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アニマルレスキュー  作者: コトリコトリ
82/229

082 みんなとの顔合わせ 


『カナ、カナ、パンですよー、アサですよー』

「あっ、リトくん……毎日早起きだねー」


『カナ、カナ、パンちょーだい』

「わかった、もう起きるよー」


 かなえは居間まで歩いて来ると、後ろから飛んで来たリトくんに、パンを見せる。

「はい、リトくんどれにする?」


『うんとねー、ピンクのパンがイイ』

「はい、これね」

 

 リトくんが選んだのは、乾燥したラズベリーの入ったパンだ。生地にも練り込まれているようで、薄っすらとピンク色をしている。


『ピンクのツブツブ。酸っぱいなー』

 リトくん目を、閉じている。フフッ、あれは酸っぱいって事なのかな。


「リトくん、もうすぐご褒美パンが無くなるけど、次はどんなパンがいい?」

『えーと、ぼくねー、ごほうびパンがイイ!』


「えー? ご褒美パンかー。でも何もしないでご褒美パンはあげられないなぁー」

『ぼく、ゲームやる?』

 うーん、そうだな……。


「そうだ、リトくん。何か困っている動物がいるのを、見つけたらご褒美パン買ってあげるよ」

『こまっているどうぶつ?』


「そうよ。怪我をしたり、病気だったりして辛い思いをしている動物を見かけたら教えてくれる?」

『うん、いいよー。ぼく見つけるねー』と、リトくんはパンを食べるとすぐに窓から外に飛んで行った。



 かなえは支度をすると、牧場に行きジジさんとババさんを連れてアニマルドームにジャンプで移動して来る。


「昨日から、白い犬のリキさんもこのドームに来ていますので、よろしくお願いしますね」と、ジジさん、ババさんに伝えると、


『ああ、そうかい。わかったよ』と、ジジさん。

『ええ、そうなの? わかりましたよ』と、ババさん。

 2頭は、仲良く山の方へエスカで登って行く。


「シロン、リキさんはどうしてる?」

「今は、お爺さんの家の庭にみんなと居ます」

 そうなんだ……。



 かなえは、ジャンプでお爺さんの家の庭に移動して行く。

「みなさん、おはようございます!」

「あー、おはよう」と、お爺さん。


「おはようございます」と、リリちゃん。

「はようです」と、ララちゃん。

 それにマリーと、リキさんに子猫達と、勢ぞろいだ。


 かなえはテーブルに朝食を出すと、

「料理を並べてもらってもいいですか? もう食べてていいですよ」と、みんなに頼みマリー達の所へ行く。



「リキさん、どうですか、ここは慣れましたか?」

『ああ、気に入ったよ。昨日は温泉で眠るつもりはなかったんだが……』

「いいんですよ。気持ち良く眠るのが体にいいんです。リキさんの足の調子はどうですか?」


『それが、今朝起きたらいつもの足のツッパリが無くなっていてな』

「そうですか。これから毎日お風呂の後に薬を塗りますから、良くなって行くと思います」


「マリー、階段とエスカ機能をジジさんに教えてくれた?」

『ええ、でもあのまま温泉で寝ちゃったから、話だけよ』


「そうなんだ。リキさん、山の頂上まで楽に登って行ける機能なので、利用してみて下さい」

『そうだな』

「マリー宜しくね。リキさん、何か困った事があればいつでも言ってくださいね」

『ああ、そうさせてもらうよ』



 話が終わったので、みんなの所へ戻って行く。

「あっ、ごめんなさい。待っていてくれたんですね。さぁー食べましょう」

 

 かなえが選んだのは、コーンポタージュスープと、ミックス豆のキッシュにクリームチーズたっぷりシナモンレーズンベーグル。 

 

 それにスティック野菜と、お爺さんにはコーヒーとピンクベリージュース。リリララ姉妹とかなえにはアップルティーと、ピンクベリージュースにした。


「ララ、このスープすきー」と、ララちゃん。

「私はこのベーグルが好きです」と、リリちゃん。

「コーヒーは久しぶりだ」と、目を細めながら飲むお爺さん。


 かなえはみんなを驚かせない内に、動物達の事、それに空中階段と、エスカ機能の説明をすることにした。


「……というわけで、他の動物達はほとんど山の上の温泉に居るの。あそこまで行くのが大変だから空中へ登って行けるようにしたの」


 

 かなえは食べ終わると、リキさんと一緒に子猫達を遊ばせているマリーに声を掛ける。

「マリー、空中階段を上って行くところを、みんなに見せてあげてくれる?」


『いいわよー』と言うと、マリーはその場で一歩上に踏み出すと、次々に何も無いところを登って行く。

 それを見ていたリリちゃんは「わぁー! すごーい」と声を上げ、


「いいなぁ。ララもやりたい」と、ララちゃんは、そんなに驚いている感じでは無い。

「はー!?」と、お爺さんは驚いたようだ。


『本当に空中を歩けるのか……』と、リキさんも驚いている。

「リキさんも、空中を歩けるうようにしていますので試して見てください」


『うーん、そうだな。わかった』と、リキさんもマリーが居る2メートル位上の方向を見て足を一歩あげると、

『階段が出て来たぞー! これなら登れそうだ』と、ゆっくり上に登って行く。


『はは、これは面白いなぁー』と、問題無さそうだ。

「そうしたら、もう少し早足になって下さい。そうするとエスカ機能を使えるようになります」


『ああ、やってみる』と、リキさんはさっきより早く階段を上ると、体がスーッとスピードを増して滑らかに登り始める。

『わぁー、凄いぞ! 早い!』と、リキさんは、あっという間に10メートル位上までエスカ機能で昇ってしまった。


「そうです。ではそこから降りて来てください」

『ああ、いくぞー』と、今度はスーッとエスカ機能で降りて来る。地上に着くと、


『これは凄い。こうして素早く登る事が出来るなんて、思わなかった!』

 リキさんは、足が悪いから特にエスカ機能が使えて嬉しいんだろうな……。


「リキさん、練習したら山の上の温泉にも行けるようになりますからね」

『そうだな。全く驚いたよ』

 

 子猫達もリキさんやマリーの空中階段を昇って行く姿を見て『キャキャッ』『ボクもー』『まってー』と、上に行きたそうにしている。

 

 そうか、子猫達には見せない方が良かったかな……。

 落下防止の為に1メートルの高さで空中階段は付けているが、普通に利用してもらうのはまだ早い。

  

 マリーがすぐに地上に降りて来て子猫達の相手をしているので、

 後はマリーに任せよう……。



「と、こんな感じで動物達が移動するのを、見かける事もあると思うけど、驚かないでね」と、マリーと、リキさんの動きをジーっと見ていたみんなに言うと、


「もー、ビックリしましたー!」と、リリちゃん。

「ララものぼりたい」と、ララちゃん。

「ここに来てから不思議な事ばかりだ」と、お爺さん。


 かなえはテーブルの上を片付けると、

「それでは私は牧場に行って来ますので、今から1時間後位にここで集合しましょう」と言うと、ジャンプで牧場の牛舎に移動して行く。


 

 さぁー、さっさと片付けよう。

 かなえは慣れた仕草で、いつもの様に順番にウオッシュを掛けて行く。


 かなえが牛舎の掃除を引き継いでからは、どこもかしこもピカピカと磨かれたようになって来ている。

 ガタガタしていた窓枠や、緩んでいた蝶番も今では全く問題無い。


 ウオッシュは加減しながら掛けているつもりだが、毎日掃除しているので徐々に磨かれ来ている。


 

 掃除を終えて牛舎から出ると、家から丁度、メラニーさんが出て来た。

「かなえ! やっと会えたわ。何度かあなたが来そうな時間に牛舎に来てみたんだけど、タイミングが合わなかったみたい」


「メラニーさん、お久しぶりです。お元気でしたか?」

「私も、ジョンも元気よ。それよりあなたちょっと時間ある?」

「30分位でしたら……」


 かなえはメラニーさんにお家の居間に案内される。

「どうぞ坐ってね」

 メラニーさんは、ヨーグルトソーダをかなえに持って来てくれる。


「あの、何かありましたか?」

「収穫祭の事よ。あなた興味があったでしょ? 今度の土日でやるのよ」


「あーっ! そういえば前に来た時美味しいパイを頂きましたね」

「そう? 嬉しいわ。私はあれから何個作ったか……。ジョンの家具もあと少しで出来上がるわ」


「そうなんですか。じゃー見に行こうかな」

「だから、はい、これ」と、メラニーさんが渡してくれたのは、収穫祭のチラシだ。秋の美味しい物が食べられたり、イベントが行われる様だ。

 

「楽しそうな、お祭りですね」

「そうよ、この辺のドームから集まって来るから、結構大規模なの。かなえもいらっしゃいよ」

 

 品評会は日曜日の午後から始まるそうだ。

 暫らく収穫祭の話を聞き、今日もメラニーさんが焼いたパイを頂いて、お暇する。



 かなえはその後、牧場にサッとウオッシュを掛けて、アニマルドームのお爺さんの家の前に戻って来る。


 まだ少し時間が早かったのか、リリララ姉妹もお爺さんも居ないようだ。

「シロン、皆の様子を教えて」


「はい、キングスとクイーンは、雲の温泉に着いたところです。ジジとババは湯船に居ます。そしてマリーとリキは、牧草地の隣でプロの実を食べています。

 子猫達は小屋で眠っています。また、ルークスとモモちゃんは今は……およそ700メートル上空に居ます」

 

 はぁー?! もう、ルークス達は何をやっているんだろう。

 

 

 ちょっと、様子を見に行ってみよう。

 かなえはスクーターを出すと、ジャンプでルークス達の居る700メートル上空までジャンプして行く


『あー、カナカナ!』と、かなえに気が付いたルークスが声を上げる。

『あー、カナカナカナ』と、モモちゃん。

 カナが一個増えてるよ……。


「ちょっと、あなた達前よりも高いところにいるじゃない! 何やっているの?」

『うーんとね、ぼくいっぱい運動してるんだよー』と、ルークス。

『そうだよー』と、モモちゃん。

 

 何かいつもとちがうな……。

 わかった! この2頭は薄汚れているんだ。お風呂も入らず川でも泳がないでるのかな?


「あなた達、体が汚れているわよ。たまにはお風呂に入りなさいよ」

『えー、めんどうくさいなー』と、ルークス。

『くさいなぁー』と、モモちゃん。

 

 かなえは、ウオッシュを念入りに掛けてルークスとモモちゃんをきれいにすると、真っ白な元の姿に戻った。


「ほらー、きれいにすると可愛いでしょー?」


『うん、いい匂いがするー』と、ルークス。

『スルー』と、モモちゃん。

 

 そうだ。

「あなた達、ちょっと下まで来てくれる? 紹介したい犬と人が居るの」

『ふーん、いいよー』

 

 

 かなえは先に、お爺さんの家の庭にジャンプでルークス達を連れて行く。

 かなえ達が移動して行くと、もうリリララ姉妹もお爺さんも用意をして待っている所だった。


「お待たせー、ちょっとこの子達を紹介しておこうと思って」

「……この子達って?」とリリちゃん。

「あれ? あっ、そうか」


 かなえはルークス達を、かなえ以外の人からは見えなくしていたんだ。

「シロン、ルークスとモモちゃんを、リリララ姉妹とお爺さんにも見えるようにしてくれる?」

「はい、どうぞ」


 すると……、

「きゃー! カワイイ!」とルークス達に駆け寄って行くリリちゃんと、ララちゃん。

「ほう、きれいな動物だなぁー」と感心するお爺さん。


 さっきまでは、大分汚れていましたが……。

 いきなりリリララ姉妹に抱きしめられて固まっている、ルークスとモモちゃん。


「こっちの、白い馬の方がユニコーンのルークスです。そして、隣の白い子がドラゴンのモモちゃんです。普段はあまり姿を見せませんが、このドームで一緒に暮らしていますので、よろしくね」


「モモちゃん、あたしはララだよー」

「ルークスって言うんだ。きれいねー。私はリリよ」

 かなえはルークス達にリリララ姉妹とお爺さんを紹介すると、


「ぼく、ルークスです。おとうさんはキングスです」と、ちゃんと自己紹介する。

「あたしモモちゃんだよ。クインがお母さんになってくれたのー」と、モモちゃんも挨拶する。

 

 かなえがルークス達の言葉もリリララ姉妹に訳してあげると、

「ルークスかわいい!」と、リリちゃんは一目惚れの様にルークスを気に入ったようで、


「モモちゃん、大好き―!」と、ララちゃんもモモちゃんの事をとても気に入ったみたいだ。

 ルークス達も、結構嬉しそう。モモちゃんがプカプカと空中に浮きだして、ララちゃんが騒いでいる。


 暫らく賑やかな様子を、お爺さんと眺めていたが遅くなるので、

「そろそろ終わりにしよー」と声を掛けて、ルークス達を雲の温泉に連れて行く。




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