雛心情
子供心の不可思議は
例えば花の美しさ。
何故にそこまで美しい。
どんな理由ですか。
答えはわからない。
どこかにあるとしても。
求めながらも日々に埋もれ
今年も目に留まる。
雛祭りの雛人形、
何を見てきたの。
この世の果て、
それぞれの幸、
願ってきたの。
ひと目見て恋しくて、
思春期は虚ろな夢。
何故にそこまで時めいて、
切なくなるのでしょう。
何にも手がつかなくて、
怖気づいてばかり。
春一番が吹いていた日に、
店先で立ち止まり。
雛祭りの雛人形、
何を知っていたの。
この世の果て、
それぞれの幸、
祈っていたの。
女の子が生まれたとき、
お雛様を飾って
健やかに育ってと、
小さな頬を撫でました。
物心の訪れは、
いつの頃からでしょう。
自我の芽生えに嫌嫌して、
気づけば、お雛様だけ。
雛祭りの雛人形、
何を伝えましょう。
この世の果て、
それぞれの幸、
広がるように。
季節なら春が好きと
話してみたかった。
朗らかな性格になり、
花や愛しい人と。
この身に沈みこんだ、
昔からの出来事は、
どれもこれもが必然と、
感じるようになって。
雛祭りの雛人形、
何を守りたいの。
この世の果て、
それぞれの幸、
永遠の心で。