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アニマルレスキュー  作者: コトリコトリ
89/229

089 シャワードーム

 かなえはランチを食べ終わると、もう一度新しく作ったシャワーのドームまで移動して来る。

 

 ルークス達を呼んで来る前に、最終チェックだ。

 シャワーは、誰か入っている時だけ、作動するようにして……。

 

 休憩場は雲の上っぽくフカフカして低反発な感じにする。

 後は、やはり実際試してもらった方がいいな。


 かなえは、ルークス達の居場所を確認すると、スクーターに乗りジャンプして行く。

 

『あっー! カナカナ』と、先にかなえに気が付いたモモちゃんが声を上げる。

『カナカナ、どうしたの?』と、キョトンとした顔をしたルークス。よく見るとおでこの角が2センチ位出て来ている。


「ルークス、おでこはもう痛くも痒くないの?」

『うん、もう痛くないよー』と、ルークス。

 

 角は一旦おでこの外に出てしまったので、それほど刺激が無いみたいだ。

「そう。良かった……またあなた達に試してもらいたいものが出来たのよ。ちょっと来てくれる?」


『うん、いいよー』と、ルークスとモモちゃん。

 かなえは2頭をシャワードームにジャンプで連れて行く。

 

 目の前にはシャワードームが……透明にしているのでルークス達はよく何かわからないようだ。

 

「あのね、この半透明のトンネルから中に入ってくれる?

 楽しいと思うから……止めたくなったら、こっちの温風トンネルから出て来てね」


『うん、わかったー!』と、ルークス。

『いいよー』と、モモちゃん。が次々とトンネルシャワーに入って行く。


 すると、一気にドームの中にシャワーが流れ始める。それと同時に、ルークス達が飛び跳ねて、

『キャッキャッ!』

『それー、モモちゃん』

『えい!』と、元気良く動き始める。

 

 かなえが試した時よりも、ルークス達は跳ねるのが上手なようで、クルンと宙返りをしたり、上手にバウンドして、上下左右全方向に移動している。

 お湯に勢いもあるので、暫らく遊んでいれば、隅々まできれいになるだろう。


「ルークス! モモちゃーん! どんな感じ?」

 かなえは大きな声を上げて、聞いて見ると、


『すごく、楽しいよー』と、ルークス。

『うん、いっぱいぶつかってるよー!』とモモちゃん。


 

 そのままルークス達の様子を眺めていると、マリーとリキさんが、かなえの居る所まで昇って来た。


『かなえ、何やっているの? さっきからルークス達が騒いでいるみたいだけど』と、マリー。

「えっ? うるさかった?」


 かなえはマリーとリキさんに、ルークス達が最近ドンドン高いところで遊ぶようになって心配していた事、温泉にも入らないので体が汚れていることを話し、このドーム型のシャワーを造ったことを説明する。


『ふーん……面白そうね』と、マリー。

 そうか、マリーはトンネルシャワーが好きだから、このドーム型のシャワーも気に入るかも。


「マリー、もし興味があるならマリー達のも造ろうか?」

『えっ、本当? やってみたいわ!』と、乗り気なマリー。

「そう、それなら。今から造ってみるから待っててね」


 かなえはまず地図を出して、今いる休憩場を広げて50平方メートルの大きさにする。そうしてルークス達のシャワードームの反対側にもう一つ新しいシャワードームを設置する。


 大きさも仕様もルークス達と同じにし、様々な大きさのボールも並べ、中に居る間は空中階段もエスカ機能も解除する。それにもう一つ、重力を少し減らし、浮遊感が出るようにする。

 

 その方が重い体のジジさん達でも試してもらえるだろう……。

 ドームを透明にして、シャワートンネルと温風トンネルを設置し、ドームを透明にして、下側に雲を薄く付ければ出来上がりだ。


「マリー、出来たよー」

 かなえはルークス達の居るドームを見学しているマリーと、リキさんに声を掛ける。


『もう出来たのー?』と嬉しそうに駆け寄って来るマリー、とゆっくり歩いて来るリキさん。

「そうよ。どうぞ、リキさんも一緒に試して見て下さい」と。言うと、


『わしにも出来るかの?……』と、不安そうだ。

「大丈夫だと思います。あっちのルークス達のドームより動きがゆっくりになるはずです」


『あたしは、行くわよー』と、さっさとトンネルシャワーに入って行くマリー。

 リキさんは暫らくマリーを見学する事にした様だ。

 

 マリーは中に入って行くと、飛び始める。フワッと飛び上がり天井まで行きぶつかって今度は横に移動しと、危なげな感じは全くない。


『わぁー面白いわー、リキもいらっしゃいよ!』と、マリー。

『そうか……行ってみるかな』と、リキさんは始めは迷っていたがトンネルシャワーに入って行く。

 

 すると時間を置かず、

『おっー! なんだこれは!』と、リキさんの声が聞こえて来る。

 リキさんはコツをつかむのが早いのか、縦横無尽にバウンドしている。


 

 暫らく様子を見ていると、いつもと違う気配を察したのかキングス達とジジさん達もかなえの居る休憩場までやって来た。


『おおっ! 何だこれは、面白そうじゃないか! わしにもやらせてくれ!』と、キングス。

『そうよ。あたしもやってみたいわ!』と目をキラキラさせて言うクイーン。


『わし達には無理じゃろーな』と、言いながら興味深そうに見ているジジさん。

『ええ、そうですよ』と言いながらも、マリー達の動きから目が離せないババさん。


 わかりました……。

「みなさん、興味をお持ちなようなので、皆さんシャワーのドームも造りますからお待ちくださいね」

 

 かなえはそう言うと、地図を出し今みんなが居る休憩場を二回り大きくし、大きな円の形にする。そして、空いている所に向かい合わせてシャワードームを設置する。


 その結果、大きな休憩場の周りが4つのシャワードームで囲まれ、ちょっと見たことの無い不思議な空間になった。


 大きさも仕様もマリー達と同じにするが、重力をもう少し弱くし、大型のキングス達もジジさん達も丁度良く浮くように調整する。


 トンネルシャワーと温風シャワーをそれぞれに設置し、ドームを透明にして下に雲を付けたら出来上がりだ。

 

 マリー達が飛んでいるドームに見入っている動物達に、


「みなさーん、出来ましたよー! どうぞ試して見て下さい」と、声を掛ける。

『おお、そうか!』と、柔らかい休憩場を軽い足並みで歩いて来るキングスとクイーン。

 

 そうして、空いているシャワードームに近寄って行くジジさん達。

「それでは、そのトンネルから入って行ってください。止めたい時はもう一つの温風トンネルから出て来てくださいね」と、みんなに伝える。


 キングス達はトンネルシャワーからドームの中に入って行くと、フワフワと浮きながら、壁にバウンドさせて行ったり来たり移動し始める。


『おお! これは凄いなー。体が浮いているぞー!』

『アハハ! 面白いわー! 軽くなって飛んでるわー』と、キングスとクイーンはもう夢中になっている。


 ジジさん達も中に入って行くと、

『おっと、何だこの感触は?』と言いながら浮かび始める。

『きゃあー、あなた、体が勝手に回っているわ!』と、ババさんも楽しんでいる様だ。

 重たいジジさん達も良い具合に身軽な動きをしている。


 かなえはもう一度ルークス達のシャワードームまで様子を見に来る。

 おお、凄い! ルークス達は始めの頃より動きが早くなり、曲芸でも見ているように、中を飛びまわっている、

 

 ルークスとモモちゃんは互いにかなりのスピードで飛び回っているのに、ぶつからないのが不思議だ。

 動きが早いので目で追っていると、クラクラして来る。

 

 次にマリー達のシャワードームに来てみると、マリーも慣れて来たようで上手に体をバウンドさせている。


 リキさんも足が不自由だとは思えないくらい機敏な動きをしている。

 キングス達もジジさん達も、ゆっくりだが全身を使って移動している。

 

 フフッ、まるで、遊園地のアトラクションでも見ている感じだな……。


 このシャワードームは、かなえの思い付きでやってみたがルークス達にも他の動物達にも楽しめる物の様だ。

 特に、最近温泉に入ってばかりで運動不足だった大人の動物達には、良い運動になりそうだ。


 様子を見ていると、ジジさん達がもうエネルギーが切れたのか、外に出て来る。


『ハァハァ……この歳になってもまだ知らないことがあったんだな』と、ジジさんが、呟く。

『ハァハァ、なんだか若返ったような気分だわ』とババさん。

 

 だがさすがに疲れたのか、ジジさんと、ババさんは、フカフカした休憩所の床にうずくまると、ウトウトし始める。


 キングス達と、マリーにリキさんも外に出て来て横になる。

『ああ、面白かった! あたしこのシャワー、とっても気に入ったわ』と、マリー。

『この中だと、足が悪いのが全く気にならなくていいぞ!』と、リキさん。


『わしは、物凄く楽しめた!』と、キングス。

『ええ、そうねフワフワ飛べておもしろかったわ』と、クイーン。


「そうですか。皆さん楽しめたようですね。これからも、どうぞシャワードームを利用してくださいね。ただ、ここにあるドームは少しづつ重力を変えています。ですからいつも今と同じドームを使うのをお勧めします」

 

 みんな、かなえの言っていることは聞いてはいるが、もう眠そうで頷くだけだ。

 ルークス達はまだ疲れないのか、思いっきりシャワードームの中で飛び回っている。


 

 ルークス達の動きを眺めていると、

「もう、ジジ達を送る時間ですよ」と、シロンに言われる。

 そうか。時間が経つのは早いな……。


 かなえはウオッシュを休憩場の全体に掛けてから、眠り始めた動物達を送って行く。

 リキさんの足には、念入りに薬を塗り込んでおく。


 

「シロン、リリララ姉妹とジミーさんはどうしてる?」

「リリララ姉妹は、馬車に乗り動物ギルドの方角に向かっていて、お爺さんは仕事場で作業をしています」


 そう……。ならもうすぐ帰って来るわね。

 かなえはゆっくり歩いて、ジミーさんの家に向かう。

 かなえは仕事場に近づいて行き、


「ジミーさん、夕食を一緒に食べられそうですか?」と、聞くと、

「そうだな。ちょっと一息入れようか」と、手を停めて片付け始める。


 暫らくすると、

「ただいま戻りましたー」と、リリちゃんがララちゃんの手を引いてやって来た。


「お帰りー。ご苦労様」

 かなえは二人にウオッシュを掛け、テーブルに料理を並べ始める。


 今日はプロの実入りクリームシチューと、ほうれん草のキッシュに、サラダとメラニーさんから貰ったパイだ。飲み物はジミーさんには、ジンジャーティー、リリララ姉妹とかなえにはアイスピーチティーだ。

 

「さぁー食べましょー!」と、みんなで今日あった事などを話しながら楽しく食事をする。

 

 ジミーさんも、ずっと仕事をしていたので、リリララ姉妹の話が良い気分転換になるのだろう。楽しそうに笑っている。

 

 かなえは動物達から聞いた、ドームシティーの温泉の様子を話す。

「そうですかー、場所によっては混みあうんですねー」とリリちゃん。

 今のところ西門の温泉はそこまで混雑していないようだ。

 

 本当は、新しく出来上がったばかりのドームのシャワーの話をしたかったが、また今度にする。


 シャワーの勢いを弱めれば、リリララ姉妹にも楽しんでもらえるだろう……。

 食べ終わると、テーブルを片付けて家に帰ることにする。


「それじゃー、また明日ね」と、かなえは部屋に戻ってる。


 かなえはゆっくりお風呂に浸かり、寝る準備をするとベットに入る。


 

 今日も色々な事があったなぁー。

 でもあのシャワードームはなかなか良さそうね。


「シロン、ルークス達はいつごろまでドームにいたのかな?」

「ルークス達は今もあそこに居ます。順番に他のドームに入って行き違いを楽しんでいるようです」

 

 ははっ! まだドームに居るんだ……。重力が少ないところは違った楽しみがあるだろうな。でもお湯を浴びすぎて、ふやけなければいいけど……。

 まぁー、大丈夫だろう。


 かなえはゆっくり目を閉じた。


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 ポイント 

 

 プラス  

 マイナス 

        

 残り    215万5900 

 パワー   498


―――――――――――――――― 

 予定   日曜日 秋の収穫祭 


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 給料30日目  牧場の従業員見習い  15万

        動物ギルド長 20万ー6万(リリララ姉妹の残業代)=14万

        アニマルドーム管理人 30万 入金予定



 


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