まらそん
全力ではしって、周りのみんなについていこうとした。
段々息があがってくるのに、周りは余裕があるように走っていく。
待ってとも言えず、助けてとも言えず。
ただただ走った。
そしてこけてしまった。
膝が、胸が、全身が悲鳴をあげるように痛い。
周りは一瞬立ち止まったが少し声をかけると先に行ってしまう。
まって、いかないで、置いていかないで。
いろんなところがとても痛い。
1人になるのがこわい。
みんなについていかないと。
だってここはマラソン大会のようなもの。
みんな並べて走らせて
観客席では吟味するようにわたしたちをみている。
遅れてしまったら野次がとんでくる。
やだ、ひとりにしないで。
わたしだけをみないで。