9 新しい教師の来訪
Bランクに昇格してしばらく、今日は弟であるリーファスの魔力の教師になる人が初めてくる日だ。
「ラティアーナ様、お客様がいらっしゃいました。」
リーナが知らせてくれたので、応接間に向かうことにする。
部屋に入ると銀髪の女性が待っていて、私に挨拶をしてくる。
「はじめまして。メラニー・イグニスと申しますわ。本日からリーファス様の講師をさせていただきます。若輩者ですが、よろしくお願いします。」
「はじめまして。ラティアーナ・エスペルトです。リーファスのこと、よろしくお願いしますね。」
初対面だったので簡単に言葉を交わしつつ、今後の予定を確認する。
メラニーは去年学園を卒業した15歳だ。
なお、この国の成人は15歳で、学園を卒業した時から成人した貴族として扱われる。
今日は顔見せの予定だけのため、メラニーを伴ってリーファスの部屋に向かった。
リーファスの部屋に向かう中でメラニーは内心意外に感じていた。
(この方がラティアーナ様。第2王妃のつまりは、魔術の名門マギルス公爵家の血筋であり、お披露目で落ちこぼれと評価された...社交会では落ちこぼれの王族とか、捨てられた王族と噂されている。同母姉弟でありながら、お披露目前の弟であるリーファス様が天才だと噂されているから荒れているかと思ったけど、そんなことなさそうね。お父様からは離宮の様子を詳しく見てこいって言われているけど...ラティアーナ様に関しては掴みどころがない方だわ。)
メラニーがそんなことを考えているなかで、ラティアーナも内心驚いていた。
(イグニス家は魔術の名家で、お母様の実家のマギルス家ともライバル関係...社交会での私の評判はイリーナやアドリアスから聞いてるけど、メラニー様はあからさまに見下す感じはないわね。)
お披露目の後、王城に赴いた時に貴族からは見下すような目をされることがあった。身分差があるから言葉にこそしないものの、目線や表情からなんとなく察することはできる。
「あねうえ!」
部屋に入るとリーファスが目をキラキラさせて近づいてくる。
私はリーファスを撫でるとメラニーを紹介する。
「リーファスに魔力の扱い方を教えるメラニー様よ。これから毎週教わることになるわ。」
「リーファス様、はじめまして。メラニーと申します。これからよろしくお願いしますね。」
「めらにーさま!よろしくおねがいします!」
こうして顔合わせは終わり、リーファスは来週から魔力の扱い方を教わることになる。
この国では王侯貴族であることの条件として学園の卒業が絶対です。お披露目をした後でも学園を卒業できないと貴族という身分がなくなることになります。




