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ヒューマンドラマ、文学など

夏の終わりと秋の訪れ

作者: 荒野ヒロ

 蝉の歌う声が聞こえなくなり


 うだるような暑さが遠のいて


 やっと秋が訪ねてくるのが感じられる


 彼──あるいは彼女は


 どんな装いでやってくるだろう?




 風にゆられるスカーフみたいに


 そっと首をいろどる


 華やかな色合いで


 派手さなどなく


 静かに たおやかに




 あの夏の日々の騒々しさや


 容赦のない日差し


 眠れない夜




 秋になれば きみのことは忘れ


 ただ静かに夜をすごす




 うそまみれのネットニュースも


 オリンピックの熱狂も横において


 ただ静かに


 まっさらな気持ちになって


 むかしの詩人が残した


 詩のかずかずを味わってみる




 紙の手触りと


 本のにおいを感じながら


 ゆっくりとした時間をすごせば


 夏にはできなかったことが


 ひとつひとつわきあがってきて


 わたしの心を軽くする




 テーブルには白いカップ


 熱いコーヒーを一杯


 角砂糖を用意して


 香りを楽しみ


 ひとくちの味わい




 秋の長い夜に


 静かに想いを馳せる


 きみが去ったいま


 わたしは静かに眠りにつく

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