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アニマルレスキュー  作者: コトリコトリ
85/229

085 ジャンプミラー 


「お待たせしました。ここがドームシティーの西門の温泉です」

「ほー、ここがそうかね。随分個性的な建物だなぁー」とジミーさん。


 かなえは順番に、大型動物用、小型中型動物用、そして男女別の人間用がある事を説明する。他にも、売店がある事、休憩場で食事をしたり、仮眠室で休んだり出来る事を話す。


「それから温泉ポイントというのがあって……」と、

 この温泉独自の温泉ポイントがあり、ここで一定時間働くと、ポインとがもらえ格安で温泉に入れる事、リリララ姉妹が今日もここで働いて居る事を話す。


「ほーっ、それはなかなか良い仕組みだな。私もここで働いて見ようかの」と、ジミーさんも興味を持つ。

「ここの温泉は、体に良いのでお勧めです。ジミーさんの体調も、もっと良くなると思いますよ」

 

 そうか、あのジャンプミラーが使えるようになったらジミーさんはここにいつでも来れるようになるんだな……。


 リリララ姉妹がまだ働いているようなので、ジミーさんと一緒に売店を見に行くことにした。

 わぁー賑わっているなぁー。

 

 お店の中は、出来たばかりとは思えないほど、沢山の人が買い物をしている。

 温泉に来る人だけでなく、買い物目的の人もいそうだな……。

 

 売店というより道の駅の様な感じで、取れたての野菜やフルーツも売っている。それに加えて、総菜や屋台の様な店構えで食事も売られている。


 ドームシティーのお土産コーナーもあり、ドーム温泉と書いてあるお菓子もみつけた。

 フフッ、なんだか、新しい観光名所みたいね……。

 

 女神さまが、うまくドームシティーの人々に宣伝して広まったようだ。


 お菓子のコーナーで、見覚えがある思ったら、ジルさんのカラフルなお菓子も売られている。

 きっと、あっちの惣菜コーナーにはダンさんのスープも売られているんだろうな。


 ジミーさんが熱心に商品を眺めているので、

「ジミーさん、何か買い物があればカバンに入りますからどうぞ」と、言うと、


「いや……わしの作った瀬戸物もここで売らせてもらおうかと、思ったんだが」

「そうですか! それは良いですね。是非素敵なコップやお皿を作って下さい!」

「そうだな。考えてみよう……」


 なのでかなえは早速、働いている人に「どうやったらここで商品を売れるんですか?」と質問してみると、


「誰でもここで自分の商品を売る事が出来ますよ。ただ、毎日1時間ここの売店で働くのが条件です」と、教えてくれた。

 

 なるほど。それなら人件費もいらなくなるし、売りに来る人の流れも出来て、色々と良い考えだな。帰りに温泉に入って行く人もいるだろうし……。


 かなえの横で、ジミーさんも何を作ろうかと考えているようだ。


 そろそろ、終わったかな……。

 かなえはジミーさんと一緒に、休憩場の方へ行くと、仕事を終わらせてリリララ姉妹がベンチに座っていた。


「お待たせー、ご苦労様。仕事は慣れたー?」

「はい、今日は小型中型の動物用の温泉を掃除したんですけど、動物達が可愛くて楽しかったです」と、リリちゃん。


「ワンちゃんも居たよー」とララちゃん。

「そう、良かったね。それじゃー、そろそろ行こうか。帰る前にみんなに見せたいものがあるので一緒に来てね」


 かなえはそう言うと、みんなで、人の居ない片隅に来てもらい、動物ギルドにジャンプして来る。

「えっ!? 動物ギルド?」とリリちゃんが不思議そうにしているので、


「ええ、そうよ。ちょっともう一つやることがあるので、ここに居てもらえますか?」

 そう言うと、かなえは一人ジャンプミラーが置かれている、奥の向かって右側にある部屋に入って行く。

 

 そして、一旦、ジャンプミラーをポーチにしまうと、小さなベットや机と椅子しか置いていない質素な部屋に、他にチェスト、サイドテーブル、灯り、ラグ、一人用のソファ等を設置し、居心地の良さそうな部屋にする。

 

 次に、隣の空いている部屋に行くと、一番大きな壁にジャンプミラーを設置して、テーブルや椅子、それに食器棚等を置く。

 

 こんな感じで良いな……。

 

 かなえは部屋から出て行きみんなの所へ行くと、

「お待たせしました。まず、ジミーさんにはこれをお渡しします」

 と、かなえは動物ギルドの鍵をジミーさんに渡す。


「どうぞ。これは動物ギルドの鍵です。リリララ姉妹も持っていますが、ジミーさんも必要になりますので、持っていてください」と言うと、

「ジミーさん?」と、リリララ姉妹が不思議そうだ。


「そうよ。私たちはいつもお爺さんって呼んでいたけど、お爺さんにはジミーさんという名前がありますから」

「わたしは、爺さんでかまわないんだが……」と、ジミーさん。


「うーん、ジミーさん……? ジミー、ジミーちゃん? ララ、ジミーちゃんがいい!」と、ララちゃん。

「はっ? ジミーちゃんはちょっと……」と、かなえが言うと、


「ハッハッ、ジミーちゃんか……そういえば子供の頃そう呼ばれていたな。なんだか若返ったような気分だ」と、ジミーさん、何だか嬉しそう。


 まぁ、ジミーさんがいいならそれでいいか。

「それで、ここに来てもらったのは……まず、奥の右側の部屋を見てもらえますか?」

 

 そう言うと、ジミーさんとリリララ姉妹が部屋の中に入って行く。


「わぁー、お部屋になってるー」と、ララちゃん。

 この部屋は今までなにも置いていなかったので、家具があるのが意外な様だ。


「この部屋はジミーさんの部屋として用意しました。書類上も住所が動物ギルドになっていますし……ここならお友達を呼ぶことも出来ますよ」

「そうか、それは済まないな」



「では、向かいの部屋に行ってください」

 ゾロゾロとみんなで移動すると、


「あー、テーブルが置いてあるー」と、リリちゃん。

「はい、ここにはテーブルを置きましたが、実際はここにある鏡を使ってもらいます。この鏡はジャンプミラーと言って。ここを通るとアニマルドームに行けるようになっています」


「え!?」

「は!?」

「なに?」

 みんな、良く意味が分かって居ないようだ。


「では、実際使用してもらうのが早いので、まずは私が試してみますから、見ていてください」

 

 かなえはジャンプミラーの前に立つと、指でチョンとミラーに触る。すると一瞬でアニマルドームのもう一つのジャンプミラーの外に来ていた。

 なのでもう一度そのミラーに触ると、動物ギルドに一瞬で戻って来た。


「こんな感じで、動物ギルドとアニマルドームを繋いだので、まず順番に試して見て下さい。体の一部をミラーに触れさせると、移動します」


「そうか、なら私から行こう」と、お爺さんがミラーに近づいて行きかなえの様に指を近づけると、スッとお爺さんが消えた。


「あっー! ジミーちゃん消えちゃった」と、ララちゃん。

「うん、ジミーさん、居なくなったね」と、リリちゃん。

 すると、すぐにまたジミーさんが戻って来た。


「ハッ、ハッ、こいつは凄い! 私の家の横に出たぞ。なのにまたここに戻って来た!」と、ジミーさんは興奮気味だ。

「あなた達は一緒に試しても良いわよ。ミラーに触れれば移動出来るから」と、かなえが言うと、


「ララ、やってみよう」と、リリちゃんがララちゃんと一緒にミラーに向かって指を出して、

 パッと、二人とも消えたかと思うと、すぐにまた動物ギルドに戻って来る。


「わぁー、ララのお家があったよー」とララちゃんが声を上げる。

「凄いです! これからはいつでも、ここに来れるんですね?」と、リリちゃん。


「そうよ。ここにはあなた達の部屋もあるし、買い物も学校もいつでも行けるから便利でしょ?」

「はい! 嬉しいです!」と、リリちゃんはとても嬉しそうだ。


 アニマルドームも島の家も気に入ってくれたようだが、便利なドームシティーから離れて不便さを感じていたんだろうな……。


「そうだな。それは助かるな」と、ジミーさん。


「こことアニマルドームがつながったので、向かいの部屋もジミーさんの私物を置いたりと、活用できると思うんです」

「ああ、ありがとう」と、ジミーさん。


「それで、このジャンプミラーですが、他の人には内緒にしてください。ここに居る人は登録したので、通ることが出来ますが、普通の人は利用できません」


「ああ、それは気を付けるよ」と、ジミーさん。

「はい、わかりました。ララにも言い聞かせて置きます」と、リリちゃん。


「じゃあ、このままアニマルドームへ帰るのもどこかへ寄るのも自由ですから……何も無ければ30分後にお爺さんの家で夕食にしますか?」

「はぁーい」と、ララちゃん。


「私はもう帰るよ」と、ジミーさん。

「はい、家に一度戻ります」と、リリちゃん。

 

 

 みんなジャンプミラーで、家に戻って行ったので、かなえは向かいのテラスカフェに行き、リトくんのご褒美パンを買いに行く事にする。 

 

 外に出て公園を抜けた向かいに、テラスカフェがあるのですぐに到着する。

 今日も一階のテラス席は、早めの夕食を取るお客さんで賑わっている。


 2階のバルコニーも大分お客が入っている様だ。

 かなえはお店の中に入ってすぐの、テイクアウト用のカウンターの列に並ぶ。

 

 リトくん用のパンは……無いみたいだな。

 かなえの順番が来たので、


「すみません、この間ここで買った小さいパンが沢山つながったのが欲しいんですけど」と、聞くと……、


「あのパンはもう売れ切れたんです。最近人気があるので作るとすぐに売れるんですよ。もしよければ予約しますか? 希望があれば変更できますけど」


「そうですか……それなら予約したいです」

 かなえはリトくんが好きそうな、全粒粉を使った木の実やコーンにドライフルーツの入ったパンを二つ注文すると、


「わかりました。では明日の午後には焼いておきます」と言われたので、

 美味しそうな、総菜やピザなど食事になりそうなものも買い、お店を出る。


 かなえは公園を歩きながら、今日はみんなでどこで食べようかと考える。

 昨日の山の頂上も眺めが良くていいが、一番この島の中で愛着があるのは、島の砂浜だ。

「そうだ、今日はあそこで食べよう」と、思い立った。



 ジャンプでジミーさんの家の庭まで移動して来ると、ジミーさんがマリーと一緒に庭でのんびりと椅子に坐っていた。


「あら、マリー起きたんだ。もう少し温泉に居たかった?」


『ううん。もう十分温泉には浸かったからいいわ。目が覚めたから、お爺さんに会いに来たの』

「そうなんだ……ジミーさん、マリーは目が覚めたのでジミーさんに会いに来たって言ってますよ」


「そうか、マリー! 可愛いな」と、ジミーさんはマリーの頭や背中をゴシゴシと撫でる。

「マリー、ジミーさんは、マリーがカワイイって言ってるよ」

『そう。ウフフッ』と、マリーは嬉しそうに尻尾をビュンビュン振り回している。


 しばらくすると、リリララ姉妹が隣の家から来たので、

「じゃあーみんな揃ったので、今日は砂浜で食べようと思うんだけどどうかな?」と、かなえは聞くと、


「そうか、それはいいじゃないか」とジミーさん。

 リリララ姉妹も、問題無さそうだ。


「マリー、私達はこれから砂浜で夕食だけどマリーも一緒に来る?」

『うーん、そうね。じゃー行こうかしら』と、マリー。


「それじゃ、近いので歩いて行きましょう」と、みんなで歩いて行くことにした。

 

 マリーはジミーさんをかばうように、すぐ横を歩く。

 リリララ姉妹は仲良く手を繋いでいる。

 ほんの100メートル位の距離だが、みんなで歩くと遠足に行くような気分になる。

 

 

 歩道を出て、砂浜に降りて来ると目の前にはもう湖が広がっている。


「それじゃぁー今日の夕食を出しますねー」と、かなえが言うと、

「ララ、バナナのお店の残りが食べたい」と、ララちゃん。


「そう? 別に悪くならないから違うものでもいいけど?」と言うと、

「かなえさん、私もさっきの食べかけを食べたいです」と、リリちゃん。


「うん、そうね。わかった。それじゃー、ジミーさんもセットで頼んだのがあるから、みんなでジャングルフードね」


「はい、これね……こっちがジミーさんので。足りない分はこのピザにしよう」と、みんなでバナナの皮に入った料理を広げる。

 

 飲み物はジミーさんにはハーブティーで、リリララ姉妹とかなえにはピンクベリージュースにした。


「これは面白いなぁー」と、ジミーさんはジャングルフードの料理を初めて食べるようで、じっくりと観察しながら食べ始める。

 

 リリララ姉妹は、今日行った学校の事を話したり、ジミーさんは今日買って来た瀬戸物を作る土の話をしたりしながらの食事で楽しい時間が過ぎて行く。


 マリーはジミーさんの側で伏せていたが、起き上がると、

『あたしも何か、食べて来るわ』と、さサァ―っと、空中階段で湖の上を走って行った。


「マリー、は前よりも見違えるように活動的になったなー。それに、毛の艶も出て健康そうだ」と、走り去って行くマリーを目で追いながら話すジミーさん。


「そうですね。マリーは元気だと思います」

 実際マリーは心配っだったジミーさんが、体調も快復して来ていつでも会えるのが嬉しいのだろう。

 心配事が無くなり、絶好調に見える。 

 

 

 だんだん夕日の色が濃くなって来て、外灯ががポツポツと点き始める。

 


「今日聞いたんだけど……」と、かなえは、秋の収穫祭の話をすることにした。

 もらったチラシを見せながら、メラニーさんの事や旦那さんのジョンさんの事など一通り話し、


「それで、私は今度の日曜日に行ってみようと思うの。ジミーさんも、あなた達も、興味があったら一緒に行きましょう?」


「ララ行きたーい!」と、ララちゃん。

「私も連れて行ってください!」と、リリちゃん。


「そうだな。私も顔を出してみようかの」と、ジミーさん。

「そうですか。じゃー日曜日は皆で行きましょうね!」と、収穫祭にみんな揃って行くことになった。


 そろそろ、帰ろうという時間になり、 

 かなえは、お菓子な店で買ったジルさんのお菓子の箱を出すと、ジミーさんと、リリララ姉妹にも一つづつ渡す。


「これは甘いものが欲しくなった時に食べてね」

 リリララ姉妹は嬉しそうだ。

 ジミーさんは……、


「ジミーさん、甘いものはお好きですか?」

「ああ、私はこう見えて、甘いものに物に目が無くてな」と、恥ずかしそうに笑うジミーさん。


「それじゃー、ジャンプミラーを設置したので、明日からは好きな時間に、お出掛けしてください。リリちゃん、ララちゃんも、学校に行きたい時は好きな時に行ってね。

 もし手伝って欲しい時は声を掛けるし、私を必要な時もいつでも声をかけてね」


「はい、わかりました」と、リリちゃん。


「とりあえず、明日の朝はジミーさんのお家の庭で食べますか?」

「ハーイ!」と、返事のいいララちゃん。

「じゃーそうしましょう。また、明日!」と言い、かなえは砂浜でみんなと別れて部屋に戻って来る」


 

 かなえは湯船に浸かりたい気分だったので、疲労回復、美白効果の湯をシロンに出してもらいゆっくり浸かる。


「あーっ、気持ち良いなぁー」

 お湯が柔らかくて、いい気分だな……。


「かなえ、起きて下さい」

「はぁ!? またやっちゃった……シロン、私どれくらい寝てた?」


「ほんの15分です」

 そう、起こしてもらっって助かった。

 お湯の効果か、体が軽くスベスベになった。

 かなえは寝る支度を済ませると、ベットに入る。



 今日も色々あったなぁー。

 リリララ姉妹は学校に通えそうだし、ジミーさんも体調が良くなって来て瀬戸物も作れるようになるだろう。


 あと気になるのは、リキさんの足ね。もう少し時間が掛かるかな……。

 また明日、がんばろう。

 


 かなえはゆっくり目を閉じた。




――――――――――――――――

 ポイント 

 

 プラス  1000  精神安定の実、リトくん  

 マイナス 8000  ジャングルフード3人前、テイクアウト5人前

      6000  ご褒美パン2つ、ピザ、惣菜、テラスカフェ

        

 残り    215万5900 

 パワー   498


―――――――――――――――― 

 予定   日曜日 秋の収穫祭

 

―――――――――――――――― 

 給料30日目  牧場の従業員見習い  15万

        動物ギルド長     20万ー6万(リリララ姉妹の残業代)=14万

        アニマルドーム管理人 30万 6日後に入金予定








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