14 一連の真相と作戦立案
その日、アリアは教会で治療の仕事をした帰りだった。
片付けが長引いたため、少し普段より遅い時間を歩いていたところ、孤児院の応接間から話し声が聞こえたそうだ。聞くつもりもなかったため、そのまま通り抜けようとしたが、信じたくないことが聞こえたそうだ。
「しかし、人工の魔剣ですか...今まで不可能だときいてましたが?」
「ええ。魔剣というのは、強大な魔物や悪魔を剣に封じたものです。でもね、結局のところ魔力を持った生物ということに変わりはないんです。つまり...人でもいいんですよ。」
「そこで孤児たちということですか。たしかに問題にならないでしょうな。孤児院は私の管轄なので自由が利きますからね。それにあなたたちであれば、どうとでもできますでしょう?」
「ええ。上級貴族ですからね。握りつぶせるでしょう。準備が整うまでおよそ3月、それまでに孤児たちを引き取りたいところです。あとは...」
アリアはそこまで聞いた後、急いで離れたらしい。
その後は他の人にバレないように普段通りを装いつつ、孤児院長の動きを注意して孤児院から解放しようと考えていたそうだ。3人はBランクに上がったことで収入も上がり、孤児たちの食費くらいなら賄える。
ただ、住む場所の問題と、孤児院長の許可を得るのが難しい。
4人で方法を考えていると、ノアがふとつぶやいた。
「いっそのこと夜逃げすればいいんじゃねえか?」
「住む場所はどうするのよ?それに孤児院から一斉に移動すれば見つかるだろうし、最悪、教会騎士と戦闘になるわよ!?」
「いや、ありかも知れない。戦いになる危険はあるけど、教会の敷地から出てしまえば教会騎士は追ってこれない。一時的なら宿でも生活できる。」
驚くアリアに対して、ドムは納得している。
「可能性はあるわね。教会は独立しているから武力も持っているけど、街の中では行使できない。4人でなら皆を護りながら脱出かもしれない。」
私の言葉に3人が考えるそぶりを見せると、アリアが答えた。
「教会の間だけなら、皆に防御結界をかけても維持できるわ。私は戦闘に参加できないけど、攻撃は絶対に通さない。教会の魔術師は聖属性に特化している人が多いから、攻撃はあまりできないはずよ。少なくとも、対人戦にはあまり向かないはず。あとは、貴族が出てきた場合かしら...貴族だと私兵を持てるって聞いたことあるし、宿までこられるとどうしようもないと思うけど...」
「貴族の私兵は、領地内でしか動かせないわ。王都で動かそうとすると、正当な理由が必要になるはず。」
色々と話しながら案を練り、3日後に決行することになった。また、準備として冒険者ギルドに護衛依頼の発注と、私がここに住むための準備をする。全て決まった後、孤児院長の所へ行き住みたい旨を伝えると
「教会は救いを求める全ての人に公平だからね。しばらく孤児院の方に住むと良い。」
との言葉をもらって準備は完了する。
あとは、作戦の決行を待つだけだ。




