軽音サークルに加入した。
簡単なサークル見学を済ませ、新入生歓迎会いわゆる「新歓」で彼女と出会うことになった。
これまでお洒落とは無関係の人生を歩んでいた僕には何色と表現していいのかわからなかったが
くすみがかった透き通るような金髪は彼女が醸し出す不思議な雰囲気を僕に伝えるには凡そ十分であった。
かろうじてその時の僕が誰かに伝えられる情報といえば
金髪で不思議な雰囲気を持ったショートヘアーの女の子、ということ。
田舎の高校から出てすぐの自分にとって、一つ年上の彼女が自分の知らない世界の住民のようでとても大人びて感じた。
と、同時に物知らずで彼女に比べ子供っぽい自分を恥じたことを覚えている。
ウオオオオオオ
頑張った