私が陰陽師になった訳。 前編
春の麗らかな日差しの午後、、私はベンチで読書をしており、飲みかけのアップルティーを忘れすっかりうたたねをしてしまった。
夕方、気持ち良い風で私は目を覚ました。
忘れていたアップルティーを私は再び口をつけた。
アップルティーはレモンティーに変わっていたのだ。
私は、すっかり季節は夏になったんだなと感じた。
「夏はどぅわどぅわ大嫌いだっ!!」
前後、文章の繋がりなし。
私、事、加法院姫歌は7月25日、東京の外れの市街地にいた。
超がつく程、夏が嫌いな私は、余程の事がない限り、京都にある自分の砦の神社からは一歩もでない。
だが先方(客人)は、前払いの礼金と問題の建設物件まで、
暑い思いはしないと冷却防備を万全にすると約束してくれた←ここ重要。
だから引き受けた。
私は本業は巫女ではない。
私は皆から、加法院姫歌と呼ばれており、加法院とは、代々陰陽師として継がれてきた名前だ。
だが本名は鈴鳴鈴子。
本来なら現在、東京中心地でキャリィアー↑(伸ばす)ウーメェンー↑をやっていたのだが、奇怪な運命で陰陽師をやっている。
一年前なんて、ごく普通に女子高生をやっていたのだ。去年の春頃、そう、それはとてつもない大きな歯車…逃れられない運命、それに私は巻き込まれた。
念の為に言っておくけど、私の家系には宗教関係の血筋は一切ないし、ましてや希少である陰陽師なんて、雲の上の人。
本当に、ごく普通の平凡な家庭に育った。
そう、あれは忘れもしない…粘土アニメピン〇ーピンキーを見て学校に遅刻しそうになった時の事…多分。
時刻は7時50分頃、鈴子は本来なら普段使わない学校ルートである雑木林の道を通る事にした。
近道だからだ。
中間地点にさしあたりった頃、道のド真ん中に人影が見えた。
「やだ、また出たの?」
ここは、奇妙な物がよくでると言われてるスポットなのだ。
だから、まず地元の人は通らない。
だけど、時間がないし、そんな事言ってられない。
ダッシュで交わしていこうと全力で駆け抜けた。
鈴子はスラリとした八頭身の長身である上に、運動神経は抜群である。
足場の悪い砂場を飛ぶように走り抜ける。
そのド真ん中に立っていり障害物も難なく飛び越えた。
…はず、だったんだが…。
物体を飛び越えた瞬間、クワッと手が鈴子のスカートに掴み…そのまま物体と体制を崩し、ゴロゴロと道を転がった。
鈴子はそのまま、目を回して倒れていたが、先にその物体が立ち上がり。
『よし!ゲットしたぜ!』
とドヤ顔で親指を立てた。
それから程なくして、鈴子は気がついた。
転げたせいか、自慢の長髪の黒髪とパッチリとした目や鼻立ちも土でドロドロに汚れていた。
自分の横には、ドヤ顔で腕を組んでいる童子がいた。
年は十歳位、ボロボロの袴姿で身長は110あるかないか。
未来少年コ〇ンに出てきそうな、パンや肉を丸ごと歯で引きちぎっで食べてそうな野生児。
束子頭。
私とその童子が目が合った瞬間、童子は言った。
『おい!お前!その力、俺にくれっ!』
鈴子はあまり、関わるのが嫌だったから、スカートと服の埃を払って、そのまま学校に行こうとした。
何事もなかったように。
「もう遅刻は確定だから、ホームルームの時間を使って、化粧を直して、それから、友達の夏服の制服借りて……確かあるって言ってたし…」
独り言を言って自然に、童子の前を通り抜けようとした時。
『お前、俺をそこら辺の自然物と思いこんだな!!』
『お仕置きしてやるたべー!!』
と童子は再び、鈴子のスカートを再びガッと掴みかかった。
「ギャッ」
不意を突かれた鈴子は、スカートから童子を引き剥がそうとした。
本来なら、胸ぐらを掴んで「一ぺん、死んでみるか!!」とど突きたかったのだが、時間ない為、我慢してたのに、この仕打ち。
不意に、鈴子は引き剥がすのは止めた。
そして、ゆっくりと体を空中で高速回転させた。
飛び上がり、沢〇忠も真っ青になる真空飛び膝蹴りを童子の顔面に綺麗に決めた。
スギャーンと効果音をたてて、童子は吹っ飛んだ。
さて…。
鈴子はそのまま、学校に行こうかと思ったが、童子の方を振り返る。
童子はピクリともしなかった。
心配になったので様子を見に恐る恐る近ずいてみた。
やはり動かない。
「可哀想、本当に可哀想そう…なんて酷い事を……」
鈴子はそんな事を言ってみた。
気分で。
そう言った瞬間、童子は口を開いた。
『うぉぉぉぉぉ!!うぉぉぉぉぉ!!
こんな事で死んでたまる………はうっ!!ぐはっ……!!』
言い終わる前に鈴子の膝が再び、童子の顔に決まる。
それから、約三回位同じ事を繰り返しした。
しばらく経ち、童子の方も、大分大人しくなったので、会話してみることにした。
「ねぇ、私早く学校に行きたいんだけど行っていいかな?」
『俺の名前は小太郎ってんだ!宜しくな!』
会話は全然噛み合ってなかった。
「ねぇ…、だからさ…」
「……」
「うーん…?、坊やのご両親は?」
とりあえず、保護者になんとかして貰った方が手っ取り早いと鈴子は思った。
『ところで、オメーの名前はなんてんだ?』
童子(小太郎)の発言にイラッとしたが、答える。
「鈴鳴……りぃ…鈴んごぉ…」
『面倒くせーから、鈴でいいよな!呼び方』
『それで、年は……?』
『まあ、どうでもいいか、用が終われば関係ねーんだし』
もし、鈴子が二人いたら小太郎の前後に立ち、オラッ!オラッ!しただろう。
殴りたい衝動を抑えつつ、自分は大人だと言い聞かせた。
「あー!もー!本当、いい加減にして。時間ないから行くからね」
そう言うと小太郎は鈴子の前に立ち。
『なら、あの雑木林の向こうに俺の小屋があるから、付いてきてくんねーか?』
相当、強引で…かなり危険な感じがする。
ただ…。『もし鈴が来ないなら、俺はお前の後、ずっと付いていくから!!
これは命令だからな』
「うぐっ…」
諦めよう、時刻は九時を回ってる。
ずぐ、その小屋に行って、すぐダッシュで帰れば一時間目に間に合うかも知れない。
「小屋に人はいないでしょうね?」
『いない。俺一人で住んでる』
一人?
聞いて、なんなんだが、子供一人で住んでるって?
とりあえず、その小屋に行くために雑木林の奥へ進んで行った。
当然ながら、雑木林の学校ルートの道は、アスファルトが敷いてないだけで、通ろうと思えば、車も通れる。
だが、奥の方は話は別。
言ってしまえば、獣道に近い。
枝を折って道を作っていかない上、結構、山になっているので、登りは急。
つい、ほんの近くに小屋があると、甘くみていたが、少一時間登らされた。
「私、ばぁかぁ~っ」
さすがに途中引き返す訳にもいかず……仕方なく、山を越えた。
それから道が拓けて、原っぱが見えて来た。
その道の途中、 ボロボロの吊り橋を渡った。
相当、怖い思いをして鈴子は渡った後、童子は、もうすぐだと言った。又、少し吊り橋から歩くと今度は、道が補正された場所に出た。
辺りには道なりに杉があり、地面には敷石が置かれていた。
ここは大分、小綺麗な所だなと鈴子は思った瞬間、もの凄い段の階段が目に入った。
前を歩いていた小太郎は、その階段を難なく登り始めた。
うわぁ……登りたくねー……。
そも、そも、階段の奥が全く見えない。
下手をすると、五、六百段あるんじゃないかと…。
愚痴っていても、しょうがないので登る事に。
登ってる最中、鈴子は何の罰ゲームだよと思い、息を切らして登っていた。
なんとか、自力を振り絞り階段の頂上近くまで来た。
だが段は急なので、頂上に何があるか、まだよく分からない。
ふと、後ろを振り返えって見た。
下からは街全体が見渡せた。
展望台から覗いている様。
アステカの祭壇かよ……。
抜んでて、この土地(階段からの周囲)は、こんもりと盛り上がっている。
高さに怯えつつも、なんとか、頂上に登り切った。
そこは……小太郎が言っていた小屋ではなく…神社だった。