俺の頭の中はかなりメルヘンだった
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「姫のキララと申します。」
姫はドレスの裾をつまんで、愛らしくお辞儀をしてくれたけど、正直その名前に引いた。
キララって・・・
夢って自分の深層心理からできてるんだよね?詳しくは分からないど。じゃあ、この名前を考えたのも俺ってことだよね?こっぱずかしくって、居たたまれない。
「幸太郎様は、王子様ですの?」
その芝居がかった口調も、やめて~
「はっ!?いえ、違いますよ?」
「そうですか・・・」
キララ姫は残念そうに下を向く。
「王子様が助けに来てくれたと思ったのに・・・」
王子様でなくてゴメンなさい。俺はサラリーマンの子です。
王子に姫にキララ。俺の頭の中はかなりメルヘンだ。泣きたい。
「姫、そのようなことを言うものではありませんぞ。王様が亡くなられたのですから、これからは姫にこの国を治めていただかなければなりません。姫にはもっと大人になっていただかなくては。」
「えっ?」
姫は驚いている。
俺も驚いた。王様が亡くなったってさっきのキマイラに殺されちゃったのかな?
「姫のお仕事は、舞踏会ではありませんの?」
姫、それはマジですか?
パンがなければケーキを食べればいいじゃない?のアントワネットの方がましな気がするのは俺だけかな?あっちは、姫じゃなくて王妃だけど。
「王様が居られなくなったので、王様のお仕事は姫に代わりをしていただかなくては。」
大臣、それもマジですか?
普通は王位継承権を持っている人って何人も居て、王様になるための教育をちゃんと受けていて、舞踏会がお仕事のお姫様にお願いするようなことにはならないんじゃ・・・
っていうか、それよりも
「あの、俺が言っていいのか分かんないんですけど、姫に王様に代わりをやってもらうよりも、大臣さんがやった方がいいのでは・・・姫さま、まだ子供みたいだし。」