表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王女の夢見た世界への旅路  作者: ライ
第3章 エスペルト王国の動乱

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

61/497

閑話 グラビス・エスペルト

国王の心境と国王から見たラティアーナたちへの想いです。

 私は、エスペルト王国の王、グラビスである。


 先代国王の子は私1人だけだったため、唯一の王子として学園に入学した。

 正妃のレティシアとも学園で出会い、恋仲となって婚約者となった。

 だが、周囲の貴族たちからの反応は良くなかった。王子が私のみのため、何もなければ順当に次期王となる。しかしレティシアの家は伯爵家であり、もっと上位の家からの圧力が強まった。そんなとき、先代国王からはレティシアを正妃にするならば、側妃に公爵家の令嬢を娶るようにと言われたのだ。



 側妃の候補に上がったのがマギルス公爵家の長女、ティアラだった。

 彼女とは、学園でも接点があまりなく社交のときに言葉を交わす程度の仲だった。ティアラは聡明な女性で、側妃の候補になってからは距離が縮んだと思う。

 そして私が成人して数年経った頃、国王となると同時にレティシアと結婚し、さらに数年後ティアラとも結婚した。



 この国の王族と貴族の力関係は、とても不安定である。領地が栄えるなど貴族が力を高めると王であっても強く出られなくなるし、王が国を発展させて貴族たちに利を配れるのであれば王族の力はより強固になる。先代国王に続いて私も堅実な政治はできたと思うが、発展という意味では、あまり貢献できていないため、2代そろって貴族の権威が高まりつつある。



 息子たちが生まれるころには後宮の中でも力関係に差ができてきた。レティシアが複数の貴族家と懇意にして派閥を作ったため優位に立ち、逆にティアラは公爵家として中立を維持し派閥を作らなかった。ラティアーナが生まれたが、それでもティアラが生きている頃は、彼女の力が大きかったため問題はあまりなかった。



 ティアラがリーファスを産むと同時に亡くなり、離宮を管理する者がいなくなった。最初はラティアーナとリーファスをレティシアに引き取ってもらうことを考えていたが、ティアラの子供たちのことを警戒していたため断念した。私もティアラの子達とは、あまり接してこなかったためどうすれば良いか分からず、離宮の管理はティアラの専属侍女たちに任せて離宮自体に不干渉を貫くことで、レティシアとも切り離すことにした。



 ラティアーナやリーファスとは年に数回顔を合わせる程度だが、離宮の様子は私が送った侍女を通して知ってはいる。ラティアーナが大きくなって来ると街にお忍びで出かけていることも聞いてはいたが、王都であれば治安は良いし侍女も近くにいたため、あまり心配もしてなかったのだ。


 たが、ラティアーナが7歳の時に何者かに襲われた。幸い怪我こそなかったものの、その後のお披露目では魔力が低く周囲からは、無能の王女という烙印が押された。


 元々幼いながらに聡明だったラティアーナは、お披露目の辺りから更に変わったと思う。周囲から無能と蔑まされていながらも、芯が通っている彼女は、社交でも上手い立ち回りをしていて、派閥までは行かずとも味方を作っている。リーファスも神童と呼ばれるほどの魔力を持っていてお披露目を迎えると、更に周囲の貴族から持ち上げられるだろう。

 レティシアはラティアーナとリーファスの2人をかなり敵視しているようだった。実際、影による調査で後から分かったことだが、証拠こそないもののラティアーナに刺客を送っている可能性がある。実際ラティアーナと通信で話した際には、言葉を濁していたものの気づいているのだろう。

 リーファスに関しては、レティシアが引き取って以降普通に接しているように見えるのと、引き取った後に害されればレティシアに目が向くので、危害は加えないだろう。




 王宮の中では、次期国王の座を巡った派閥争いが活発化しつつある。

 レティシアの派閥からの支持があるガイアスは、武力こそ高いものの単純で駆け引きが苦手だが、直感が鋭いため危ない橋は渡らない。対してギルベルトは智略に長けているが、何を考えているのか読めないある意味、貴族向きな性格で、地方領主からの支持が高い。そして次に高いのが、まだお披露目前のリーファスで、中立以外の残りの派閥となっている。ラティアーナやローザリンデは、評価が高くない上に過去に女王が即位したことがないため、支持こそあっても次期国王に推そうという働きはなかった。



 こうした派閥同士の争いと地方領主の力が強くなってきたこともあり、私も意見が通りにくくなりつつある。

 子供たちを育ててきたとは、決して言えはしないが、子供同士で争いが起きなければいいと密かに願っている。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ