099 バニーちゃんと子猫達
『キャッキャッ』
『とんでみてー!』
『おもしろいねー』と、子猫達はトランポリンドームでバニーちゃんと一緒に飛び跳ねる。
バニーちゃんも重力が減って、自分の体が軽く感じるからか、嬉しそうに子猫達と一緒に弾んでいる。
『なにこれー! すごーい』と、バニーちゃんはもともとウサギなのだから、跳ねるのは嫌いではないのだろう。
大きくてフサフサな新しい友達が出来て、子猫達は嬉しくてたまらない様だ。
そしてバニーちゃんも、慣れて来たのか夢中になって跳んでいる。
大丈夫そうね。みんなで仲良く遊んでいるので、かなえは仕事場にいるジミーさんの所へ歩いて行く。
「ジミーさん、そろそろお昼ですけどどうしますか?」
「そうかい、じゃあー行くよ」と、ジミーさん。
かなえは、テーブルに二人分のランチを並べていると、ジミーさんがやって来る。
かなえは食べながら、明後日メラニーさんとジョンさんを、このアニマルドームに招待したことを話す。
「そうかい、それは良いじゃないか。きっとあの二人は喜ぶだろう」と、ジミーさんも賛成してくれた。
そういえばジョンさんとジミーさんは同世代だし、森のドームのお祭りでも話を弾ませていたな……。
「あの二人の家も、ここに建てるのかい?」
「え!?」
そうか……それは考えて居なかった。
でも土地は沢山あるし、もう一軒建てるのは問題無い。
「そうですね。考えてみます」と、かなえは答えておく。
食べ終わると、かなえは砂浜に移動しメラニーさん達の家の事を考える。
二人だから家の大きさは、リリララ姉妹やジミーさんと同じでもいいが、その他にジョンさんの家具を作るための仕事部屋と、メラニーさんのパイを焼くための広いキッチンが必要だな。
野菜やフルーツの木を植えたら、お菓子作りに使えそうね。
かなえはまだメラニーさん達が、ここに住むと決まっていないのに、もうすぐにでも家を建てたくなって来る。
「シロン、メラニーさん達の家を設置しても良い?」
「私には、反対する理由はありません。かなえが良いと思う事をしてください」
「うん、わかった。ありがとう」
メラニーさん達にはジャンプミラー等を話す予定だし、何処に住むにしても、ここにもいつでも来れるようにして欲しい。
きっとあの二人がここに来てくれたら、ジミーさんだけでなくリリララ姉妹も喜ぶだろう。
変更はすぐに出来るので、家を建ててみることにした。
場所はリリララ姉妹の家から50メートル位離して、白木の壁に緑の屋根、大きな窓が幾つも付いた平屋の家を設置する。
その向かって右隣にメラニーさんの業務用のキッチンと大きなダイニングテーブル付きの離れの部屋。左隣にジョンさんの仕事部屋を造る。
広い庭には低い柵で囲い、背の低いフルーツの木を沢山植える。
そして一画に畑を作り野菜とハーブを一通り植える。
庭の前にはリリララ姉妹やジミーさんの家まで通じている遊歩道と、砂浜から続く湖が見える。
家のテラスのアウトドア用のソファーや椅子からの眺めは、まるでリゾートに来たようだ。
メラニーさん達が喜んでくれると良いな。
次に、メラニーさん達とリリララ姉妹の家の間に小屋を建てる。
この島からメラニーさんの牧場とを瞬時に行き来できるようにする予定だ。
ここから温泉にも行けるようにしておこう……。
かなえはこの小屋に、あと4つジャンプミラーを設置し、それぞれに東門、西門、南門、北門と、メラニーさんの所へ行く鏡には牧場と記しておく。
その5つの鏡には、メラニーさんとジョンさんに、リリララ姉妹、ジミーさんと、念の為かなえの名前も登録する。
これでいいな。次は……。
先に、温泉の方とはつないでおこう。
かなえはまず、西門の温泉の広場に移動する。
人目の無いところに小さな小屋を設置して、中にジャンプミラーを1つ付け、島と表示し小屋の外側には西門倉庫と記しておく。
鏡に全員の名前を登録し、小屋は登録した人にだけにビジブルにしておく。
それと同じ作業を、他の3か所の温泉にもしておく。
今のところ、温泉から他の温泉に移動するときは、一旦島の小屋に戻る必要があるが、大した問題では無いだろう。
今日はここまでだな……。
かなえはバニーちゃんの様子が気になって来たので、子猫達のドームへ移動して行く。
フフッ……仲良くなったなー。
目に入って来たのは、ドームとドームの間の一番下のキャットタワーの台で眠るバニーちゃんと、その上に重なって眠る子猫達だ。
かなえは眠っているみんなと、ドーム周辺にウオッシュを掛ける。
「シロン、バニーちゃん、疲れてない?」
「はい、子猫達と良く運動したようですが、睡眠で大分回復して来ています。目を覚まして食事と、水分を補充すれば問題無いでしょう」
「耳の状態はどう?」
「今は回復し、普通に聞こえているようです」
そうか……それなら良かった。
かなえは暫らく観察していると、
『あーもー、あなた達重いよー』と、声を上げるバニちゃん。目を覚ましたようだ。
バニーちゃんは身体を揺らして、子猫達をどかそうとするので、かなえが上の台に移動して寝かせる。
「バニーちゃん、おはよう。良く寝てたね」
『もーカナカナ、この子達何とかしてよー』と、かなえを見て声を上げるバニーちゃん。
あーあ、もう動物達にはカナカナ確定みたいね……。
「フフッ、でも楽しそうに見えたわよ。可愛いでしょ?」
『うーん、でもちょっとしつこいのよー』
「きっと、フワフワしたお姉さんが出来て嬉しいのね」
『もー』と、いいながらそんなに嫌がっていないバニーちゃん。
甘やかされた、わがままなウサギちゃんだと思ってたけど、これだけ子猫達に懐かれたんだから、きっと面倒見は良いんだろうな。
かなえはちょっとバニーちゃんを見直す。
「バニーちゃん、おなかが空いたでしょ。何か食べれば?」
『そうよー! 何か食べようと思ってたけど途中で力尽きちゃたのー』と、バニーちゃんはゆっくり歩いて行き、近くの牧草を食べ始める。
次から次へと牧草を食べるバニーちゃんの後姿は、丸くて大きいフワフワなボールの様だ。
フフッ、これでは子猫達も追い掛けたくなってしまうだろう。
『あーカナカナ』と、最初に目を覚ましたのはレオンだ。
「おはよーレオン。良く寝てたねー」
『うん、あーバニちゃん!』と、レオンはキャットタワーの台から駆け下りると、バニーちゃんのフワフワな体に突進して行く。
『ちょっと―やめてよー! あたし食べてるのよー」と、バニーちゃん。
「レオン、あなたもお腹空いたでしょ? 小屋に餌があるから食べて来なよ」
『うーん……わかったー』と、小屋に向かって走って行くレオン。
レオンが居なくなってホッとしたのか、バニーちゃんはまた牧草を食べ始める。
すると、マーブルとタイガも目を覚まし、
『あーカナカナ』
『あー、バニちゃん』と、またレオンと同じようにバニーちゃんに駆け寄って行く。
「あなた達、バニーちゃんお腹空いたって。あなた達も餌を食べて来なよ。レオンも行ったよ」と、言うと、
『うん、ぼくお腹すいたー!』
『ぼく、お水のむー』と、2匹とも小屋に向かって競争するように走って行く。
そうだ、マリーにもバニーちゃんの事を話しておこう。
かなえはジャンプでシャワードームへ向かう。
休憩所にはジジさんとババさん、それにリキさんがもう眠っていた。
キングス達も、そろそろ疲れて来た感じだ。
マリーが一匹で、ドームの中に居たのでかなえは声を掛ける。
「ねぇ、マリー。今日からしばらくウサギを預かる事になったのよ。子猫達が気に入ったみたいで一緒に遊んでるから、宜しくねー」
マリーがかなえの声を聞いて、ドームの中から出て来た。
『そう。ババがウサギが来たって言ってたけど……』
「そうよ。まだ子供なんだけど運動不足だから、子猫達に相手をしてもらって丁度いいみたい」
かなえは子猫達がバニーちゃんに飛びかかって行く姿を思い出して笑みがこぼれる。
『そう、まぁー問題無いんじゃ無い?』
マリーはそんなに興味が無さそうだな……まぁー報告出来たので良いだろう。
次にやっておくことは……。
かなえは西門の温泉に行き、リリララ姉妹にジャンプミラーを設置したことを報告に行く事にした。
この時間ならまだ温泉にいるだろう。
シロンに確認するとリリララ姉妹は休憩場にいるようなので、ジャンプで移動する。
あー……いたいた。
奥のテーブルに座って他の子達と話している。
毎日通っているから友達も出来たのね。
「あーかなえさん!」と、ララちゃんが先に気づき近寄って来る。
「ララちゃん、お仕事ご苦労様ね」
「うん、ララねーいっぱいキレイにしたよー」と、ララちゃん。
「かなえさん、何かありましたか?」と、かなえのところに来るリリちゃん。
「うん、ちょっと報告があって……」と、2人にジャンプミラーを4か所の温泉に設置したことを伝える。
「どこに設置したか教えるね」と、温泉を出て小屋のある所まで3人で歩いて行く。
「ここだよー」と、木の陰にある小屋まで案内すると、扉を開けてジャンプミラーを見せる。
「ここは西門で、ジャンプミラーには行き先の『島』って表示してあるの」
その後にジャンプミラーで島まで移動し、島の小屋の中にある5つの鏡の違いを説明する。
「わぁースゴイですね! ここから全部の温泉と、牧場にも行けるんですね?」
「うん、そうよ……だからうまく活用してね。でも暫らくはララちゃんはお姉ちゃんと一緒にね。それと牧場は今日明日中には通れるようにするつもりよ」
リリララ姉妹はジャンプミラーを使用して、普段より早く戻って来たので、バニーちゃんのところへ連れて行く。
「ワァー大きいボールみたーい」と、子猫達に追われているバニーちゃんを見たララちゃん。
『ちょっと―カナカナ、助けて―』と、かなえを見つけて近寄って来るバニーちゃん。
「かなえは『よいしょ』と、柔らかいバニーちゃんを持ち上げるとリリララ姉妹に紹介する」
「この子がウサギのバニーちゃんです。よろしくね」
「……わぁー、大きくて柔らかいー」と、ララちゃんがバニーちゃんのお腹を撫でる。
「ほんとに大きいですねー」と、リリちゃんも目を丸くして驚いている。
『バニーちゃーん』『バニーちゃんちょーだい』と、子猫達が近寄って来る。
「あなた達、あんまりしつこくしたらダメよ」と、かなえは注意する。
「それじゃー、よろしくね」
もう動物達を送る時間なので、バニーちゃんをリリララ姉妹に任せてかなえはシャワードームへ移動して行く。
もう、キングス達もマリーも広場で眠っている。
ルークス達はどこかへ行ったようだ。
かなえはジジさん達から順番に連れて行き、小屋でリキさんの足に薬を塗り込む。
日に日に回復しているのがわかり、リンジーの喜ぶ顔を想像して嬉しくなる。
もう夕食の時間なのでジミーさんの庭へ移動して行き、庭のテーブルにウオッシュを掛けると、ジミーさんと、リリララ姉妹に声をかけ、料理を並べる。
「いただきまーす」
みんなも揃い、準備が出来たので夕食を食べ始める。
今日のメニューは、プロの実ボールのトマトパスタ、スチーム野菜のガーリックマッシュルームソースにグリーンサラダ。
デザートにはチーズスフレ。飲み物はアイスピーチティー、ジミーさんにはアイスカプチーノにした。
ララちゃんのお絵描き教室での話や、リリちゃんのお料理教室の話で盛り上がり、みんな揃っての楽しい夕食の時間だ。
ララちゃんも、お絵描き教室に休まないで続けられそうで良かった。
かなえはジミーさんに、ジャンプミラーをドームシティーの4か所の温泉に設置した事、メラニーさん達の牧場にも設置する事を報告する。
「そうかい、それは便利になるなぁー。私も温泉に出掛けてみようかな」と、ジミーさん。
ジャンプミラーを使えば温泉にもすぐだし、隣の売店で大抵の物は購入出来るのでジミーさんも助かるだろう。
それに、リリララ姉妹の家の隣に、メラニーさん達の家を設置した事を伝える。
「嬉しいです! 私、お料理教えてもらいたいです!」と、リリちゃん。
「ララねー、パイ食べたい」と、ララちゃんも嬉しそうだ。
ジミーさんもニコニコしている。
「それで、明後日メラニーさんとジョンさんをこの島へ招待する事にしたの。あなた達もお昼はここで一緒に食べられそう?」と、かなえが聞くと、
「はい、わかりました。教室が終わったらすぐに戻って来ます」と、リリちゃん。
食事が終わりみんなも家へ戻って行き、かなえはバニーちゃんのところへ向かう。
バニーちゃんは子猫達と庭でゴロゴロしていた。
「バニーちゃん、私はもう家へ帰るけど、あなたはどうする? 小屋もあるからここで過ごす?」
『そう? 私はいいけどー』と、バニーちゃん。別に子猫達と一緒に居るのは問題無さそうだ。
「じゃあー、また明日ね」と、かなえは自分の部屋へ戻って来る。
ゆっくりお風呂に入り寝る支度をすると……もう眠くてたまらない。
ベットに入りすぐに灯りを消す。
「みんなおやすみー」と、なんとなく声を掛けて、かなえは眠りに就いた。
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ポイント
プラス
マイナス
残り 209万9400
パワー 498
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予定 牧場のスミス夫妻を招待
動物達を連れてお出掛け
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給料30日目 牧場の従業員見習い 15万
動物ギルド長 20万ー6万(リリララ姉妹の残業代)=14万
アニマルドーム管理人 30万




