表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

鎮魂歌

作者: 明夜明琉

あなたは、一足早く春の国へ行ってしまいましたね



南の国では

もう桜が咲いているでしょう



梅の花もまばらになってきました

氷もゆるんで

空は明るく穏やかな青です



あなたは 今 私を

羨んではいないでしょう



冷たい息の中で

私は凍えながら

泣いています



あなたは

とうとわの

春の国に行ってしまったのだと

私は泣きながら祈っているのです



あなたは

母か、祖母か、それよりも彼方のあなたの血族と

今 桜を見ながら

笑っていることでしょう



白い木蓮も

優しい菫も

みんなが笑って

あなたを見ている

雲雀はさえずり

燕は青い空を

果てなく駆け回っていることでしょう



私は

そんなあなたを

思い浮かべながら



泣きながら

叫びながら



祈っているのです



永遠の春の国へいってしまったあなたへ――



空は

あなたが生まれた日も

私が春の国へ行く時も

変わらず青く輝いているでしょう



だから どうか

その澄んだ青さに

今だけ悲しませてください

長く あなたに会えないことを――

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] そこに含まれているのは悲嘆なのか安堵なのか? でも、再会を確信している「私」は生きる幸せを決して捨てたりはしないのでしょう。 いずれ同じ景色を眺めるために。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ