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王女の夢見た世界への旅路  作者: ライ
第1章 前世の記憶とお披露目

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3 魔力と私

 数日の間は安静にしていなければならないためベッドの住人と化していた。

 ただ1日中寝ていると眠気も起きなくなるが、身体が重く頭がボーっとするせいで本を読む気力も起きない。結局のところ目を生むって横になっているしかできなかった。


 そうすると、様々なことを考えてしまう。例えば魔力についてなどだ。


 この世界には魔力が存在し一部例外を除いて、大気や物質にも魔力が混じっている。

 また人や動物を始めとする生き物も例外ではなく魔力を保持していた。人の場合は呼吸や食事を通して外部から吸収されて体内でも生成される。


 前世のような世界であれば空想上のものだけど、この世界では水のように当たり前に存在するものだ。


 また魔力を運用する技術は、大きく分けて2つあった。

 1つは魔力操作と呼ばれるもので、魔力の具現化や物質を魔力で纏う、体に魔力を流して身体の強度や運動能力を強化するもの。

 そしてもう1つが魔術と呼ばれるもので、魔力を方式に則って変換し様々な事象を起こすものだ。

 発生する事象によって属性が異なるため、適性のある属性かどうかによって消費魔力や発動時間等に関係する。


 じっとしたまま体内に意識を向けると体内の魔力を感じることができる。慣れれば私の意思で制御することもできるが、今では感じる魔力が少なくなっていて制御も受け付けなくなっていた。

 医者からの伝言でもあったし、回復魔術を使ってから気を失う直前の感覚から魔力がうまく動かせないのは、なんとなく理解はしていた。


 様々な感情が押し寄せて涙が溢れそうになる。リーナであれば話を聞いてくれて精一杯慰めてもくれるだろうが困らせてしまうだろう。

 誰も頼ることができない私は何も考えないように感情を推し殺してベッドの上で過ごした。




 そして目が覚めてから数日経った頃。

 高かった熱も下がって体調は大分回復していた。まだ痛みや体の重さは残っているが、普通に生活するくらいであれば支障はないだろう。少し歩くくらいであれば動いても構わないと言われるくらいだ。


「ねぇリーナ。来月に私のお披露目があるじゃない?その時に魔力や適性の確認があるけど、詳しくは知らないのよね。少し調べたいから王城にある図書館に行きたいのだけれど、いいかしら?」


 朝起きた私は、数日振りにネグリジェから普段着への着替えを手伝ってもらっている間にリーナに聞いてみる。


「構いませんよ。よろしければいくつか部屋までお持ちしますがいかがなさいますか?」


「いろいろ見てみたいから私も行くわ。」


 せっかくの機会なため、私自身の目で本を探してみたいと思う。それに長い間寝ていたのもあって、少しは体を動かしたいとも考えていた。


「かしこまりました。」


 着替えが終わると私の長い髪もリーナに整えてもらい準備が終わる。


 朝食を食べたあと、図書館へ向かうことになった。



 王城の造りは、中央に文官たちが仕事場や会議する部屋、応接間や玉座の間等がある城があり、その隣に図書館や宝物殿、各種倉庫、近衛団や国軍の本部がある。その周囲に王族が住む王宮や離宮があるのだった。


 早速図書館に着いたが、目当ての本を探すのに苦労しそうだ。

 過去に数えるほどしか使ったことがないし、城の図書館というだけのことはあって蔵書数もかなり多い。


「魔力についても調べたいけど、伝記みたいのも調べたいのよね」


「伝記...ですか?調べたい御仁でもいらっしゃるのですか?」


 探したい本を告げるとリーナは不思議そうな表情をする。

 魔力については調べたいと伝えていたが、伝記については理由を伝えていなかったからだろう。


「特定の誰かというわけではないのだけれど、私のほかにもいるかもしれないからね。魔力については、分類が決まっているのと司書にも聞くことができるからリーナは伝記を探してくれる?」


 リーナには前世の記憶については話してある。

 今いる侍女たちの中では、唯一昔から仕えてくれていて、私にとって信頼できる侍女であるのと同時に姉のように慕っているからだ。

 昔から仕えてくれている分わずかな変化にも気がつくだろうし、なによりあまり隠し事はしたくなかった。


「かしこまりました。見つけ次第お持ちしますね。」


「お願いね。」


 私が求めているものが伝わったようで、リーナは笑顔で請け合ってくれた。


 目当ての本をいくつか選んだ後は、リーナに探してもらうのを専念してもらうことにした。私はその間に、探し出した本を片っ端から読んでいく。


 魔力は体の中にある器官に保有し、そこから神経のような魔力回路によって体中に伝達されるらしく、魔力の制御には生命力が関係するようだ。

 生命力が少ないほど魔力の制御が出来なくなり、一定以下になると体調に影響する。そして最悪の場合は死に至る。回復方法は体力と同様に睡眠や食事が主となる。

 また、無茶な魔術使用は魔力の保有器官や魔力回路が傷つき、幼少期だと魔力の成長に影響があるようだ。

 今の私は、生命力がまだ完全でないので体調は落ち着きつつあるが、魔力操作が難しく無理に魔力を動かせば暴発するだろう。

 もしかしたら魔力に関する成長にも影響が出ているかもしれない。


 伝記についてもいくつか読んでみたが、前世に関しての記載は見つからなかった。仮に前世を思い出す人がいたとしても、わざわざ大っぴらにすることでもないし下手に公表すれば危険があったのかもしれない。

 気長に探すしかないだろう。


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