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アニマルレスキュー  作者: コトリコトリ
93/229

093 秋の収穫祭へ 


「うゎー! 山が小さくなってくよー」と、ララちゃん。


 カーペットに乗った、かなえ達は収穫祭のやっているドームへ出発した。

 あまりスピードを出すとすぐに到着してしまうので、適度な速度でカーペットを飛ばす。


「あー、お家があるー」とか、

「馬車だー」など、見える物全てに声を上げてしまう。


 みんな透明なカーペットにも慣れて来たようで、空からの眺めを楽しみ始める。

 幾つか特徴のあるドームを越えて行くと、ビッシリと木の生えている森が見えて来た。


 あっ、あの辺だな。かなえはメラニーさんのくれたチラシに書いてある地図と、自分の表示された地図を見て確認する。


「みなさん、あの前方に見えるのが『森のドーム』で、あそこで収穫祭がやっているみたいです」と、言うと、

「へーっ、もう着くんだ!」と、ララちゃん。


「早いですねー」と、リリちゃん。

「そうかい、あそこが森のドームか」と、ジミーさんは知っているみたいだ。


 

 だんだんと開けた所が見えて来て、広場に沢山の市場の様な特設のお店や、丸太が置いてあり、周りに人があふれて居るのが見える。少し離れた所には馬車が並んで停まっている。

 

 何処に停めようかな……。

  

 かなえは少し高度を落として、人通りの無い停めやすい場所を見つけるとスーッと降りて行き、地上に着地する。


 辺りに誰も居ないのをもう一度確認し、シールドとインビジブルを解除する。

「はーい、お待たせー。それじゃ行ってみましょー!」との声を合図にみんなカーペットから降りる。


 かなえはカーペットをしまうと、


「リトくん、ピーちゃん、宜しくね」と、声を掛けると、

『わかったー』『いいよー』と、知らない場所に来れたのが嬉しいのか、元気よく飛び立って行く。


「あっちが入口みたいですね」

 かなえはチラシの裏に書かれた収穫祭のマップを見ながら、入口を目指す。


 収穫祭の入口は、わらで出来た人形や動物、この時期に収穫される果物や野菜が綺麗に飾られていて、門の上のアーチには「ようこそ、森のドーム、秋の収穫祭へ」と、大きく書かれている。

 

 次々と人が中に入って行くので、人気のある大規模なお祭りの様だ。

 何処からか、軽快なバイオリンの様な音楽も聞こえて来る。


 中に入って行くと、道の両側にお店が続いている。

 

 入口の近くはお土産屋さんが多い様で「秋の収穫祭」や、「森のドーム祭り」と、書かれた、置物や、写真のフレーム等、沢山の品が売られている。

 

 リリララ姉妹は、楽しそうに商品を見ている。

 森のドームだけあって木で出来た商品が多いが、ジミーさんが瀬戸物の物を見つけたようで、熱心に眺めている。


 かなえは少し先の洋服屋さんの服を見たり、アクセサリーを眺める。

 どれも丁寧に作られた個性的な商品で、見ているだけでも楽しい。

 

 お店の人もお客さんも、ドームシティーよりものんびりとした雰囲気で素朴な感じがする。


 しばらく、みんなを待ちながら辺りの様子を見ていると、



「あーあんた、かなえじゃないか!」と、声を掛けて来る人が居た。

「えー! あなたは、えーと、リンジーだっけ?」

 

 ……リキさんの、飼い主の娘さんよね。


「そうよ、こんなところで何してるのよ!」

「えっ? 何してるってお祭りを見に来たのよ。あなたは?」


「あたしは、ここに住んでるのよ。だから色々忙しいの! それよりリキはどうしてるの?」

「リキさんは、前よりも良くなってるわ。今日で……6日目だからもう暫らくしたら、もっと快復すると思うわ」


「そう、また話しを聞かせて! こんなことしてる場合じゃなかった。早くしないと―!」と、リンジーはあっという間に、入口の方へ駆け抜けて行った。


 リキさんの家もここにあるんだ……そういえば、リキさんが住んで居る所は木が沢山植わっているって言っていたっけ。



 かなえが、リンジーが走っていた方を見ていると人をかき分けて、リリララ姉妹とジミーさんがやって来た。

 ジミーさんは手ぶらだが、リリララ姉妹は何か袋を抱えている。


「フフッ、もう何か買ったの?」と、かなえが聞くと、

「はい、ララが木で出来た動物の置物を欲しがったので……」と、リリちゃん。


 見せてくれたのは、馬や牛、犬に猫などの置物で小さめだが動物達の表情が優しい。

 ちょっと棚に飾ったりしたら可愛いだろう。


「良く出来てるねー」

「ララ、この置物気に入ったんだー!」と、嬉しそうなララちゃん。


 かなえもその店に行きたくなったが、人気店なのか結構人が集まているので、そのまま先に歩いて行く。



 その後も幾つかお店を見ながら歩いて行くと、今度は食べ物の屋台がズラリと並んでいておいしそうな匂いがして来る

  

 少しお昼には早いが、混まないうちに食べた方がいいと思い、


「じゃあー、先に食べちゃいましょうか。好きなお店で買って、あの辺の空いているテーブルで食べましょう!」と、言うと、


「はーい!」と、リリララ姉妹は嬉しそうにお店を見て周り始める。


 かなえもジミーさんと、歩いて行き一通り見た中から好みの店を決めて、列に並ぶ。

 かなえが選んだのは、大きな薄いパンに好きな具を選んで巻いてくれるサンドウイッチのお店だ。

 

 スライスしたプロの実に、レタス、トマト、玉ねぎ、チーズ、それにたっぷりのヨーグルトソースを掛けてもらう。

 付け合わせは細くカットされたオレンジポテトのフライ。飲み物はタピオカマンゴアイスティーにした。

 

 袋に入れてもらい、特設のテーブルに行くとジミーさんが空いている所に坐っていた。


「ちょっと、2人の様子を見て来ます」と、ジミーさんに言うと、ランチを置き二人を探しに行く。



「あー、見つけた!」

 

 2人が居たのは長い列のクレープの店だ。並んでいるのは子供や女性が多い。

 周りには出来上がった大盛りのクレープを、頬張っている人達が結構いる。

 

 食事というよりデザートっぽいけどな……。

 まぁーこの甘ったるいおいしそうな匂いを嗅げば、食べたくなる気持ちもわかるけど。

 

 かなえは一番前で背を乗り出して、食べ物を受け取っている二人に近づいて行く。

 大きなクレープと飲み物を手にして運ぶのが危なそうだ。


「持つよー」と、かなえはリリララ姉妹の飲み物を受け取る。

 

 ララちゃんは自分の顔より大きなクレープを手にすると「かぷっ」と、かじりつく。


「ああー、あまーい!」

 ララちゃんは幸せそうだ。


「ララ、ちゃんとテーブルで座って食べないと、こぼすよ」と、リリちゃんが注意する。

「そうだね、落とさない様に気を付けてね」と、言いながら歩いて行きテーブルに座る。


「ジミーさん、お待たせしました」と、席を取って待っていてくれたジミーさんに言うと、席に座り一斉に食べ始める。

 

 ジミーさんのランチは、大きな丸いパンをくり抜いた中にクリームシチューが入っていて、ボリュームがありおいしそうだ。それと飲み物はアイスコーヒー。


 ララちゃんのは、大きなクレープで中にはバナナやチョコにアイスクリームが入っていて、食事にはならない感じだ。

 

 リリちゃんのは、サラダクレープでアボガドや野菜にチーズがたっぷり入っていてヘルシーな感じだ。飲み物は二人ともピンクベリーソーダだ。


 あーあ……ララちゃんの口の周りはチョコとアイスクリームだらけで大変な事になっている。後でコッソリ、ウオッシュを掛けよう。

 

 でも周りのテーブルに座っている子供達も、ララちゃんと似たようなものだ。


 かなえのサンドウイッチはヨーグルトソースが丁度いい感じで美味しい。オレンジポテトのフライもサクサクで、気に入ったのでみんなにも味見をしてもらう。

 

 こうして、お祭りの賑わった雰囲気の中での食事は楽しい。リリララ姉妹もジミーさんも笑いが止まらないようだ。周りの人達も笑ったり、小さい子が走り回ったりと、平和な感じだ。


 

 食べ終わるとまた、歩き始める。


「あー、かわいい!」と、ララちゃんが駆け寄って行ったのは、紅葉した葉で作られたカンムリだ。ララちゃんの頭に被せると、まるで森の妖精の様な感じだ。今日のララちゃんのダークオレンジのワンピースに合っている。

 

 せっかくなので、リリちゃんもジミーさんもかなえも、みんなでかぶる事にする。


「わぁー、リリちゃんも似合ってるよー」

「かなえさんも可愛いです!」

「ジミーさんも素敵ですよー」と、みんなで褒め合いそのままお店を見て回る。


 しばらく行くと、ゲームコーナーがあった。

 ポールが幾つも経っている中に、輪っかを投げる輪投げだ。

 中心に入ると、右の棚に置いてある景品がもらえるらしい。


「ララやりたい!」と、言うのでみんなでララちゃが挑戦するのを応援する。

 お店の人が、5つ輪っかを持たせてくれる。


「ララ、よく狙ってね」

「ララちゃん、ポールをよく見てね」

「ララちゃんがんばれ!」と、みんな真剣に応援する。


「それーっ!」と、勢いよく輪っかを投げると「ポトン」っと、一番端のポールの外側に落ちる。

「あーあ……残念! 次はがんばれー」と、応援するがまた外してしまう。


「あーっ、もうララできない! お姉ちゃんやって」と、残りの輪っか3つをリリちゃんに押し付けるララちゃん。


「もう、じゃーかなえさんと、ジミーさんも」と、一つづつララちゃんから受け継いだ輪っかを3人で投げることになった。


「えい!」と、最初に投げたリリちゃんの輪っかは、中心から少し離れた棒に入った。

「わぁー、ヤッター」と、嬉しがるリリちゃん。


「よーし、私も狙うぞー」と、ジミーさんも真剣に輪っかを投げると……。

 中心に近いポールに入る。


「スゴーイ! ジミーさん」と、嬉しそうに飛び上がるララちゃん。

 最後にかなえも挑戦するが……手が滑って、離れたところに落ちた。


 結局ジミーさんが、2等の景品の中から花のブローチ、リリちゃんは4等の景品の中から葉の形のペンダントを選んだ。


 すると、ジミーさんがララちゃんのワンピースに花のブローチを付けてあげる。

「わぁー! カワイイ。ありがとう」とララちゃんは大喜びだ。

 リリちゃんもペンダントが似合っている。


 

 その後もお店を見たりしながら歩いて行くと、立札に「クラフトフェア、今年の一番を選ぼう」と、表示されている。


 そうだ、ジョンさんも出品するって言ってたけどこれだな……。


「皆さん、次はここに行きましょう! ララちゃん、ジョンさんの家具が展示されているから見に行こう」と言うと。

「ジョンさん?……あっケーキの!」と、ララちゃん。


「そうよ、ケーキを食べさせてくれたメラニーさんの旦那さんよ」と、言うと、

「うん、いいよー。見に行こう!」と、ララちゃん。


 

 みんなで矢印の方角へ歩いて行く。



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