夢の続きって見たことなかった
これって、さっきの夢の続きかな?
そう思ったらちょっと、ワクワクしてきた。夢の続きを見たことなんて、無かったからね。
さっきはあのキマイラがハンパなく怖かった。でも今は倒されているし、大丈夫。
そういえばさっきの女の人、俺は召喚されてきたって言ってたな。ケンが言ったように、どれだけドリーマーなんだよ、俺。
でも、夢にしては随分生々しい。けがをしている人に手当をしている医者とその助手。大きなキマイラを運び出すために丸太を並べている人、瓦礫を運んでいる人。
どうでもいいけど、なんだか効率悪そうだなぁ。
そう思って見ていたら、さっきの女の人が、立派な服を着たおじさんと、かわいいドレスを着た女の子、そして、なんだか見たことがある鎧の男を連れてきた。
「お待たせしました。私達の国の姫と大臣を連れてきました。」
「えっ?姫?」
この姫はケンが泣かせたっていう姫だろうか?だとしたら、随分と予想とは違う姫だった。
10歳位の女の子だ。ケンが泣かせたっていうから、ケンに振られて泣いているのかと思ってたんだけど。
俺の予想が違うのか、それとも姫が違うのか。
「こいつ・・・いえ、この方です。アレを一撃で仕留めました。」
「なんと!」
あ、思い出した。鎧の男は電撃くしゃみを当てちゃった槍の人だ。
「気合いの籠もったかけ声と共に繰り出した電撃で見事ヤツを仕留めていました。」
「ヤツって、あのキ・・・」
キマイラって言おうとして、止めた。恥ずかしくなったからだ。何だよ、キマイラって。ホント、ドリーマーだよ、俺。
「ええ、そうです。見事でした。」
俺が言いよどんだのに気付かなかったのか、槍の男は続けた。
「私も余波を受けましたが、しびれるようでした。」
うん。電撃だしね。
「それはありがとうございました。私はこの国の大臣、ロラールです。」
「幸太郎です。」
「こちらはキララ姫です。」