表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王女の夢見た世界への旅路  作者: ライ
第3章 エスペルト王国の動乱

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

67/498

20 2人なら

過去の投稿について、誤字の見直しと段落の修正を行なっています。内容については、変更ないです。

 私の銀月とアドリアスのアルカナストが、デトローク将軍の魔剣ボルテアスパーダと衝突する。デトローク将軍は、常に雷を纏っているため下手に触れるとダメージを受ける。普段であれば剣術に合わせて体術を使うが、魔装を使っていても防ぎきれない可能性があるため体術が使えないでいた。

 デトローク将軍が魔剣に巨大な雷を乗せて薙ぎ払う。

 私とアドリアスは、一旦大きく後方に跳躍して避けた。


「威力と範囲、防御能力。どれも一級品だな。」


「ええ。前回は、飛空船の中だっただけあって魔剣の能力を使っていなかったけど、想像以上に厄介だわ。」


 ここまでは様子見していたのもあって、お互いに有効打はなかった。とはいえ、2対1でも押しきれないとなるとかなり厄介だろう。


「貴様たちこそ厄介だ。2人がかりとはいえ、たかだか10歳の子供相手に互角に持ち込まれているのだからな。」


「それはどうも…とはいえここで負けるわけにはいかないのでな。騎士の家であるルークス家も勝ったのだ。我がグラディウス家として、王の剣としてラティアーナ王女を護る為にも勝たせてもらう!」


 そう言うと、アドリアスは術式を構築する。アドリアスは公爵家ということもあって魔力量や適性は、王族にも引けをとらない。本人が細かい調整が嫌いなため普段は魔術をあまり使わないが、側からみれば得意な分類に入るだろう。

 アドリアスは炎球を3つ周囲に展開させる。そしてそのまま、魔槍による攻撃を繰り出していく。デトローク将軍も魔剣で迎え撃ち雷で反撃を行うが、一撃打ち込むとすぐに離脱しているため、雷の範囲からも逃れている。

 また、離脱と同時にアドリアスの周囲に浮いていた炎球をデトローク将軍に向けて放ち爆発を起こした。雷の鎧で防がれたが、足が一瞬止まった。

 私はその隙に後ろに回り込んで夜月を抜く。魔力を喰わせて放つ一撃は今まで以上の衝撃となって、デトローク将軍に襲いかかる。更に銀月を逆手に持ち、振り上げて二刀による連撃を加えていく。身体強化があるため片手でも相当な力を出せるこの世界では、二刀流は複雑な魔術の発動がやり辛いくらいでデメリットはあまりない。

 更にアドリアスも魔槍と魔術による攻撃を繰り出す。

 お互いに死角から攻撃することで、デトローク将軍の反撃を抑えて攻撃を当てやすくするつもりだ。


(それにしても…戦闘中は常に雷を纏っていて時には、雷を放つ遠距離攻撃もしているのに魔力が持つわね…)


 デトローク将軍は、まるで無尽蔵の魔力を持つかのように雷を使っている。いくら魔力が多い人間でも、後先考えずに長時間魔力を使い続けることはできないはずだった。


(大気中の魔力は私も使っている。濃度も低くなっているわけではないから違うはず。宝石のように別媒体から持ってきてもなさそうだし、回復薬も使っていない…)


 現状攻めているのが私たちで、守りに入っているのがデトローク将軍だった。それでも常に放出しているデトローク将軍よりもこちらの方が消耗が大きく感じる。


「…アドリアス、まだ行けるわよね?」


「ああ、問題ない。…だが、このままでは先に魔力が尽きそうだ。なにかしらの策を講じる必要がありそうだが…」


「少し時間を稼いでくれないかしら?もしかしたらデトローク将軍の魔力が尽きない方法がわかったかも…」


「了解した。」


 アドリアスが身体強化を最大にして魔槍を振るう。更に攻撃する際にも、魔槍に込める魔力を増やすことで、触れた時の衝撃も増大していた。短時間しか持たないものの、デトローク将軍も攻撃を受けるたびに表情が辛くなっていく。


(魔力が持つとしたら…どうにかして循環しているということ。身体強化は体内に巡る魔力を増やす技術。もしも体内だけでなく、一度外に放出した魔力も循環させているとしたら!)


 一度放出して変質した魔力は、取り込んだとしても体を蝕む毒となる。けれどもし魔剣によって強化された雷も再利用できるのであれば、消耗を抑えて戦い続けることができる。

 私は、宝石を純粋な魔力に変えて周囲の魔力ごと取り込む。身体強化の倍率を上げると同時に、残りの魔力を外に放出して夜月に喰わせる。夜月に喰わせた魔力は、邪気のように変質するが、それを再度私の中に取り込んだ。


(痛っ!?変質した魔力が体内の魔力回路のなかで暴れて壊そうとしてる…けれど、変質した魔力に私の魔力を融合させて、もう一度支配下に置く。これを繰り返せばっ!)


 私は気合いで魔力を高速循環していく。そして強化された魔力で、身体強化して夜月と銀月に纏わせる。


「はっ!…待たせたわね!」


 私は、全速力でデトローク将軍に肉薄して真上から刀を叩きつけた。魔剣で受けてもなお止まらない衝撃は逃げる場所がなくて、デトローク将軍の足下ごと砕く勢いだった。


「っ!?舐めるな!」


 体を軋ませながらも魔剣に雷を纏わせて、まとめて消し飛ばそうとする。その時、私と魔剣の間にアドリアスが割って入り身体で受け止めた。


「ぐっ…ようやく受け止めた。この距離なら外さないっ!」


 アドリアスは体全体を魔力で覆うことで、魔剣が横腹に食い込む程度に抑えていた。そのままデトローク将軍の手を掴み、魔槍に残り全ての魔力を込めて叩きつけた。

 逃げ場がない状態でまともに受けたデトローク将軍は、衝撃によって全身にダメージを負って立てなくなる。けれど、目はまだ死んでいなくて魔剣も離さないでいた。


(アドリアスが命がけで作ったこの瞬間を、無駄にはしないわ!残りの全てをこの一刀に!)


 私はただただ前に跳躍する。同時に夜月で突きを放ちデトローク将軍に当たった瞬間、刀に内包されていた全ての魔力を解き放った。圧縮されていた魔力は、巨大な刃となって前方を穿ち破壊する。衝撃で私とアドリアスは後ろに吹き飛んだが、煙が晴れるとデトローク将軍は、ボロボロになって倒れていた。




 帝国軍は、デトローク将軍やその両腕が敗北し、捕らわれたことで統率を失い敗走していく。

 対帝国軍防衛戦は、王国軍に軍配が上がった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ