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偽典-英雄邪道-  作者: あしゅけーね
白の勇者
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震える者こそ

処女作です

文章に違和感あっても大目に見てください

 ───???


「ご存知かしら、ご存知かしら?今街で噂の白龍様の話」


 白い少女は問う。今、帝都で(うわさ)になっている冒険者のことを。


「知ってる、知っている。白龍様でしょ?」


 赤い少女は答える。白龍のごとき噂の人を。


「まあ、なんですの、なんですの?その白龍様と言うお方は?」


 黒い少女は聞き返す。友人達が楽しげに語る噂をさらに広めようと。


「知らないのですか、知らないのですか?白龍様を」


「街で噂の、街で噂の白龍様を?」


「ええ、存じておりません、存じておりませんわ。教えて頂けますか?」


 噂を知らないことを恥じているのか、少し顔を赤らめた黒い少女に紅白の少女達は答える。


「いいわ、いいわよ。白龍様を教えてあげる」


「いいの、いいのよ。白龍様を教えてあげる」


 そして、少女達は互いの知識を確認するように、互いに知らない噂を確認するように交互に話を始めた。


「白龍様は不思議なお方。誰も中身を知らないの」


「白龍様は不思議なお方。誰もお顔を知らないの」


「白龍様は不思議なお方。大きな大きな白い鎧に身を包んでいるの。まるでお伽噺(とぎばなし)に出てくる龍のよう」


「白龍様は不思議なお方。いつでもどこでも鎧を脱がないの。お声も不思議、男性のようでも女性ようでもあるの」


 そこで少女達は言葉を切る。


「………白龍様はこれから出掛けるらしいの」


「………怖い怖い“魔王”の城へ行くらしいの」


 魔王の城……大陸の中央にある五つの城のことであり、そこには魔獣を統べる王たる“魔王”がいるとされている。入れば二度とは戻れぬ場所であり、そこに行くということはつまり……


「……白龍様は死にに行くおつもりですか?」


「「……わからない。白龍様は強いから」」


 黒い少女の問いに、力なく答える二人の少女達。


「でしたら大丈夫でしょう?とてもお強いお方でしたら、魔王なんて倒して、戻って来てくれますわ。その時にはきっと鎧なんて着る必要がなくなってしまいますわよ。お二人は白龍様はどのようなお方だと思いますか?」


「………きっととても素敵な殿方よ」


「………案外可愛らしいお嬢様かも」


 黒い少女の励ましに、話がそれていく少女達。


「とても(たくま)しい殿方なのかしら」


「とても(うるわ)しいお姉様なのかしら」


「「貴女はどう思う?」」


「ええと、(わたくし)は………」


 ………………

 …………

 ……


 黒い少女は満足したのか別の話題を切り出す。


「なるほど、良いお話を聞きました。でしたらお返しにこのようなお話はどうでしょう?十年前に病死してしまった第三皇女様、実は…………」


 少女達の茶会は続く。甘いお菓子と、果てしない好奇心と共に。


 *


──???


 扉が開く。中には一人、優雅に茶をしている少女が居た。


「少し待ってはくれぬか?今()れたばかりでな、少し冷ましているのだ。」


 対峙してる鎧の人物は槍を振るい、問う。


「……お前が魔王か」


「少し待て、と言ったのが聴こえんかったか?待つ、というのも悪いことではないぞ。……それに、茶の一杯くらい待っても良いのではないか?その震えを抑えるためにも」


 鎧の人物は自身の腕を見る。震えていたことに今気付いたのか大きく息を吸った。


「ふむ、お主、名はなんと言う?」


「……シアトだ」


「ではシアトよ。お主、人を殺そうとするのは初めてか?子鹿のように震えておるぞ?」


 鎧は戦慄く。初めてに……初めてに決まっている。そもそも人を救うために戦っているのだ。人を殺める等と……。

 そんな事を考えているうちに目の前の少女は言葉を続けた。


「情けないものだな。ただ相手が人型と言うだけでそこまで震えるとは。それで戦えるのか?」


「………貴様の名前はなんだ、魔王」


「マオだ。音の魔王マオ。なに、人型といっても中身はそこいらの魔獣と同じだ。安心して殺すといい、勇気ある者よ。最も、貴様に殺せるとは思わぬがな。」


 そういって魔王は立ち上がる。


「茶会は後にしよう。せっかく淹れたというのに冷めきってしまうだろうがな」


 そして鼓膜を裂くような爆音と共に戦いが始まった。


 *


───???


「…っ!!」


 無我夢中で戦ううちに決着がついていた。

 迷いだらけの槍は、相性という一点のみを……こと私とこの魔王の間において絶対と言えるほどの弱点を貫いていた。


「ふっ、まさか魔法が効かぬとはな…油断した。いや、知ってても勝てぬな。相性が悪い。ともかく貴様の勝ちだ。称えよう勇気ある者よ。貴様は音の魔王マオを打ち倒した。誇るが良い」


 胸に深々と槍が突き刺さっているにもかかわらず喋る魔王。

 その最期を迎えようとしたとき………


「何をして…」


「い、いや、知らぬ。我もこのようなこと……っ!!」


 魔王の体から放たれた光が部屋を包み込んだ。

「キョウカちゃん、キョウカちゃん、この作品見切り発射らしいよ」

「最低ね」

「しかもちゃんとしたプロットも組み立ててないから完結するかどうかも怪しいらしいよ」

「人間の屑ね」

「もしかしたら僕達の出番来る前に失踪するかも」

「ホント最低ね。ミミズにでもなって雀あたりに喰われてしまえばいいのに」

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