1 プロローグ
今まで読む専門でしたが、夏休みで時間があったのと前から興味があったので書いてみました。
小説も含めて文章全般を書いたこともなく見切り発車のため、読みづらかったり文章がおかしかったり、修正が多かったりすると思いますが、よろしくお願いします。
天気が良く青い空と気持ち良い日差しが降り注ぐ、ある日のこと。
私たちはお忍びで城を降りて街へ繰り出していた。護衛も兼ねている侍女であるリーナと2人で、王都にある露店を散策しているところだった。
街を歩いてしばらく経った頃。
建物の陰からコートを着た男が現れた。その男は短剣を持っていて、私の姿を見ると突如襲いかかってくる。
私は驚きのあまり動けなかった。迫り来る短剣の切っ先がスローモーションのように感じた。次に来る痛みを想像して思わず目を瞑ってしまう。
「お嬢様っ!」
リーナの叫び声が聞こえると同時に、体全体に衝撃を受けて地面にぶつかる。
思わず目を開くと…
短剣を突き刺されてリーナが倒れているのが見えた。刺されたところから赤黒い血が流れていて、地面が赤く染まっていく。
「リーナ!リーナっ!しっかりして!」
視界の端で人が集まって来たのが分かるが周りを気にする余裕はなかった。目の前の光景を現実だと思いたくなくて、倒れているリーナの肩を揺さぶって声をかけ続ける。
リーナは薄ら目を開けると「お嬢様が…無事で良かったです…」と弱い声で呟く。
私にとってリーナは、侍女であると同時に姉みたいに感じている大切な人だ。リーナまで失ってしまったらと考えただけで絶望しか感じない。絶対に失いたくないのだ。
私はリーナを助けるために全力で回復魔術を使う。
けれど幼い私の魔力と技術では致命傷を治癒させるには足りなかった。足りない分を補うために、本来は不可能な治癒を可能にするために、私は生命力をも魔術に充てる。
リーナの傷が少しずつだが確実に塞がっていく。それに合わせて、私の中の肉体よりもさらに深いところに亀裂が入るのを感じた。まるで身体が引き裂かれていくような感覚を味わいながらもリーナを治療する一心で魔術を行使し続ける。
現実と夢の境界が徐々に曖昧になっていく。痛みと共に瞼が閉じていき、意識が遠くなっていくなかで私は今の私ではない夢を見る。
それはかつての私の記憶。
ぼんやりとしているものが多くて全てははっきりとしていない。けれど強い想いや強い記憶の残滓だけは、鮮明に浮かんでいく。
私はエスペルト王国の第3王女のラティアーナ・エスペルト。歳は7歳。
今日この時、前世の記憶を思い出した。




