かわいいかわいい子のいた話。
やあ。こんにちは。はじめまして。
僕はルルーディア。ちょっとだけ有名な魔法使い。少しだけ困ってる事があるんだ。
どんな困り事かっていうとね、やぁ、うん。
「お゛し゛し゛ょ゛う゛〜゛〜゛〜゛」
流行り病で死にかけててウチの子が今べしょべしょに泣いてる。ホントべっちゃべちゃって感じ?目が溶けちゃうんじゃなかろうか。
……困り事で済まないだろって?言われた君も困っちゃうかー。でもねーホント、マジでなんも出来ないのよ。体カチカチ。どうにもならん。無理したらちょっと指先とか動かせ……たらいいなって感じ。
そんなに泣いてないでご飯とかちゃんと食べて欲しいんだけどな。
成長期はご飯とか、ね?よく寝るとかそういうの大事でしょ。
う゛ー゛ん゛…………しっかし、病気の研究もせっかく進めたのに間に合わなかったかあ…………。ちっこいのを遺していけんし頑張ったんだけどなー…………。身体が鉱物化するとか何??はあ????どういう原理で肉が石ころになるんだよおかしいだろ。
ボォ、とまるで管を吹くような音。
最後に言っておかなくちゃ。
「らーぃ、る」
永い人生なんだから。
子どもが弾かれるように顔を上げる。おししょう、と声が零れた。
「いあわぇぃ、ぁえ」
せっかくかわいいんだから、ね?