表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/32

2 情勢の変化

 この物語はフィクションです。実際の団体、国、宗教、その他諸々が似通っていても、それは完全に気のせいです。実際のそれとは一切合切関係ありません。あと含むところもありません。

 なので「これちょっとおかしくね?(ワラワラ)」とか「いやこれは違うだろ(プークスクス)」とか「ここは実際はこうだろう(ドヤァ)」等々のご意見、ご感想、文句、誹謗中傷にはお答え致し兼ねますので、悪しからず。

 そうした地形の変化に対して、まず最初に声明を出したのはアメリカであった。


 当然といえばその通りである。


 今回の騒動において領土云々で一番割りを食ったのは、そのアメリカなのだから。


 そしてその内容なのだが、こうなった責任の所在を明らかにして賠償を求める――とか、それに応じないのならば武力行使も辞さない――とかそういうもので、客観的にも常識的観点からみても、いってしまえば天災にそんなことをしたとしてどうにかなるわけでもない。


 よって、()せばいいのにそんな声明を出しちゃったアメリカ大統領に対して当たり前に各国の対応は冷静で冷たく、特にロシアや欧州()経済()領域()加盟諸国はもちろん、東南()アジ()()諸国()連合()南ア()ジア()地域()協力()連合(C)国際連()合西ア()ジア経()済社会()委員会()()()()()()()カリブ諸国連合(ACS)、そして、アフリ()カ連合()――つまりほぼ全世界の首相、大統領など各国代表は、ソーシャル・メディアを通してあからさまに失笑していたそうだ。

 太平()洋共()同体()は、アメリカも加盟国だから何も言えないみたいだけど。


 それよりなにより、国内の反応が相当冷たくて、支持率も暴落したそうな。当たり前なんだけどね。


 そもそも誰に言っているんだろう。


 それが(いささ)か不明であったが、どうやら太平洋上にハワイ州を押し除ける形で出現した大陸へ向けて発したらしい。


 その大陸にいるであろう人々にとってはいい迷惑である。


 次に騒ぎ出したのは中国で、人工島や海上フロートを根刮(ねこそ)ぎ潰されたばかりか台湾との交通も物理的に遮断されたと、やっぱり責任の所在を云々と、アメリカと同じようなことを言い出した。


 そういうところでも競い合ったって、それこそどうにもならないのに。


 軍事力一位と三位がそうやって軍備を始めているなかで、二位のロシアは沈黙していた。


 というより、永久凍土が溶け始めて国土が使えるようになったため、資源の採掘や農耕の開拓で忙しくなり、元々そういう資金に乏しいのも相俟(あいま)って、出現した大陸に対して何かをするだけの余裕がなくなっているのが現状のようだ。


 後年、開発に力を入れたことにより国内総生産(GDP)が跳ね上がったらしい。


 それが容易に予想出来たためか、アメリカや中国が焦燥(しょうそう)したのも頷ける。


 もっとも、そういうのを競い合ってもなんにもならないし、こういう事態だからこそいっそ、協力し合った方が良いんじゃないかなーと思う人たちは多数いたようなのだが、きっとそれは()()()()()()()()()()()()(笑)で無理なのだろうと、陰でまことしやかに囁かれていた。



 そして大陸が出現して半年後のある日。


 軍備を整えていたアメリカが、突如として魔法国家マルスギアへと宣戦布告した。


 魔法などという不可解な現象など、近代兵器の前にはあえなく敗退すると、地球の全ての国家は予想していた。


 一部のファンタジーに気触(かぶ)れた者たちは例外であったが、まさかそっちの方が正解とは、誰も予想だにしなかった。


 偵察のために無人ステルス機を飛ばせば、それがマルスギア領空に差し掛かった瞬間に砂のように崩れ落ち、強襲揚陸艦で上陸しようとしても見えない壁に阻まれる。


 高度1千メートルからの絨毯爆撃や海上艦からの対地()巡航()ミサ()イル()も、目標より数百メートル上空で爆散し、その爆風すら不自然に消滅した。


 そのように、攻撃が一切通用しないばかりか届きすらしない事態に成す術もなくなり、だが大々的に布告して開戦した手前、何の成果もなく後に引けなくなった末に、遂に手を出してはならない兵器を搭載した中距離弾道ミサイル(IRBM)をマルスギアへと発射したのだ。


 それはマルスギア上空数百メートルで爆発し、その爆風と衝撃波、そして放射能を無作為にばら撒く筈であった。


 だがそれすら一切の効果がなく、爆発すらせず砂と消え、更にプルトニウムさえも浄化され無毒化されたのである。


 このような事態になってやっと、マルスギアへの侵攻自体が無謀な行為であったと知り、いっそ清々しいまで綺麗に手の平を返した大統領は、非を認めることなく和平交渉に入ろうとした。


 だがその矢先、突然国防総省を中心とした10万メートル四方が光の壁によって囲まれ、そこに直径1千メートルの隕石が落下した。


 それほどの質量が落下すれば、その周囲はおろか全世界に少なからず被害が出るものなのだが、不思議なことに光の壁の外側にはその衝撃は微塵も漏れ出ていなかったという。


 こうして一方的に始まったその戦争は、大統領行政府と国防総省を含む首都の消滅で一方的に終結した。


 敗戦国となったアメリカは多額の賠償金を支払うことになったのであるが、マルスギアをはじめとする異世界からの国々には紙幣などというものが存在しないため、支払いは鉱物(レアメタル)のみで行われたそうである。


 そのようにして武力行使を行なったのはアメリカだけではなく、それに同調するかのように南シナ海の実権を奪われたと勝手に判断した中国が、竜王国ラーヴァへと侵攻を始めていた。


 だがラーヴァはマルスギアより苛烈であり、侵攻されたと判断するや否や、竜騎兵一千騎を出撃させ、無作為に中国全土を焼き払い始めた。


 更にラーヴァの王の盟友であり国の守護を司る、黒、赤、緑、青、白、銀、そして金の七色の古竜が参戦し、完膚なまでに理不尽なまでに蹂躙する。


 その古竜のタングステン並みに強固な竜鱗の前に現代兵器など効果なく、更にその全身に纏っている魔法障壁により、あらゆる化学兵器すら効果がなかった。


 そうして国力を減衰させた両国は、立て直しに数十年は掛かるであろう深い傷跡を残す羽目になったのである。


 両国の動向を注意深く伺っていた各国は、武力行使や強制外交などは逆効果だと判断し、その二国とは違うという姿勢を全面に出して異世界の国々と外交を始めたのであった。





 ――そして二つの世界が一つの世界に統合された、俗称〝世界統合〟から四年の月日が流れた――

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ