赤ちゃん
こういうことを言う子供って、よくいる。
私が5歳になる少し前。
両親が、満面の笑みで、私にとびきりのケーキとドレスを買って来た。
え、なに、恐い。
料理も、やたらに豪華でお祝いムード。
でも、まだ私の誕生日じゃない。
「お父様、お母様、今日は何の日?」
両親は、顔を見合わせて、ふふふっと笑う。
「今日は、ミサレイにとっても、お祝いだよ。きっと、誕生日プレゼントよりも嬉しいんじゃないかな」
「そうね、女の子なら、みんな喜ぶわ。間違いなく。私も、嬉しかったもの」
ふんわり母親も笑ってる。
私も、空気を読んで笑うけど。
にこにこと先に進まない。
「それで、、、何のお祝い?」
笑顔で再び聞くと、二人で頷き合って、また私の方を見て、目をキラキラとさせる。
「実は、、、お母様のお腹にね。赤ちゃんが出来たんだ」
お父様の目が優しくお母様を見て、微笑み合ってる。
え、、、マジか、、、やっ、、、やっ、、、
やべーーーーっ!!!
もしかして男?跡継ぎ?
あれ、私、ずっとここにいられない?
大丈夫?
不安が渦巻く。
「産まれるのは、まだ先だけれど、お母様の身体を大切にしような。ミサレイ、赤ちゃん楽しみだろう?お世話するの好きだもんな、女の子は」
ほのぼのして見つめ合い、幸せ噛み締めてる両親。
「えーっすごい!神様がお母様のお腹に赤ちゃんを授けてくれたのね!ミサ、嬉しいっ♡」
両親が、更に微笑ましい私の反応を喜んでくれていた。
「ミサ、毎日神様にお祈りするわね。赤ちゃんが元気に産まれてきますようにって!」
その日から、私は、更に勉強を励んだ。
私も、そういうタイプだったと思う