この世界はあーぴーじーとやらになりました
カクヨムにも投稿している作品です。カクヨムのほうが何話か先になってた気がします。
では、てきとーな感じでお楽しみください~
『皆さんには今からあーるぴーじーをしてもらいます。選択権は特にないです。頑張ってください』
はい?
僕こと、今をときめく高校生北原ムンクは困惑した。変な名前だと思うじゃん?
僕もそう思う。つけた親には小一時間は説教したいぐらい。ノリでつけたとか言われた日には殺意が沸いたね。
本日は晴天なり本日は晴天なり。
お日柄もよく、こんなアナウンスが流れても特に疑問にも思わないだろう。
そんな清廉潔白というか染みひとつない心を示すような、雲一つない見事な青空なわけである。
まぁ、そんな有難い青空だろうが、絶賛不良崩れに囲まれてフルボッコにされている僕からしたらバカヤローって感じなんですけどね。もちろん、この思考中も絶賛殴られている。
くっそ、こいつら何が楽しくてこんなこと毎日やるんだよ。
あぁ、糞。ほんと、世の中糞。
不良崩れの憂さ晴らしにサンドバッグになる日々。
しかも、あれだよ?周りは見ぬふりで傍観しかしないし、一部はニヤニヤして見世物のごとく楽しんでるし。
教師に至っては知らぬ存ぜぬを貫いているという糞さ。マスコミにリークされちまえ。
で、記者会見ではまるで自分に非はないと訴えんばかりの大粒の涙を流すんでしょ。お前らに泣く権利とかないからね?
ていうか、身体中痣だらけでクッソ痛いんですけど。これ高校生だけど労災的なのおりる?はい、おりないですね。
ほんと、バカヤロー。
何が楽しくてそんな晴れ晴れとしてんだ。いっそ隕石でも降っちまえ。
そんなことを陰々に思っていたら、隕石の変わりに電波な放送が流れた。
『あーテステス。聞こえていますかーきーこーえーてーいーまーすーかー? よし! 二回も確認したし聞こえてますね、そうですね!』
耳の調子が少し変だな。なんというか耳というよりは頭になり響くように感じる不思議な声だ。10代後半だろうか。声的には年齢が近めな気がする。
『皆さんには今からあーるぴーじーをしてもらいます。選択権は特にないです。頑張ってください』
その言葉を最後にこの可笑しな放送は流れなくなった。
「はあ? なんだこれ」
「おい、こんな巫山戯た放送垂れ流してる馬鹿は何処のどいつだよ」
「はぁ? RPG? ゲームかよ」
少なくとも不良崩れ達にも聞こえているようなので、僕の頭がイカレたわけじゃなさそうだ。良かった……いじめられ過ぎてとうとうおかしくなったと思った。
しかし、その後この頭の可笑しな放送は流れることは無かった。
流れなくはなったがーーー
轟音とともに蜥蜴の超絶強化版というか進化版というか、龍としか形容する他ない巨大な生物が空を横切った。生まれてこのかたあんなのは見たことがない。
目の前に広がる景色は現実のものとは思えず、言葉にしようものならなんとも陳腐になってしまう。少なくとも僕が知る限り現代社会においてこんな現象はありえないし、どこぞの生物学者が歴史的な発見をしてノーベル賞を受賞したようなことは聞いていない。
ま、まじかよ、あはは。
それは、何の配慮もなく、もう乱暴に常識を叩き壊されるようなもので否定のしようがない。
まるで、先程の電波放送の真偽を裏づけするような出来事で。
「ホントに世界がRPGになった……?」
100万円下さい。