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プロローグ
——彼女と仲良くなったのは小学校6年生に上がった頃だと思う。
彼女はやる気に満ちた性格。張りのある声で相手の目を見て話す。勉強と運動、共に良い。まじめでクラスを引っ張る能力がある。だから周りからの信頼は厚く学級委員に抜擢されていた。
卓抜で何でもそつなくこなしていた彼女は格好が良く、みんなの憧れでもあった。
俺は締まりのない性格。ぼそぼそとした声で俯きながら話す。勉強と運動、可もなく不可もなく。クラスではなんとなく人に従っていた。
平凡で特に何もできず、みんなと同じく彼女に憧れる側だった。
俺と彼女はまるで違う。誰が比べてもそうだろう。