『歌』にはうかつに手を出すな! ──あやうくやらかしてしまうところだった件
バレンタイン商戦も終わり、巷では次の季節商戦への準備が進んでいます。
きらびやかな人形のディスプレイを目にしたり、童謡を耳にすることも増えてきた頃──。
ふと、このネタでたまにはエッセイでも書いてみようかという考えが浮かんできました。
かつて、某バラエティ番組で〇コちゃんに叱られてしまったので、ご存じの方もおられるかとは思いますが──。
とある童謡の歌詞に実は間違いがあった、というあのネタです。
番組中ではその1曲しか紹介されていませんでしたが、自分は他にも3曲ほど間違いを知っているものがあります。そのうちの2曲についてはそれなりに知られているのですが、残る1曲の誤りについてはあまり語られることのないものです。
よし、これでエッセイ書いてみるか──!
とはいえ、さすがに歌詞の丸写しが厳禁だということくらいは知っています。
こんなことでJASRA〇に怒られたり、多額の歌詞使用料を請求されたりするなんて真っ平ごめんです。
──そういえば昔、ある実在の3人組ミュージシャンの漫画で、英語の歌詞の綴りをわざと間違えていることがありましたが、あれも著作権問題を回避するためのものだったのかなぁ……。
いや、そんな昔のことは参考になりません。もっともっと、慎重にならなければ──!
当然、曲名は伏せておきます。
歌詞の語順も並べ替えて、使われている語句も出来るだけ変えます。さすがに固有名詞だけは避けようがないですが、例えば『根っ子』を『木の根』と置き換えたり、ですね。
曲を知っている人にだけはわかるように、慎重に記述を練り上げていきます。
過ちを糾弾するようなキツい論調ではなく、せいぜいツッコミをいれる程度の軽さに抑えて、と……。
苦心の末、エッセイが書きあがりました。自分で言うのも何ですが、まずまずの出来です。
これなら、JA〇RACからも文句つけられないだろうし、もし作詞家ご本人が読んでも、苦笑いして許してくれるんじゃないか、とも思えます。
ただ、その時点では、まだ皆さんの投稿にバレンタインに関するネタが多く見られるので、もう少し時期をみて投稿しようと思っていました。
──しかし。
その頃、世間では某絵師のトレース・パクリの問題が話題になっていました。
とある方のエッセイの感想欄で、著作権に関する議論などが交わされているのを何気なく読んでいたのですが──ふと言いようのない不安が襲ってきたのです。
あのエッセイ、本当に大丈夫なのか、と。
著作権の問題もそうですが、『小説家になろう』のルールについてもちゃんと確認しておかないとまずいでしょう。
慌てて『利用規約』を読んでみたのですが──よくわかりません。
『ガイドライン』の存在に気づき、確認してみたところ──かなりヤバ目のグレーでした。
ガイドラインには、以下の文言があります。
■部分的な掲載であったとしても、楽曲の特定が行なえる場合は著作権侵害として対応対象
何の曲のことなのか、読者にわかっちゃう時点でかなりヤバいです。
『部分的な掲載』というのがどのくらいの量を意図しているのかはわかりませんが、『固有名詞やごく一部の単語が一致していて、曲が特定できる。──アウト!』と判断される可能性だってあります。
歌詞を完全に『引用』して論評する、という手もないではないのですが、権利者からの申し立てがあったら反論の余地なしに一発アウトです。
取り上げた4曲中、著作権が切れているのは1曲だけですし、しかもひとつは作詞家先生がご存命だしなぁ……。
しかも、なろう運営からアウトと判定されてしまった時のペナルティは『アカウント停止等の厳しい処罰』──あ、あまりに厳しいっ!
というわけで、そのエッセイは永久にお蔵入りとなりました。
ちょっと惜しい気持ちはあるのですが──これ一本のために、30万文字近くこつこつと積み重ねてきた連載作品が続けられなくなるようなリスクはとても冒せません。
──っていうか、書き始める前に規約を確認しとけよ、という話ですけどね。
どうやら、歌に関しては、我々素人が軽々しく手を出してはいけない領域なようです。
──何だか、どこぞの戦闘しか知らない巨大異星人のような結論になってしまいましたが。
書き手の皆様、歌詞の扱いにはくれぐれもお気をつけください。
軽い気持ちで登場人物に替え歌なんかを歌わせただけでも、デカルチャ!な処分が下されちゃうかもしれませんので。
世代がモロにバレてしまうオチですねw